表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩集⑥

僕が居なくなったら。

作者: 桜ノ夜月

僕が居なくなったら、誰かが泣いてくれたら嬉しい。



大きな声で、獣みたいに叫びながら泣いてくれたら、とても嬉しい。



僕が居なくなったら、誰かが怒ってくれたら嬉しい。



「なんでだよ!」って。



「ふざけるな!」って、怒ってくれたら嬉しい。



僕が居なくなったら、誰かが笑ってくれたら嬉しい。



「ああ、清々した」って、綺麗に笑ってくれたら嬉しい。



そうしたら、きっと僕は、やっと自分の存在価値が理解できるから。



僕は弱くて、狡くて、そしてとっても我が儘だから。



「大丈夫。大丈夫」



って、微笑んでくれる存在が居ないと、不安になるんだ。



手を離される瞬間は、もう、何度だって見たから。



ただ、壊れたように誰かの体温を求めているんだよ。



不安で、怖くて、寂しくて堪らないから。



家族や、昔の友人の体温ばかりを求めたがる。



それはいけないって、頭の中では理解しているのに。



僕が居なくなったら、誰かが大声で泣いてくれたら嬉しい。



獣みたいに叫びながら。「ふざけるな!」って、泣きながら。



ただ、泣き喚いてくれたら、とても嬉しい。



そうしたら、きっと。



僕は、やっと。



「生きてて良かった」



なんて言いながら、心の底から、笑えそうな気がするんだ。



ここまでお付き合いくださり、本当にありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] とても悲しいのが、この『僕』は自分が消えない限りは『体温』を感じられないと考えているところだと思いました。 寄り添えば温かいのに、彼(彼女)にはそれを感じられなくて、自分が消えることで周囲の…
[良い点]  こんにちは。タケノコです。  拝読しました。ロマンチックで良いですね。読んでいて優しい気持ちになりました。素敵な作品だと思います(^_^)。  これからも頑張ってください(^-^)/…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ