僕が居なくなったら。
僕が居なくなったら、誰かが泣いてくれたら嬉しい。
大きな声で、獣みたいに叫びながら泣いてくれたら、とても嬉しい。
僕が居なくなったら、誰かが怒ってくれたら嬉しい。
「なんでだよ!」って。
「ふざけるな!」って、怒ってくれたら嬉しい。
僕が居なくなったら、誰かが笑ってくれたら嬉しい。
「ああ、清々した」って、綺麗に笑ってくれたら嬉しい。
そうしたら、きっと僕は、やっと自分の存在価値が理解できるから。
僕は弱くて、狡くて、そしてとっても我が儘だから。
「大丈夫。大丈夫」
って、微笑んでくれる存在が居ないと、不安になるんだ。
手を離される瞬間は、もう、何度だって見たから。
ただ、壊れたように誰かの体温を求めているんだよ。
不安で、怖くて、寂しくて堪らないから。
家族や、昔の友人の体温ばかりを求めたがる。
それはいけないって、頭の中では理解しているのに。
僕が居なくなったら、誰かが大声で泣いてくれたら嬉しい。
獣みたいに叫びながら。「ふざけるな!」って、泣きながら。
ただ、泣き喚いてくれたら、とても嬉しい。
そうしたら、きっと。
僕は、やっと。
「生きてて良かった」
なんて言いながら、心の底から、笑えそうな気がするんだ。
ここまでお付き合いくださり、本当にありがとうございました。