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ジャワ沖海戦

更新が遅れました。

1942年2月4日午前9時

ジャワ島ABDA艦隊司令部


ABDA艦隊の司令部はジャワ島に移された。

大日本帝國海軍連合艦隊の怒濤の進撃に、ABDA艦隊は怯えていた。


「連合艦隊は今までの敵と同等に見てはいけない。」


ドールマン司令官はそう呟いた。少し肩が震えているのは恐れなのか、それとも怒りを堪えているのか。

マックス参謀長は計り知れなかった。


「海軍戦力は確かに今までの敵とは確実に違います。第59駆逐隊を全滅させた未確認戦艦も存在します。総兵力ははっきりしていません。」


タルボット中佐の指揮する第59駆逐隊全滅の知らせは、ABDA艦隊司令部にも届いていた。その未確認戦艦の存在もドールマン司令官にとっては、厄介な存在であった。


「しかし我が艦隊の名誉に掛けても、大日本帝國軍の進撃は止めないといけない。何故ならこの東南亜細亜植民地こそが、祖国にとって……」


ドールマン司令官が話せたのは其処までであった。突然爆風が司令部のガラスを打ち破り、ドールマン司令官とマックス参謀長を吹き飛ばした。


「お怪我はありませんか!?」


マックス参謀長はドールマン司令官を抱え起こした。


「あぁ、大丈夫だ。何事だ。」

「恐らくは砲撃です。」

「にしては、敵艦は見えないぞ。」


ドールマン司令官は立ち上がると、そう呟いた。


「ですが確実に砲撃は受けています。」


マックス参謀長の言葉の直後、倉庫が吹き飛んだ。

砲撃は微妙に疎らであるが、確実に命中していた。


「航空機も来たぞ。」

「明確な進攻ですね。」


ドールマン司令官の言葉に、マックス参謀長は答えた。ABDA艦隊は滅多撃ちにされつつあった。




超弩級多目的戦艦龍神艦橋


『航空隊、攻撃を開始しました!!』


通信室からの連絡に篠田艦長は大きく頷いた。


「砲術長、砲撃は順調?」

「飛行場は粗方破壊しましたので、ABDA艦隊に目標を変更しました。」

「了解。」


川村砲術長の言葉に篠田艦長は頷いた。

龍神の能力がいよいよ発揮される時が来たのである。




『ジャワ島を攻めた超弩級多目的戦艦龍神は、その能力を余すところなく発揮した。龍神の砲撃は飛行場を破壊し、流れ弾がABDA艦隊司令部に直撃したのである。これによりドールマン司令官とマックス参謀長は戦死。だがその後のABDA艦隊の惨状を見ることが無かったのが、せめてもの慰めであろう。オランダ海軍軽巡洋艦デロイテルは艦首を吹き飛ばされ前のめりになりながら沈んでいき、アメリカ海軍重巡洋艦ヒューストンは弾薬庫に、軽巡洋艦マーブルヘッドは機関室に直撃を受けそれぞれ轟沈した。オランダ海軍軽巡洋艦トロンプに至っては隣にいたアメリカ海軍駆逐艦スチュワートを誘爆させ、撃沈した。残る駆逐艦も航空隊に撃沈された。ABDA艦隊は龍神により全滅したのである。3時間後、ジャワ島侵攻の為に派遣された橋本信太郎少将指揮の第3水雷戦隊は、瓦礫の山となったジャワ島を占領した。何故、全滅しているのか疑問に思いながら……』

金石咲枝著

『超弩級多目的戦艦龍神の軌跡』より抜粋










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