呪いは何故に降ったかを
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すごく励みになります。
年齢設定はずらす場合があります。
誤字脱字等ご指摘いただけると助かります。
R18までは入らないと思いますが、
お嫌いな方はすみません。
嫌な痛みが彼を攻め立てた。
もう二度と、自分を苛む事はないと思っていた苦痛。
「嘘だったのか……」
銀色のツインテールをした少女は明日の夕方には父は逝くと言った。だが今、自分に痛みを与え続ける者は間違いなく父親だった。その姿は既に魔の証たる蝙蝠に似た羽が背を飾り、爪肌の色は毒々しい濃い群青に染まり、本来金色の髪も暗黒に染まっていた。
小さい頃から受けてきた圧力の様なモノが彼の体の動きを鈍くし、必死の抵抗も意味を成さない足掻きにしかならない。彼以外の者になら、自然に出てくる体の動きが全く出来ず歯痒かった。
襲い来る痛みは友との約束をも捻りつぶし、怒りも届かずただ胸を締め付ける。
底辺で受け流してきた時よりも激しい慟哭を招くのは、一度夢見た平穏のせいか。
剣は隠したままになっているはず。しかしそこに隠した得物はなく、されるがままに彼が弄ばれるのを見ている者が一人。
その者の枯れた手に、ファーラが隠した剣は握られていた。
母は私の手を握って一線に駆けた。
だが、妊婦だった彼女のお腹は目立つようになってきており、そう早くは走れない。それでも必死に森を抜けて、私と自分と生まれ来る命の為に駆けようとしていた。空を逃げれば目立つと思ったのか、飛ぶ魔法を制限するために風切り羽を切られているからか、彼女は地面を走り続けた。
ただ……私は確信している。
そんな事は関係なく、見つかる事になっているのだ、この逃走は。
「ごめんね、お母さん」
必死に走る彼女に、私の呟きは聞こえただろうか?
綺麗なうなじに、緑がかった黒髪が汗で張り付く。初夏の暑さが煌めく時期に関わらず、その日は冬のように空気が冷えていた。それでも全力で走る私と彼女は息が弾み、汗にまみれた。
前を見る母の緑玉瞳は美しく、だが私の事は見ていない。それでもしっかり握った掌から緊張に震えているのが伝わる。
白い服を何枚も重ね着て隠してはいるが、手荒い歓迎を身に受けている彼女。丈夫な黒天使の血を引くからこそ悲惨だ、苦痛は受けてもなかなか死を迎えられない。
ただしその叫び声を私は聞きあきていた。父が居ない限りは触れる事を許された男達が、私を気にすることなく凌辱していく毎日だから。もうそれさえも心を揺るがすものではなかった。
彼女の足の動きが止まる。前には何人かの男達が立ちはだかっていた。
「ど、どうして? 貴方達……」
「お買い物に行くにしては、おかしな道を使うなぁ巫女様」
「ルイーザ、裏切ったらどうなるかわかっているだろう。まあ帰る前に一仕事してもらおうか」
「やめ……」
母は叫びを上げる間も無く、茂みに連れ込まれ、押し倒され、男達の供物になる。腹に子供が居ようと、どうでもいいのだろう。
6ヶ月を迎えたという、腹の子の父親はたぶん自分とは違う。半年ぐらい前と言えば、燃える様な緋色の目と赤髪を持った、火の魔術を得意とした剣士が通っていた。それともその後に来た雷鳴の技を使う召喚士あたりか? 他に何人か、顔も思い出せないが単発で来た男もいたか……
もう考えるのも面倒だ。
使える者をもてなすのは、一族の中で巫女と呼ばれる者の務めだ。
その事に夫であり、我が父であるアディは気付いていなかった。私自身もだいたい彼の子なのかどうか、疑わしい。
父は単細胞で、筋肉で頭が出来ていると思われた。間抜けな彼は、私も、お腹の中の子も、自分の息子と信じているが。生まれて来て特徴的な赤い髪だったり、鑑定で雷鳴の技が使える子とわかれば、すぐに里は知れる。ただその男達も流れ者で身元も確かではないし、父はそれでも全く気付かないだろう。
こんな母の扱いでもまだましな方だ、見境無しに男に供される訳ではなく、使い古されて魔獣の餌にされる事もない。剣士や用心棒などで、それなりの成果を上げた者にしか差し出されない女。
そんな女が逃げ、捕まえたのだ、抵抗したのでと理由をつけて犯し放題とあって、男達は湧き立っていた。
「大切な聖唱使い様はこちらだ」
「お母さんは殺さないって言ったよね!」
「ああ、大丈夫だよ。ぼっちゃん。ちょっと痛い目に合わないとわからないみたいだから、お仕置きしてるだけだよ」
そう。
……子供の為の買い物がしたい、そう偽って逃げるつもりだと密告したのは私だ。
逃げられる訳がないのだ、一人や二人なら掻い潜れるが、屋敷を全体的に爆破でもして撹乱しない限り、逃げ果せる事は難しい。
でも母の決心を止められなかった私はそうするしかなかった。もしかしたら、森を抜けた先に協力者ぐらい居たかもしれない。だがそんなモノを期待するほど、私は世の中を甘くは見れなかった。
母がにぎっていた手が離され、武骨な男に手を引かれ、屋敷の中に戻される。彼は賭けに負けて獲物を味わえなかったクチで、それを一人愚痴ながら屋敷に向かう。
「雪だと?」
その時、男が新緑の中に降りかかる雪に目を細めた。
初夏なのに、冴えた森の空気の中に響いた母の声が、艶めかしく胸に響いた。
死ぬよりはマシだ。
きっと母はわかってくれるだろう。
いつかこいつらを纏めて葬ってやるか、上に立ってやろうくらいの気概はあったと思う。そう思いはするが、当時六つだった私は自分が子供だという事もわきまえていた。
この時、動いていたら、密告せず逃げ出していたら、色々と未来は変わっていたかもしれない。だが自分本来の力も何も知らない操り人形だったし、変わった未来が必ずしも良い方か知れたモノではなかったが。
屋敷にはたくさんの使用人が働いていた。
その中で、女はほぼ全員が母と同じ緑玉色の瞳だった。母の妹や従姉妹などで、その血縁は女ばかりなのだ。屋敷で固定して働く男はその夫だったり、夫から紹介された親類だったりする。もし裏切れば、血族が死を見る事になるため、反乱防止にもなるし、逆にこの一族に身を置く限り一生食ってそこそこ遊ぶには困らない制度も確立されていた。
玄関は吹き抜けの広いフロアで、綺麗に掃除された赤い絨毯に、天井からは豪華なシャンデリアがぶら下がっている。厨房では宴で並べられる料理の用意が進む。
その横にかけられた残飯で作られた質素な鍋料理。それは地下に閉じ込められた天使達の物だ。
私は巫女と剣士の息子であり、生まれた時に聖唱使いとして鑑定され、三歳過ぎたの頃には、どこからか盗んできた秘術の歌を詠わされていた。
歌さえ口にすれば、体罰も虐待もなく、おかげで残り物とはいえ、美味い物が食べられる立場で、不味い鍋のモノは口にした事がない。
母と共に個室も与えられ、男さえ来ていなければ、広いベッドを分け合って眠れた。
気味の悪い男女の声に悩まされる、ベッドで眠れない夜も、小さなソファーに母が縫い作ってくれた、キルトの毛布があり、空調だけは良くできている屋敷だから寒くはなかった。
私は羽も切られず、庭に出る時は見張りが1人付く軟禁程度の扱いだった。模範的な態度が認められている証だ。一度何かやらかせばすぐにとり上げられる薄幸の自由。母には悪いが脱走の罪でこれらの特権を奪われるのは御免だった。
宴自体に私が出るのは、天使を捌いて、「玉」を取り出す儀式の時だけだ。
母が曲を弾いてくれて、旋律に合わせて教えられた歌を興じると、父の黒くなった爪が鮮やかになり、髪が天使の色に戻る。その変化は美しく、自分は酷くいい事をしているのだと思った。
父は喜んで笑ってくれたし、母もそれに準じた。
だが父の手に握りしめられた数々の「玉」には赤い血が滴り、ピアノの横にしつらえられた白い儀式台は赤く染まり、今まで生きていたはずの天使の亡骸が転がっている。
いつの間にか見世物化した儀式は、肥え太ったお金持ちを呼び集め、一時、傾きかけたこの一族の収入源となっていた。歌い出して三年くらいは富を生み出している。
母は大丈夫だろうか?
自分がやった事はココでは悪い事ではない。
そう思いながら広いベッドに真っ白いシーツを敷く。ここを汚しているのは嫌だった、母が奪われる日もそうでなかった日も、皺一つ寄ってないシーツにするのが自分の日課。
今日の夜には父が戻るはずだ。今日の宴には呼ばれる事になるだろうが、母はピアノを弾いてくれるだろうか?
汚れたシーツを持って洗濯場へ渡しに廊下に出た時、何かが裏口から担ぎ込まれる。
唸り声を上げるそれが、母だと気付き、慌てて私は一緒に付いていく。
すでに曲がった矛盾に満ちた考えと行動。深く正せば自分に与えられた特権の喪失が怖くて、贄に差し出したというのに。むしろ助ける為と思ってやった密告。全く自分勝手な子供だった。
地下室に降りると柵の向こうに無気力な天使の塊が思い思いに丸まり、なるべく目立たないように息を殺していた。何人か元気に叫んでいる者もいたが数日で現実を知り、大人しくなるだろう。
折檻部屋からは嫌な音が響いているが、そんなものはもう風の様なものだ。その奥にある処置室の硬いベッドに母は縛られ、膝を立て、開かせられた。
母の膣をみて、その残留物で気付いたのだろう、
「こいつは産まれるなー破水させたな? と言うか、流産かも知れん。無理をさせただろう、お前ら。このままどっちも死んで、アディの旦那が怒り出さないといいが」
「脅さないで下さいよ、ドクター。逃げたこいつが悪いんですからさ」
「ふむ。胎児の動きと陣痛が、かみ合っておらん。陣痛が弱い、腹を捌くか。その前にぼっちゃんをどこかにやってくれ、噛みつきそうだ」
酷い反抗的な目で見ていたのだろう、屋敷で飼われている医者が私を見咎める。苦しげな母親の叫びが辺りを埋めた。さっき走っていた時より荒い息をしている。
「噛みつきはしないから、見てる」
「それなら勝手にし……おっと、これはいかんな。羊水もなく、子宮口も開いておらんのに、胎児の方が勝手に旋回して頭がもう恥骨の方まで……ああっ! 気の早い赤ん坊だ! 促進剤! 間に合わん。そこのお前は上から押せ。無理やり押し出すしかないじゃないかっ」
そして短時間の内に激しい痛みの声とおびただしい出血を見ながら、赤ん坊は取り上げられる。母の息はいつの間にか細かった。
そして赤ん坊は血に塗れていて、小さかったが、元気に泣いた。髪も目も母とそっくりの色で、他の男の子供だか、父の子だか、見た目では全く見当がつかなかった。
子供は小さかったが子宮口がまともに開く前であり、会陰切開の間もなく、そこが裂けたのかドクターが縫合を始める。そうしながら並んできた天使に話しかける。
「小さいが、黒天使だから丈夫だな。鑑定士、どんなだ?」
「ふん。お前はアディの旦那にどやされずに済んでよかったな」
「まあ、遺伝子的に彼の子かもどうか、だが。まあ、この容姿ならわかるまい。それにワザとに処方してやってる薬を飲まずに妊娠したんだ、知った事か」
「俺が女だったら、どんな扱いを受けるか考えたら産もうなんて考えないがね。狂ってやがる」
「そこで飯食ってる俺らも大概と思うが」
「はははっ! まあ、その女が死にそうになったら助けようと思わず離れろよ、ドクター。呪いをかけられるぞ」
ドクターの隣に並んだのは、体に眠った「玉」や魔法の力が鑑定できる者。その鑑定士はドクターを脅した後、しげしげと赤ん坊を眺める。
「目の色からしても「玉」は緑玉、母親のように負荷をかければ変彩効果も得られそうな要素があるな。ベースが緑玉だから危機に発動する呪い系の魔法も、そうなれば同じく持つだろう。自然の加護もあるようだが、小さすぎてまだわからん。筋肉の加減からして剣など戦う事に長けるが、剣封じは魔法具無しには難しいか。球封じは簡単に出来そうだな」
この男が私の聖唱使いの力も見出したのだ。稀有で珍しい私の力まで言い当てた、その鑑定能力は高い。
彼が産まれたばかりの私を見て言ったのは、
「体中の「玉」は翡翠の変色質で、今、色確定は出来ない。緑ならば遠視を持つだろう。小さいながら空間魔法と剣封じを有しているし、鑑定に近い能力も持つ。だがそんな些細な力より、聖唱使いだ、この子は。育てるがいい、珍しい。使い方さえ誤らなければ、これは宝になる!」
そして私は歌を紡ぎ、財を生み出す宝となったのだと、教えてくれた女が丁度そこに現れた。
「球封じが出来るなら使えるね」
そう言って現れた緑がかった黒髪に、緑玉瞳の女。
マーヤと言う母と同じ色をした彼女は、母の双子の姉に当たる。綺麗だと思う母よりも美しく、それは妖艶と呼ぶにふさわしい女だった。
双子でも彼女の存在と、母や妹達とは比べ物にならなかった。
幸運な事に彼女には、負荷をかけても変彩効果は生まないと判断された上に、長子だった。
彼女が生まれた頃、北に住んでいたこの一族は同業者との争いに負けて、東の街にあるこの森に根城を遷した。その当時はかなり酷かったが、徐々に祖母が盛り返し、その地盤を固めた。
その中でマーヤの才覚も磨かれ、芽を伸ばした。表面上は就職斡旋を謳いながら、金が欲しい者に言葉巧みに子供を供出させたり、親兄弟の面倒を見て恩を打ったりして、流す商品をかき集めた。
中でも身内がなく、死んでも誰も気付かない者を集め、父のような剣封じや、球封じ出来る者が狩り、私が魔化を止める、そんな見世物を売り物に財を回復させ、急死した祖母と入れ替わり、この一族すべてをこの時から二年ほど前、完全に牛耳った。
好んで男を惑わし、その足場を築き、警察さえも今は黙らせている。
「赤子には必要なら何でも用意してやりな。ルイーザに追加の輸血なんかいらないよ、勿体無い」
「マーヤさん、そりゃあ……」
スタンドに吊り下げられていた予備の血液を見咎める。一応医者の端くれだか、死んだ時の責任問題だか、とりあえず反対しようとしたドクターの言葉は彼女の一睨みでかき消された。
「ね……マーヤ姉さん」
男達の嘲る会話にも反応しなかった母は、彼女が来た途端のろのろと体を起こし、床に座って頭を下げた。産後すぐはまだ起きてはならないというのに。そして伯母の態度は苛烈だった。
「お前、逃げようとしたんだって、ね!」
母の腹を靴をはいた足で、腹を蹴り上げた。悲鳴ともつかない叫びが辺りに満ち、床に鮮血が広がる。
「我が聖唱使いが教えてくれなかったら、お前はここに居ないよ。森の中で腹の子供と共に腸を引きずり出して、魔獣の夜食にくれてやっても良かったんだから。まあ、産んだ子が球封じという良い能力を持っていた事に免じて許してあげる」
「…………」
「お礼は?」
「…………あ、りがとうございます」
「男の子かい?それなら名前は強そうなのが良いね、そうだね。アーサーにしよう」
猫の子の名前を決めるのでも、もう少し考えるのではないかという素早さでそう言い、
「ドクター! 後産だけはちゃんと処理してやりな、汚いし、腹が腐られても困るからね」
そう言い放つと、彼女は黒い服を揺らして、その部屋を後にしようとしたが、鑑定士に引き留められる。
「一つだけ、マーヤ様。ここに伝わる「初夏に生まれた男児は不吉」に引っかかる子ですが、構わないでしょうか?」
「ああ???」
彼女は気にも留めていなかった。
いつ誰が言い出したともつかない言い伝え。いろんな能力の者が出入りするからこそ、その誰かが言い出したのだろう。まことしやかに語られていた。
ここに居る男は全て雇われた者か、一族の女と結婚した者だ。
ほぼ間違いなく女が生まれる母方の家系で、私に続いて男が出て来たのは珍しい事だった。それでも冬に生まれるからと無視されていたのだが、今日の事件で出産時期がズレてしまった。気になる者には気になるのだろう。
だが彼女は一笑に伏した。
「怖がるような奴は口を封じて、谷にでも投げておきな。さあ、こんな所に居ても仕方ない、我が聖唱使いよ。今日は冷える、一緒においで」
ここに居ると勉強にはなる、学校でなどは学べない情報の流れや、「玉」の特性など。そして母には内緒でする事になった伯母の相手も。
彼女は私を後釜に据える気だった。
候補は沢山いるのだろうが、その一人であったのに間違いはなかった。
ただ彼女はその後ろから操る気かと思えば、変わった思想の持ち主で、いずれは誰かが寝首を掻いてその地位を奪い取れと言う。そういう者でないと務まらないし、自分もそうして育てられてきたらしい。
伯母は惜しげもなく自分の手の内を見せてくれたし、豊富な知識は並みではなかった。いつか彼女を踏み超えてここを根城とするのも悪くはないと思うくらいに。
出来る見込みの低い脱走より、よほど魅力的だった。
「……と、売り物を後腐れなく集めるのはもちろんだけど、医者に鑑定士、用心棒、必要ないスキルの者なんていない。それに見合った物資もね。いろんな天使や物を集めて適材適所、見極め、纏める才覚もいるよ」
伯母の相手を終えると、彼女は色々な話をしながら、母より丁寧に体の隅々まで洗ってくれた。
「マーヤ様。素質がある者に、負荷をかければ変彩効果を持つのは必然なのですか」
「難しい物言いをする子だね。気になるかい、アーサーが?」
残念ながら弟が気になっての質問ではなく、「玉」に対しての興味の方が強かった。私はいつか自ら取り扱う事になるかもしれない商品の事を学びたかっただけだ。
話を変えたので、マーヤは少し機嫌が悪そうだったが自分はガウンを羽織り、私の体を拭きながら、問いに答えてくれる。
「ここでは6人ほどに試した記録があるが、お前の母を含め2人が変彩効果を持ったようだね」
「半分以下、ですか?」
「少ないと思っただろうが、なるかもしれないといった者自体少なく、普通の生涯を送らせて追跡調査したが、約100人で1人も出なかったという政府記録がある。全員を抉った訳ではなく鑑定士を使っているが、政府の鑑定士だ。見出す能力が低かったなんてお粗末な結果ではないと思うよ。これらは全て極秘に調べられたものだが。とにかく天然では仕入れるのに難しいという事だよ」
「極秘文書なんか手に入るのですか?」
「もちろん簡単には行かないが、お前の父親側の婆さんなんかはそっちに通じているね。今はどうだろうか。こっちにアディを引き込んでから、お前も見に来ないぐらい行き来がないからね」
父親側の身内に会った事はなかった。だがたまに話に出て来る占い師の祖母はそれなりの情報屋だったらしい。今は隠居して回りと連絡を取っていないようだ。橋を渡って別の結界に行ったという嘘のような話も聞いた。
「そういえば、負荷はかけ続けないと維持できないとも言われている。取り出してしまえば変化は止まるがね。ルイーザの「玉」に完全なる変彩効果が得られたのは15歳だ。最後の一押しは目の前で母親を殺してやったからだろう」
さらりと言ったが、ルイーザの母と言う事は語っている彼女の母でもある。
それも殺されたではなく殺してやったと続いたから、そうして自分がその座を勝ち取った事を誇っているとも見れた。長子だから、ではなく、チャンスは母にもあったし、今は私にもあると彼女は暗に示していた。
「後、危機に発動する呪い系の魔法とは何ですか?お母さんも持っているみたいに鑑定士が言ってたんですが」
「呪いは変彩効果の「玉」の中でも、緑石にのみ見られる効果らしいよ。持ち主が死にそうな目に合った時にだけ発動する。今、ルイーザは出血していたが、誰も呪いなんか受けてなかったから、死にそうではないのだよ。……なんてね。ホントに呪いなんかあるかは知らないよ。さっき蹴ったり輸血させなかったりした事を、まだ怒っているんだろう?」
その事に眉一つ動かしていないつもりだったのに、彼女にはわかっていた。
「そんな事は……」
「ああ、素敵だね。見惚れるよ」
言い訳は必要なく、彼女は機嫌よく帯を締めてくれ、鏡の前に私を連れて行った。
着せられたのは絹で出来た光沢のある白い長衣。縁には黒で細かな刺繍がされ、石がきらきら美しく輝く衣装をまとった男の子が、鏡の中に映っていた。今の私とは違う、綺麗な肌に、健康で艶やかな唇。写っているのにいつも思い出せない自分の顔がそこにあった。
「これで宴の曲を歌うといい。脱走の報告をしたご褒美に、今夜は宴が始まるまで、この部屋の書物を見たり、宝物を眺めたりしていていいよ」
「本当?!」
「ああ、お前とこの服に似合ったモノがあれば宝石を……」
伯母は目を細めて、私を愛でていた所に男が飛び込んでくる。
「何だい、うるさいね」
「それが、その……」
眉を寄せている彼女だったが、その様子でスッと一度廊下に出て話し出す。
言葉を荒げるわけでもなく、話は穏便に済んだ。上機嫌とまでは行かないが、悪戯な笑いを口の端に浮かべて戻ってきた。
「今夜でお前が聖唱使いとして宴に出るのは最後になるよ」
その台詞に私は動揺した。希少性から言って私以外の聖唱使いを用意できるわけはない。だから安泰だと思っていたのだが。やはり密告したが、脱走の罪を問われるのか?
そう考えたのをマーヤは見越して言葉を継いだ。
「今日で剣封じなどを使った見世物は終わりにするという話だよ」
「え?」
「いつまでも危ない商売ばかりに頼ってやっているわけにはいかないからね。ここ三年で財は回復した。儲けは少なくても、法にはかかりにくい別の見世物の案も出ているからね。それに珍しくても客だっていつまでも「玉」出しばかり見ていては飽きるんだよ」
その見世物がなくなるという事は、私の歌う仕事がなくなるという事だ。それは直で死に直結するわけではないが、次は私が商品として出され、他の天使に買われる可能性もあるという事になる。
「私はお払い箱ですか?」
「ふふふ……今日に宴さえ乗り越えれば、お前を正式に私の後継者として置こうと思っているのだよ」
それは私の今から生きる道での灯りが得られるという事だった。きっと私の顔は嬉しさの余り、鮮やかに笑っていたのだろう。
「……ただルイーザの伴奏はなしで行けるかい?」
「はい! マーヤ様。大丈夫です。お任せください」
「じゃあ、宝石をみせてやろうね。似合う物があったらお前にやろう」
美しい財宝を見ながら、血まみれで弱々しく息を吐いていた母の姿を思い出す。
引きずってでも母にピアノを奏でさせそうなマーヤも、さすがにあれは客には見せられないと判断したか。
よかった、と、安堵した自分の間違いにすぐ気付かされることになる。
そう、この日の贄は、母だった。
「さあ、歌うんだ、お前の歌は魔を払うと同時に呪いも払う。詠わなければお前に呪いが降り注ぐよ」
美しいドレスを身に纏ったマーヤが、私の後ろで密やかにそう言った。
裏切って逃亡しようとした事に、激怒した父が母を選んだのは後に知った。
何と短絡的な男だと、今なら思うが、その狂剣が振り上げられたのを見た時、私の心臓は悲鳴を上げた。
彼女は知っていたのだ、今日、母が捧げられる事も、その屍を乗り越えねば後継者どころか、明日すらないという事も。
マーヤが用意した私に対する試練だと理解した。
「早く」
赤を美しく見せる為、白を纏わされた母がゆっくりとこちらを向いた。
マーヤがあの後に首に下げてくれた小さな宝石がやけに重く感じる。
ピアノの音はない。
ただ冷酷なまでに美しい緑玉瞳で母は……私を見ていた。
馬乗りになった父は、四肢を縛られ自由のない母に大げさにナイフを見せつけた。だがその視線は私からは離れなかった。その事に怒りを感じたのか、怒気を感じさせる声で小さく、
「お前の緑玉瞳が悪いんだ!」
そう言って母の胸を貫き、抉る。轡を噛まされていたが、とめどない叫びは漏れ響いて、私を動揺させる。生の光を急速に失っていく緑の瞳に、何かが吸い込まれる気がした。
見ている者はそれぞれの思いを胸に笑い、泣く。
その結晶を手に出来ると喜んだ者に、面白い物を見たと喜んだ者が大半で、泣いたのはマーヤの指示に反抗できなかった妹達だけだった。
そんな彼女達も、もれなく今日の儲けでこれからを食っていくのだ。
女の魂たる緑の結晶を握りしめ、掲げた手が魔化しだす。
美しい猫の目の様な一条の光を湛えた美しい緑の石は、父の手から近くにいた係の者に渡された。
「お父さん、お母さんだよ?それは」
私の声は父には届かない。
「母」は買主の元へとすぐに持ち去られる。
床に広がる血の流れが大きくなっていく。
「早く歌うんだよ」
背後から急かされて私は歌を紡いだ。
お母さんと呼ぶ代わりに、私は歌を紡いだ。
声が震え、細かったが、いつもの歌詞を歌った。
いつもの。
いつもの。
そこで自分でもおかしな事に気付く。
いつもの歌、それなのに、父に魔化が止まらない。
爪がどんどん伸び、毒々しい濃い群青に染まり、髪が黒く、闇色になる。目が血走り、獣のような咆哮を上げる。回りの者は異変に気付かず、まだ見世物の一環と思っていた。
「何やってる!」
父の怒号が唸り声に混じり、飛ぶ。
私はその時、自分の手が視界に入って慌てた。
手が、まるで老人のように皺枯れ、爪が水虫にでも侵されたように白濁していた。痛みを覚えた顔を触り、口の中に急に現れた小さな塊を、歌いながらも吐き出すとそれは自分の歯だった。
「ああああああああああ……」
異変に気付いたのは、鑑定士と用心棒だった。
「歌を、口から声を出させるな、止めさせろ! それは……死の……」
鑑定士は急に胸を押さえて倒れた。回りで見ていた金持ちの男が、急に泡を吹き出す。メイドとして働いていた、母の妹達の何人かも倒れて床に伏した。
天使としての形を崩した父に用心棒が数人で飛び掛かり、押さえようとしたが、歯が立たない。
見世物を超えた事に気づいた観客達が、叫び、逃げようとするが、夜の森は魔獣がうろついている。護衛を側に置き、対魔仕様の車に乗り込まないとならない。
そんな統率のとれた動きを出来る者は少なかった。
その中で、マーヤだけが顧客の中でも大切だと思われる者を優先し、機敏に裏口へと誘導し、脱出させていたのはさすがと言えた。
私の歌は叫び声になったが、屋敷中に響き、父も魔の姿のまま、苦しげになって倒れ、もともと体に持病があった天使はその場で絶息した。
歌の歌詞など些細な物だとこの時、理解する。
聖唱使いが声に乗せる感情こそが、天使や魔の耳の入る事で、その体を生かしも殺しもするのだと。
「ああ……」
どのくらいが過ぎたのか、やっと我を取り戻し、叫び止めた私は絶句した。
倒れている父の魔化した姿は、一応天使に戻っていたし、死んでいなかったが、得も言われぬ気配をまだそこに残していた。
泡を吹いて倒れた男や、数人の女が遺体としてそこかしこを埋め、父に傷つけられた用心棒が腸を巻き散らしてながらも、死ねずに呻き、転がる。生きている者も、壁際で失神寸前だったり、奇声を上げたり、尋常ではなかった。
「逝くがいい……」
私が腹を捌かれても死に切れぬその者に近寄ってそう言う。すると、眼を開いたままその男の動きが止まり、カクンと命を失った。そしてその目に映った老人が、今の自分の姿と理解するのに私は3秒を必要とした。
その3秒は恐ろしく長く、そこにある全てがコマ送りになる。
長い長い3秒は、母が私に呪いをかけた事や、自分が魔化を解く聖唱ではなく、死の聖唱を口にしてしまったのを悟らせた。
回りの者は歌詞が同じだった為、まさか私が殺したとは思わず、魔化が止まらず回りまで巻き添えにしたように思っただろう。少年だった聖唱使いが老人となる母の呪いにも戦慄したようだった。
マーヤは暴動になる前に、素早く一族の者に金品と自由を与えた。
地下の商品達の多くが弱って死に、商売自体が成り立たなくなったという判断からだった。彼女の引き際は何の未練も感じさせなかった。
命を永らえた者は、皆、金を受け取り、陽が上がると屋敷をこっそりと出て行く。
魔化した父もその時に抜け出していた。
ただ私の死の歌はある意味、完璧だった。屋敷を出た時点では少しの体調不良だった者が、ゆっくりと状態が悪くなり死亡したり、事故を起こして亡くなった。事故はその天使がこの屋敷での事を思い煩い、具合が悪くなった所を車で弾かれたり、誤って転落したりした者も入っていたが。
そして彼らは思いだした。その日に男の赤子が生まれていた事に。彼らはアーサーを死神と呼び、殺したかったようだが、マーヤはそれを止めた。
もし殺した時、変彩効果が既に出ていて、呪いが発動しても良いのかとそう説得した。屋敷にいた鑑定士はあの騒ぎで死んでおり、その「玉」がどう育っているかその時は知る術はなかった。
目の前で母の呪いに落ちた私の姿を知っている彼らは言葉少なにはなったが、まだうるさく言った。
「お前なら無事にやってくれると思ったけど」
マーヤはアディの名前で、ルイーザの葬式を出し、死んだ者のそれぞれに疑われない葬送を出すと、アーサーをこの屋敷で育て始めた。
彼女は一族を解散した時、きちんと分配し、自分の手元には殆ど何も残さなかった。それでも一部の者が盗賊のように屋敷を荒らし、庭を壊してこの屋敷の物はまともに残らなかった。マーヤに忠義を尽くして、残った妹が数人いたが、彼女らはそうしないうちに死んだ。
「あの時のお前には、まだ覚悟が足りなかったね……」
残念そうに、でも嬉しそうにも聞こえる声でマーヤは言った。アーサーをその胸に抱き、あやす。その穏やかな表情は、一族を取り仕切っている時には見せなかった優しい女に見えた。
「お前の祖母に連絡を取った。アーサーの名を今日からファーラにする」
「どうして?」
「ファーラ・アリエル・フィール。お前の祖母の名、そして弟の名だ。彼女がそうすれば言い伝えについては治まるだろうと言ったのだよ」
私は黙って聞いた。あの宴の夜からずいぶん経つのに、マーヤは私を責めなかった。商売を、一族を、解散させる事態になった事も全く触れない。
私は呪いの為か、この屋敷を一キロも離れると体が崩れていくため、ここを離れられない体となっていた。彼女は白いフードつきの服を私に用意してくれ、私はそれを纏う。光に弱くなった目を隠し、抜け落ちる髪に、何故呪いなどかけたかと、心の中で母に問うた。だが返事があろうはずがない。
「彼女に聞いた所によると、その呪いを解くにはいくつか方法がある」
「呪いが解ける? そんな事あるんですか?」
「まず一つは呪いをかけた者の「玉」を体内に入れる方法」
だがもうココに母の「玉」はない。探して所在がわかった所で、無償で返してはもらえない。どれだけ金を積めば取り返せるか見当もつかない。
「もう一つは、同じ変彩効果の緑石を持つ者に、再度、呪いをかけられれば相殺できる」
「どこにそんな者が……!」
言い返そうとした私に、彼女は手にしていた赤子を手渡した。
もう化粧気もなく、妖艶とも思えなくなっていた彼女から、毒々しいまでの笑いが放たれる。アーサーは無邪気に私を見ていた。母と同じ緑色の目で。
「地下にすべての情報はある。お前の祖母がもうすぐ天使界に戻り、ここに来る。彼女を騙し、母の緑石を運ばせるのも良いし、情報源にするのも良い。その子に負荷をかけ、変彩効果を得て、呪いを発動させるのもいいね」
「そん、な事、何故?」
「私が心から欲しいのは、こんな組織を継ぐ者ではない。金集めの道具として、身を隠す道具としてもう少し使えると思ったけど、今更、別にどうでもいい。私が欲しいのは……」
とん、ッと、彼女は赤ん坊を避け、人差し指で私の心臓の辺りを突いて、
「野心ある者よ、今度こそ躊躇わずやるがいい」
マーヤは赤子を残し、私の前から姿を消した。
呪いにより、この屋敷から体は離れられなくなったが、情報は地下にあった機械を駆使し、集める事が出来た。それでも「玉」の行方は分からなかった。
入れ替わりに現れた祖母に、母の呪いを受けた事を話し、呪い解きの為の「玉」を探す事を約束させた。
父は魔に堕ちた事により、私が念じれば数日で家に戻って来たり、出て行ったりする態の良い人形となった。彼自身、母親を殺した事に心を病んでおり、目の色が似ている為か、少し歌で心をくすぐると、喜んでファーラを良いように弄び、負荷をかけてくれた。
適度に荷重をかけながら、優しい言葉で彼を生きさせ、また更なる負荷をかける。そんな生活が、弟のの叫ぶ声だけが生きている事を感じさせてくれた。
祖母が「玉」を手に入れた情報が入ったが、時間を見ても私に渡そうとしなかった。どれだけ金を積んで手に入れたのか不明だ。それだけに孫にくれてやるなど勿体無く、欲に目が眩んだのかもしれない。
そこで父を差し向けたが、「玉」は見つからなかった。
兄が掻い摘んで話す過去に、ファーラは否定的に首を振った。
自分が産まれた日から天使が死に、死神と呼ばれた理由を知った。
逝くはずの父を起こしたのも、今まで苦しんできた事も全部、「玉」を作る為に彼がやった事。信じられないといった表情をファーラは隠さなかった。どれだけ彼は兄を信じていたのだろう? 彼は丹念にそう思うように仕向けてきたが、その出来は十分だった。
兄が顎で父を動かす。
父に両手を腕を掴まれ、裸のファーラが吊り上げられる。兄は近寄って屈むと、躊躇なくそれを口に咥えた。
ファーラは信じられないほど吸い付く感覚に何も考えられなくなり、口から吐き出される声をかみ殺そうとする。彼は排出を押し留め、我慢するが、生理的に耐えられなくなり、落ちる。
搾り取ったそれの半分をファーラに口移しで飲ませ、残りの半分を胃に飲み落とし性悪に笑った。顔は見えないだけに不気味だった。
ファーラが吐き捨てようとするのを彼は許さず、再度唇を奪って鼻での呼吸も塞ぐ。それを飲まされた彼は、自分を支えていた「兄」が幻想で、本当に一番の裏切り者だったと気付く。
……はずだった。
噎せ返って、苦しいのにファーラは涙を零しながら笑った。
「何が、おかしい?」
「兄さん、辛かったんだね」
「何だって……?」
「ごめん、長い事、気付いてあげられなくて、本当にごめん。兄弟なのに。一番近くにいたのに。俺、自分が痛すぎて気づかなかった」
ファーラの気が狂ったのだと、兄はそう思った。恨み、泣き叫び、「玉」が完成した所を抉り出す。そうして呪いが完成され、母の呪いは解けるはずだった。
ファーラの緑玉瞳が、最後に母が見せた目つきになっているのに気づく。この目で見られ、呪いがかかった。
「その目は何だ?」
老人の様な手、髪はぬけ落ち、肌も唇も渇いて生気の欠片もない。いつ年老いすぎて死ぬか、いつ「玉」が出来上がるのか、ファーラが苦しむ声だけが、唯一、自分が生きている証だった。
「その目は何なんだ! アリエル!」
「……俺が死なないと呪いが解けないんだろう?良いよ、殺して」
恨みの目だと思った。長い事、兄は思っていた。
だがその目をしたままファーラはそう言った。
「お前は……どうして!」
ファーラの態度に、兄は苛立ち、手にした剣を振りかざした。
森が燃える。
黒い煙を避ける為に高度を取りながら、レイルはファーラの住んでいた屋敷があった辺りに向かう。レイルの肩に座った、『妖霊』のカデンツァに方向を確かめる。暗かろうと燃えていようと彼女の方向感覚に間違いはなかった。
この森に建っている屋敷は少ない、もしや彼の家がなんてそんな予感は当たらなくていいとレイルは念じる。だが炎はそちらに進むほどに激しく、出火元はその周辺である事は否定できなかった。
カデンツァはその瞳に赤い炎と街を襲う、黒い生き物の影を交互に映しながら、言った。
「この火事、普通じゃない。王様がお怒りになってる」
「王様?」
「私の王ではないけれど。火の王様よ」
「どこにいるんだ?」
彼女が指差したのは、燃え盛る火の中心。
そこには全裸の銀髪の女の子の膝に抱かれた、赤い髪に二本の角、そして大きな黒い翼を広げた男の子の姿を見つけることが出来た。
遠いのに、レイルの紫は彼の額に鮮血が伝っているのと、閉じかけた瞳は見慣れた木洩れ日色の、美しい緑玉色をしているのを捉えた。
お読みくださった後に感想、てか今回はどうでしょう。。。
お読み下さっただけで感謝です。