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短編

よどみ

作者:

わたしはわたしをやめることができない。


しごとをやめるように、わたしをやめられず。


なにかをすてるように、わたしをすてられず。


たまごのからのようにするりとむくこともできず。


わたしはただくるしむだけ。


なやみ、なき、わめき、つぶやく。


あまいこうちゃをのみ、どろどろのこーひーをのみ、さらさらのおちゃでながしこむ。


あたらしいちへ なんどいどうしても


きっとわたしは つらくてくるしくて


きえてしまいたくなるの。



ちいさなころはね、愛されたくて泣いたわ


いつだって、足りないなにかを求めてた


でも、私が涙を流せる場所は


熱いお湯の流れ落ちる音と、モクモクと立ち込める湯気で何もかもかきけしてくれる浴室だけ。





















今、私は悩んでいる


誰かを好きになること。


誰かに自分を晒すこと。


好きになること


好かれること


触れ合うこと


私には、よくわからない。


気持良いことは好き。


でも、相手が必要なのか


触れ合うことは、きっと気持ちがいいだろう。


抱き合うことは、幸せなことだろう。


けれど、私には想像できない。


誰か、自分以外の誰かが、この体に触れて、舐めしゃぶり、侵入するさまが。


怖気が走り、吐き気がして、泣きたくなる。


いつか、自分も子供を産むのだろうと、漠然と考えていた幼い頃。


今となっては、たとえ自分の子供だろうが、違う生き物が腹の中に入ることなんて考えることもできない。


家族に「私は結婚しない」そうは言っても、きっと冗談としか受け取っていないこともなんとなく感じ取っている。


ねぇ、わたしどうしたらいい?


愛されたくないわけじゃない


愛したくないわけじゃない


でも、他人は嫌。


どうしたらいい?


みらいがこわくて、こわくて、こなければいいとさえおもう。


いつかとしおいてわたしはひとり。


かみさま


あなたは、どうしてわたしをひねりだしたの



どうして、どうして、どうして、どうして


おかげさまで生き方にも悩み迷い彷徨って、とうとう、遠いところへ






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