第2話
「ふふ、その事を話すつもりはない。さぁ皆仕事に戻りなさい 」
皆興味津々で私の事を見ていたが、今は仕事中だ。 社長と婚約したのは、確だけれど他人に簡単に話せる自分ではない。 それぞれが自分の持ち場に着いたことを確認し、私も自分の仕事を始めた。
りさ
夕方5時、仕事終わり。 社員たちが「お先に失礼します。 」と挨拶し帰って行く。 私も、仕事終わり帰ろうとしたが、 婚約者である。日高さんに挨拶してから帰ろうと思い社長室に向う。
(今日は、とくに予定がないと言ってたからな) カツンカツンとヒールの音が廊下に響く。 社長室の前に着きノックをしよりさうとドアに手を当てようとすると、中から声が聞こえた。
「嘘つき! 私の事愛してるって言ってたのに小野主任と婚約なんかしてどうゆうつもりよ!」
「しょうがないだろ。親父じゃなく、会長がいたく気にいって話が進んでなった話しなんだ。 俺が今でも愛してるのは、沙里だけだ。 」
「ぅ。 」
(嘘つき? 愛しているのは、沙里だけ? )
私の頭の中に今聞こえてきた言葉が、頭の中でぐるぐると回っている。
「イヤ! なんでキス何かするのよ!」
「泣くな沙里、小野の事は、会長に言って無かった事にしようと動いてる所だ。辛い想いをさせてしまうがもう少しだけ待っててくれ、信じてくれないかもしれないが、小野とは 触れてもないし、キスもしたことがない」
(え・・・。私との交際は、会長が勝手に決めた事なの? デートだって、キスだってそれ上の事だってしたのに何を言っているの?)
今社長室での話を聞いた私は、いっきに日高さんへの気持ちが冷めた。
なるべく音をたてないように社長室から、離れ自宅に帰った。
プシュッ!
「プハァー! ビール最高だ!」
自家用車で自宅に戻り真っ先に冷蔵庫を開けてビールを手に持ち呑んだ。 ルームウェアに着替えてさらにビールを呑む
「何が「沙里だけだ」だよ。怪しいとは、思ってたけどやっぱりいるんじゃない女が、多分アレじゃ他の女にも、手を出してるにちがいない」
グビッ!とビールを呑む。 会社内にいる時は、アンドロイドと言われるくらいガッチリとしているけど、 自宅ではちょっとだらしなくなる。
「確かに会長には、気に入られているのは分かっているけど、 交際を求めて来たのはアチラからだ。私からじゃない。あーとんでもない男と婚約してしまったどうしよう。
」
項垂れていると ピロリン!とスマホが鳴る
手に持って画面を確認すると、日高さんからのメッセージが入っていた。
「来週の休みに両親と食事をしないか・・・だと! コイツ何考えている! 」
バスッとクッションにスマホを投げる。
「有り得ん。食事中に婚約者解消を親の前で言うつもりなのか」
さっき投げたスマホを手にとり 、 分かりました。 と送った。
「はぁ。日高さんへの気持ち冷めたような気がしたんだけど・・・やっぱり好きなんだよな~。」
プシュッ!と新たなビール缶のプルタブを開ける。