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改竄と消された記録の真実

いつも覗いて下さっている方、本当に感謝です。

始めて来られた方、ここまでお読みいただき有難うございます。

お気に入り登録下さった方、感想下さった方、感謝です。

すごく励みになります。


年齢設定はずらす場合があります。

誤字脱字等ご指摘いただけると助かります。

ご指摘のあったフリガナを今回出来るだけ減らしてみました。

 

 空を教えられ、歌を奏でなくなった鳥は、

 ソレを知った事を恨まないのか。

 翼をもがれ、なおも謳えと囃されるという事を、

 教えた者は果たして知っていたのだろうか。







 僅かに時間をさかのぼる。




 降りだしそうな空、今にも音を出しそうな低い雲をのぞみながら、彼女は枯れた二股の樹を見上げた。

 その桜の樹は神木なのか細い荒縄と共に、神の印章が巻き付けられていた。だが誰もソレだとは思っていないのだろう。朽ちて忘れられ、そこに立つ。

「そう、貴方も選ばれたのね。放っておいてくれれば良かったなんて思った事ある?」

 彼女は幹に触れながらそう言った。



 その時、少し離れたログハウスの扉が開いた。

 彼女は木の陰に隠れる。彼らを追ってきたわけではなかったし、その家が目的地ではなかったのだが、気付かれるのは憚られた。

 何故そう思うのか彼女自身わからないが、ココにそれなりの時間を立っていたのは今日は友人宅に行くと言っていた言葉を思い出し、彼らを見たいがためだと言うのは間違いない事実だった。

 楽しそうな雰囲気の会話が聞こえてくる。



「……ラは兄さんの事、好き過ぎるだろ」

「何だ?焼いてるのか?」

「違うだろ、ファーラ」

「まあ、レイル、そういう話だったの?」

「母さんまで混ぜ返さないで!」

 笑い声に見送られながら、緑がかかった黒髪の少年が出てくる。

「じゃあ、明日」

「またな」

 当たり前の別れの言葉を交わし、包みを抱えて帰っていく少年の後ろ姿を、不思議な気持ちで彼女は見送っていた。声がかけたかった、だがかけられない。こんな事、経験がなかった。ある一定の行動以上は、回りに止められない限り、思ったように動くのが、彼女の常なのだが。



「幸せ、に、少しはなったのかな? でもまだ泣くんだろうか?あの子」



 彼女はこの天使界で唯一の銀色のツインテールをさらさらと解く。

 口にはしたものの、彼女に幸せの概念はない、あるのは、その時を流れ、生きるだけ。

 こんなに世界は美しいのに、不思議と思うのに、大地に足を付けているというのに、彼女にとってここもガラスの向こうの世界でしかない。暗闇の中と何ら変わらず、いや、より一層吹き抜ける風が肌に冷たかった。その冷たさを何と言っていいのか彼女にはわからない。

 湿気を帯びた風は彼女の髪を撫で、厚いグレーの雲を押して、空を覆う。雷が来るのだろう、空は彼女にとってまだ目新しい現象を見せてくれる。雷もその一つで、しばし空を見上げて待ってみる。

 だが、雷はまだ落ちそうになかった。



 そうしている間に、先程のログハウスに渋い緑の制服の一団が訪れる。

「パープルリボン? 麻薬系よね……何かやったのかしら?」

 家の女と言い争う声が聞こえてきた。

 警察に関わり合いになりたくなかったので、彼女は目的地だった少し離れた水色の扉が付いた家の方へ移動した。その扉をノックしかける。遠目には廃屋に見えるが、ここは魔道士達の詰所だ。

「ファリア他3名、出ます!」

 彼女に当たりそうな勢いで扉が開いたが、出てきた少年を風を凪ぐようにさらりと彼女は避けた。

「し、失礼いたしました」

「気にしないで、ファース君」

 ファリアと名乗っていた男の子は苗字で呼ばれて一瞬、銀の彼女を不審げに見やったが、他数人と共にバラバラと出て行った。



「よう来てくれたの、銀姫。ソネットも待っておったぞ」

「お疲れ様、ルナ」



 中で待っていたのは、魔道士長セレフィードとソネット・レイザ・ブルー。

 ソネットは淡いレモン色の金髪をした女の子だった。ストレートのショートボブの髪だが、両耳の辺りに伸びる髪だけ腰まで長く伸ばしている。

 特徴的な髪形をした水宝玉瞳アクアマリンアイズと呼ばれる水色の目を持ったこの娘は魔道士である。警護と言うより、ルナの友達関係込みの身体と精神、行動の世話係を任されている者だ。



「ルナ、不思議そうな顔してどうしたの? 座ったら?」

「そっかルナだわ」

 いろんな所でいろんな呼び名で呼ばれる彼女は、余り名前など意識しないのだが。この日は少し気になった。レーヴェとついさっきまで呼ばれていたのに、と。

 途端に緑玉瞳(エメラルドアイズ)の男の子がレーヴェと呼び、数日過ごしたのが嘘のような気がし出す。



 部屋の中は大きな四角のテーブルとイスが幾つか、散らかったデスクに、乱雑に並べてある幾つかのマグカップには飲み物がまだ入ったままになっていた。隣の部屋への扉はなく、まだ早いと言うのに、真っ暗なその向こうには何人かのいびきや寝返る気配が時折響く。その横に光のある部屋があったが、そこは誰の気配もしなかった。



 ルナはそこまで見やってから、イスを引き寄せ、

「ソネット。ねえ、オヤスミは七日ちょうだいっって言ったのに、何で別件入れたかなァ?」

 本当は明日の夕方、件の父親を葬送するまでは、いるつもりだった彼女は文句を投げた。

「じゃあ貴女も何故、補佐を連れて行かなかったの?」

 そう言われて勢いを止められたルナは首をすくめたが、笑うだけで何も言わない。ソネットの方は溜息をついて言い訳をする。

「こっちは他の子が体調を崩してしまって仕方なかったの。仕事は済んだ?」

「もう面倒だから、仕上げて来たわよ。現場にいた子は先に返したけど」

「一人で来た割には早かったわね?」

 ソネットに言われてドキッと何故してしまうのか。

 紫水晶瞳(アメジストアイズ)緑玉瞳(エメラルドアイズ)の子を見ようと急いだ、とはルナには言えなかった。見たって何も変わらないのにと言われるだけだろう、と。自分でもそう思っているのだから。

「明日のおやすみは?」

「返上してね? もともと七日なんて無理だったし。五日も同じ現場にいるなんて、普通、貴女の能力ではありえないでしょう? 何で今回、慎重なのよ?」

「うーーーーん。それでも夕方はもう一度仕上げ、見に戻るから、そこだけはよろしくね」




 軽い業務連絡の後を見計らい、長は声をかける。

「で、どうなっておったかの、銀姫」



 長はグレーの瞳を細めながら、ルナに緑玉瞳のファーラの件に関してを尋ねた。

 その父親が魔に堕ちていたという報告までは、ソネットから聞かされ、ルナが個人的に休みと権限をもらって処分に入った事は聞き及んでいた。



「まず子供達の事を。下の子……ファーラってばば様と同じ名前の方ね。彼には会えたけど、上の子には会えなかったの」

「家にいなかったかの?」

「いや、家の中には居たみたい。地下があるのね。でも近寄ったら殺されそうで、行けなかったわ。下の子、元気そう。思ったより」

「上の子は体は脆そうじゃが、何かしら情報を手に入れる手段を持っておる様じゃ。レイル様の耳の事を知っておったわい。言葉でじゃが、わしにも噛みついて来よったしのう。そいで下の子の怪我の様子までは確認できなかったじゃろ?」



 長の台詞は最もだった。



 ファーラは人前ではほぼ完璧なまでに、自分の体調の悪さも傷も隠して過ごしていた。見知らない少女の前で服を脱ぐわけもない。

 だがけろりとした顔でルナは言った。

「風呂に押しかけてみたけど? 脱いでるから」

「おや、それはちと、うらやま……いや、強引じゃのう」

 そこまで聞いて、ソネットは嫌な予感がし、口を開いた。

「ルナまさか貴女も脱いで入ったわけじゃないでしょうね?」

「え? 風呂場に脱がないで入るの?」

「ちょ……もう少し突っ込むけど、貴女、風呂場で何したの?」

「石鹸で遊んでいたら、ファーラが洗ってやろうかって言うから、洗ってもらったけど? どうかした?」



 ソネットは頭を抱える。この銀色の天使に危機感とか、自己管理とか、そういうモノがない子だと知っていたが。10にも近くなれば生殖能力はちゃんとある。もう少しはマシになっていたと思っていたのだ。見た目はギリギリ成人の14歳を迎えているように見えるが、彼女自身は6つ。それにしても天使界ではもう気を付けて良い歳だ。

 長も苦笑を隠しきれない顔をしている。

「襲われなかった? わよね?」

 ルナは首を捻りかけながらも、ソネットの言葉に、こくんと頷く。

 行動を見ていると子供らしさに溢れているのがわかる。子供らしいを通り越して、無邪気過ぎるのは困るのだがとソネットは思う。

 襲われた所で、男の一人二人、ルナの相手にならないだろうが、被害を片付ける方としては未然の方が助かる。

「……紳士的? でよかったわ。また石鹸や水で遊びまわっていたのでしょう? どちらかと言うと見るに見かねたのね、その子。貴女に殺されなくてよかったわ」

「ヒト聞きが悪くない?」

「貴女の遊びは意外と普通に、死に直結するし」

 ルナがお風呂を泡だらけにする様は、魔法まで使って展開するだけに、子供の悪戯を通り越してタチが悪い。目を盗んで、窒息寸前にまで泡をいっぱい天井まで埋めたり、どうやってか雷みたいなものまで発生させ、感電しそうになったりしたのがソネットの記憶に一番新しい。

「襲われたらその天使殺しちゃうでしょう?」

「ねえ、さっきから襲う襲うって、……どういうこと?」

 聞いたら怒られそうだったので、聞かなかった事をルナが聞いたら、ソネットは彼女の思った通りの反応を示し、

「襲われなかったって頷いたくせに! その意味自体がわかってないし!」

「まあまあ」

 長が出来るだけ抑え気味にと目くばせし、話しを進めようとする。



「それにしても、よく風呂から上がる気にさせたのう?」

「うーん、シャワーの使い方教えてって言ったけど、なかなか湯船から上がってくれなくて、仕方ないから一緒に……」

「ルナ!」

 ソネットの様子で自分がおかしい事をしたらしいのがルナにもわかった。

「…………ごめんなさい」

 しゅんとした彼女を見やって、呆れぎみに息を付く。

「私に謝られても、ねえ。やはり付いていけばよかったわ。風呂以外に彼と他に何かしたの?」

「…………お料理したり、お散歩に連れて行ってくれたりしたわ。剣も少し。クッキーこないだ焼いたでしょう?アレしたかったけどオーブンが使えなくて。あ、彼が学校に行ってる間は父親の部屋からは余り出ないように言われたから守ったわよ?」



 いつもルナには補佐が付いて回る。時折抜け出す事はあるが、短時間の事だ。

 彼女は遊びだすと日常生活を行うどころじゃなくなるし、水を眺めているだけで半日は過ごせるような子だ。風呂だけに限った事ではない。それも場合によっては怪我人が出る。

 この頃は回りが監視しているので、マシになっていたが、一人で動く事で箍が外れたと見えた。



「行けなかった私が悪いのね」



 ソネットが付いて行けなかったのは、数少ない機会である飛び級試験を受けたり、いつもはサボっている授業分の補講をまとめて受けていたりで、どうしても抜けられなかった為。彼女は医薬師免許の取得を目指している、表向き普段は学生である。

「長様も父親を葬送するなら、死に目に会わせたいなんて無茶な条件出すから。もうルナに変な話、持ちかけないで下さいね! 全く紅様もどうして止めなかったやら」

 魔に堕ちようとも親は親、親として失格なら尚更、振り切る為にきっちり見送りさせねばという長の考え方は、合理主義のソネットには通じない。



 ルナに限らず、葬送に使う聖唱使い(スペルメイジ)は、積極的に一般の者には触れ合わせない。特にルナは常識の規範を外れた行動をするから尚更だ。家族の同意などが必要な葬送については、補佐が全て手配を済ませる。

 長から依頼され、ルナの個人的な見解で動いたとはいえ、ファーラの家の件は正式の依頼も別口からあったので、きちんと補佐は立てて、ソネットは学校へ出ていた。

 しかしルナはそれを気に入らなかったらしく補佐を追い返し、その屋敷に居座った。それを聞き知って、最低限の事を済ませ、慌てて学校から踵を返したのだ。



 矛先が自分に向き出したので、長は咳をしてごまかしつつ、

「で、どうだったかのう?」

 話の流れを戻した。ルナも再度急いで話に乗る。

「右の脇腹は綺麗に塞がれていたわ。不思議な魔法線だったの。あんな線は余り見ない……紫の子がやってくれたって言って……」

 ルナは長の手元のある紙切れを見やった。

「あれ? それと同じ線だったわ」

「……これは紫水晶のレイル様が描いたものじゃ。二週間ほど閉じ籠って、何かしておられる様だったのだが。母御に頼んで、昨日手に入れたんじゃが、似たようなモノを山と描いていたそうだ。意味はわしにはわからんが。その傷、塞いだのは彼に間違いなかろう。五日ほど前に見守りの魔道士から裏も取れているしの」

「やり方が回りくどいけど、よく融合してたわ。魔の毒があったみたいだけども、取り除かれて、書き換えられて。ただ紫の子の肌は白いのね。だから見た目は目立つかも」

「あまり特化した能力はない子だと思っていたのに、因果かのう」



「特化しすぎて使いこなせないんじゃないの?」



 ルナは紙を一度受け取って眺めると、長にすぐに返した。

「私は細かく読めないけど、何かの魔法具の展開図ね。純白の魔導師(ピュアホワイト)なら完全にリーディングできるかしら?」

「純白の魔導師って、シラーの事?」

 ソネットの言葉に嫌そうな顔で軽く頷いて、ルナは続ける。

「脇以外の怪我は火傷やら切り傷やら重なっていて、見た目は酷いし色も良くないけど、もう傷口自体は塞がってるわ。毒はないみたい」

「……自分で診てないから何とも言えないけど、皮膚が酷い状態なら癌化する前にいずれ移植しないと、ダメなんじゃないかしら? 黒天使は丈夫だから。自分自身でダメージに気付きにくい種族だわ」

 ルナの言葉を受けて、ソネットは学んでいる、酷い熱傷と種族特徴に対する基本的な事を言った。

「彼、私が送ると言った時は咆えていたけど。何とか納得してくれてよかったわ」

「体も心も大切に出来るような環境を与えてやりたいのう。彼の父御は? 何か複雑じゃったようだがのう?」



 ルナは眉を寄せて、その問いに答え始めた。

「ばば様の子、ね。こちらの処分リストの入ってから長かったみたい。すぐ消去許可が下りたわ」

「普通は長くても三年くらいで処分されるんではないかの?」

「うーん、なんか改竄されていた形跡があるのよね。でも深くは追えなかったの」

「リィ財団のデータに介入するなんて、命知らずね」

 ソネットの言葉に、ルナは笑う。

「紅様が相当お怒りだったわよ。管理者の首が数人飛んだかも」

 内容は余り笑えないモノだったが。



 ソネットはその対象になりそうな管理の天使達を思いながら、話を繋げる。

「母親側の身内は北の出身で、奴隷制度があった頃、元締め的な立場だったみたい」

「奴隷とはまた古風な話じゃのう」

 天使界も今は政府が統一され、警察も整備され落ち着いているが、疫病が蔓延した時期には一粒の小麦さえ争って、戦乱で荒れ、奴隷や麻薬、詐欺など横行した時期もあった。長でさえ体験したわけではなく、伝え聞いたほど昔の話である。

「その流れが根底にあって、人身売買まがいな事をやっていたけど、20年ほど前にあの屋敷に拠点を移した記録だけ、かろうじて探し出したわ」



 ソネットの話を聞きながら、ルナは呟いた。

「身内と言うか、彼女自体もその中で商品扱いじゃなかったのかしら? 質のいい剣士に彼女は餌として与えられたのかな」

 軍の英雄として祭り上げられるほどの男だった彼が、どういう経緯でそんな仕事を請け負うようになったか、資料が無くなっている今、ルナが語ったのは推測でしかない。

 でも当たらずとも、遠からずだろう。

「家族さえ商品ってどういう神経なんだろう……」

「ソネットは優しいのね」

 普通でしょ、と言いかけて、ソネットは言うのを止めた。ルナも長も血なまぐさい世界に生きている。自分もそこに足を突っ込んでいるのに今更気付いた。

「それが下の子が産まれて、その母親が死んだ後に、身内が大量に死んだのよ。もともと母親の集団に、初夏に生まれた男児は不吉だ、って言い伝えられたみたい。余りの酷さにその祖母だった占い師が調べ出して、彼が加担した悪事に気付いて総てを解散させたようよ。息子は処分しきれず、彼女から情報が出て、処分登録されたのに動かないから不思議だったでしょうね」



「息子も育ち、結婚したので廃業じゃーって言って笑っていたのに……ファーラ。そんな事になっとるなぞ、思いもせんかったろう」

 息子が嫁を連れて来て、ただただ手放しに喜んだのだろう。坂を転がり落ちていくと知らず、それを止められなかった占い師。息子の結婚を機に占いからは足を洗い、水晶に触れる事がなかったのを、どれほど悔いたか、想像に余りあった。



 ルナは服から下がったレースの房をユラユラさせながら、

「後、特記事項としては抵抗がなかったのよね」

「抵抗?」

「捕獲時ね、あっさりしていたのよ」

 ルナはあっさりと言ったが、ファーラの父アディを捕獲した時に、彼女は近くの家と山半分を吹き飛ばしている。ソネットは報告を受けて知っていたので、どこがあっさり?と、言いたい所だったが、彼女にとって他のモノと相対した時と何か異なっているのだろう。

 仕事中に彼女が感じた感覚については、ソネットも口を挟まなかった。

「時間をかけて身体状態を下げたけど。何か妙なの。かけてもかけても、今にも起き上がってきそうな気がするのは初めてだわ。明日の夕方に逝くように設定したけど、離れるなら早く落としてしまえばよかったかも。今日動く話が唐突だったから、変更できなくて」

「大丈夫でしょう? そんなに心配しなくても」

「うん、間違いないハズだけど」



 長は考え込んだように、思い出しながら呟く。

「ファーラはそう言えば珍しい物を探しておったのう」

「ばば様が? 何を?」

「玉」(ジュエル)、それも緑玉(エメラルド)変彩効果(シャトヤンシー)、孫の母から出したと、言うておったが」

 ソネットはもう話に付いて行けないと言った顔をした。空色の瞳を歪め、不快を露わにする。

「それは、珍しいを通り越してるわね」

「あの下の子も見立てが間違えていなければ、緑玉の変彩効果なのだそうじゃ。作為的に「玉」にそれを起こす方法は確立されていないが、仮説を聞いた事はあるかのう?」

「体ないし心に負荷や苦痛をかけた者に、多く出るんだったかな?」

 ルナは考えるようにして言い、長はそれに頷いた。

「もしかして、母親も長年苦しめられてて……結局、殺されたって事?」

 ソネットは悲鳴のような声でそう言った。



 ルナはしんとしたあの大きな屋敷を思い出す。

 その地下などには入れなかったが、子供の体なら、裏から覗いたりすれば牢のような場所が見て取れた。たぶん人数も相当入ったろう。たくさん入れてもあの屋敷の周りは魔獣のいる森。近寄る人は少なく、完全防音、闇にまぎれて逃げ出す事も出来ない牢獄。

「それまでは普通に生身で売り買いしてたけど、ヒトを捌いて、売っていたのは約10年前、期間は3年くらい、下の子が産まれる前後までみたい」

「本当なの? ソネット。彼一人で狩っていたかはわからないけど、そんなに剣封じをやっているなら、今まで天使であり続けているなんて、不思議すぎるんだけど」

「……そう言えばファーラが変彩効果には、死の瞬間に呪いをかける能力があると言うていた」

「呪い?」

「それも聖唱(スペル)が効かず、回りも巻き添える魔化が起こる。呪詛のようだと言うておったよ。かかった者はゆっくりと死に落ちると」



聖唱(スペル)が効かない? 呪いも起こる?」



 そう言った時、雷が落ち、雨が降り出す。

 途端にルナの集中力がそちらに向いた。

 話している途中だと言うのに、窓に張り付くと、一言も告げず、外に走り出してしまう。

「長様、私もこれで」

「ああ、頼んだぞ。銀姫を。明日、父親を葬送し終わったら連絡を。二人の子を保護しよう」

「はい!ルナーーーー待って! 待ちなさい!」



 激しく降り注ぐ雨の中、ソネットはルナを追う。



 魔化を止める聖唱(スペル)を唱えられる者は、特に聖唱使い(スペルメイジ)と呼ばれ、その秘術を伝えられし者は死ぬまで徹底的に政府管理される。

 ルナは数少ない聖唱使いだ。

 魔化を止め、天使に戻す力を有しているが、その力の有効範囲は狭い。魔化し出したらすぐに使わなければならない。そんな限定的な力より、彼らに求められたのは、その聖唱で死を運ぶ事。



 ソネットがルナの面倒を見る事になったのは、彼女の年の離れた姉バイオレットがルナの医療担当だった事による。年の近い女性だったら誰でもよかったらしい。数人いるが、固定で初期から残っているのはソネットだけになっている。

 彼女が他の子と違うのは魔道士だから、その「玉」(ジュエル)が奪われれば、奪い返すという使命がある事だ。しかしルナを殺せるような人物を自分が負かせるとは到底思ってない。奪った者の顔を生きて伝えるのがせいぜいだ。

 本当の友ではないし、自由な感覚が疎ましい気もしたが、不安定な彼女を安定させるのは、医師として自分の為になるだろう。そうソネットは考えて傍にいた。



「綺麗ね……」

 雷が暗い空を走って行く。

 その一瞬の雷鳴に、厚いグレーの雲が照らされ、目に焼き付いた。その力強さにルナは自分の小ささを知る。その手を天に伸ばして全身に雨を受けると、掌にあたる粒は冷たく彼女を洗い流す。

「ねえ、ソネット」

「何?」

「ねえ、私は泣かれるほど悪い事してる?」

 荒れる空を見ながら、雨が涙のように彼女の頬を伝うのをソネットは眺めた。

 濡れても輝きを失わない銀色の髪。うねりの無い髪を容赦なく叩きつけるような雨が落ちる。その身に沁みついた血は落とせないと言うのに。

「何かあったの?」

 ソネットはルナの質問の意図がわからず聞き返した。

 指を鳴らす程の時間で、ヒトを何人も殺める歌を謳う少女。

 体を震わすような轟音と光の競演を背後に、青玉瞳(サファイアアイズ)でソネットを見る。今まで奇行は繰り返しているが、こんな顔を見るのはソネットは初めてだった。

「何か……何を、言われたの?」

 今まで抱かなかった感情を、何かもらってきたらしいとソネットは察しを付ける。

 正確な殺傷人形を狂わすのは小さな感情からだ。

 ヘタに与えた重みで、案外簡単に潰れる。壊れた人形を既にソネットは幾つか知っていた。だから余り他のヒトと付き合わせない様にソネットは調整してきたのだが。どうも数日で亀裂が生じているのを感じた。

「聞いてあげるから、言ってみて?」

 ルナが口を開こうとした時、近くでヒトの気配がした。何人かの警察官が雨の中、滑空していく。ソネットはマントを外して、ルナの頭から被らせる。わざわざ目立つ必要はなかった。

「行きましょう、ココではなんだわ」

 雨が強く、雷も鳴るので、こんな状態では話もできず、ぼんやりしている彼女の手を引き、街まで移動する。ルナのレースで縁取られた服が重く濡れた。



「入って、服を脱いで。お風呂用意してあげる」

 あらかじめ用意していた宿についたのはだいぶ暗くなってだった。雨は降りしきっていたが、雷は少し遠くなっていた。

 いつもお風呂と言えば飛びつくように喜ぶルナが、全く反応せず、濡れた服のまま木のイスに座っている。冬を目前に控えた冷たい雨が体温を奪い、もともと色のない肌を更に白く見せた。投げ捨てられた人形のように生気がない顔に見えるのは、安宿の電気が薄暗いからだけだろうか。



 ソネットはランプに火を入れ、お湯をバスに張る。

「ほら、脱いで」

 立たせるとボタンにリボン、重ねの多い服を解いていく。

 こんなに重ね着していたらさぞかし動きがとれまい。だが彼女の殺傷能力は歌だけではなかった。普通の天使なら素手で殺せ、魔を眠りにつかせるまでに痛めつける能力を保有している。逆にこれで抑制しているくらいで、妨げになる事はなかった。

「……明日の仕事は?」

「午前中は会議よ。貴女からの報告もあるでしょうし。それから暫くは、警察から流れてきた死刑執行を主にしてもらったわ。いろいろ疲れたでしょう?」

「うん。でも明日夕方に抜けられる?」

「大丈夫よ。やけに気にするのね、今回の事」

 やっと喋り出したルナに、ソネット答えながら、自分も手早く長衣(ローブ)とチュニックを脱いで、風呂場へ移動する。



 全裸の少女はお風呂に体を泳がせた。

 安宿だが、風呂場は比較的広い。しかしいつも二人が住み、使っている場所とは違い、少し体を動かせば触れ合える。

 雨で奪われた体温が急激に戻り、上気して美しく淡い紅色が二人の唇に戻る。

「肌ってこんなのが普通よね」

 ルナがソネットの肩に指を這わせる。

「くすぐったいわ。肌って、あの虐待受けてた子の話?」

「ソネット、綺麗だわ」

「それを言うなら貴女の方…きゃっ!」

 不意にルナが後ろから抱きついてくる。

 ルナのふくよかな胸が押し付けられて、いつもより密着度が高くソネットは一瞬たじろぐ。自分もそれなりにあるが、ルナのそれは更に大きく柔らかくてきめの細かい肌が吸い付いてくる。男でもないのにそう思うのだから、相当破壊力がありそうだと思いながら、

「そうやって風呂場で抱き付くのは、ルール違反」

 そう言って、ルナの方を振り返ろうとしたが、狭さも邪魔して振り返れなかった。

「ルナ?」

「少しでも傷を癒してあげたいって、そう、あの傷を塞いだ線が語るの」

「線?」

「あんな優しい線は見た事ないの。伸びやかで、たおやかで。私の作ってきた死体の山とは正反対。小さくて、弱くて、あんなもの無力なハズなのに。全く勝てる気がしないの」



 ソネットは右の脇腹をそっと触られて、ドキドキしてしまう。全くそんな趣味はないのだが、ルナの声は脳に直で響く。特別魔法を込めなくともあふれる彼女の言葉は天使に作用する。

 そう知っていながら、酔いそうになるのを振り払い、ソネットは先程、長の前で話していた紫水晶の子が傷を治した話を思い出していた。

 その小さな痕は、壊す事しか教えられていない少女に鮮烈な何かを刻んだようだった。

「そんなこと考えて傷を見てたら、何で「こんな事」してるのかって聞かれたの」

「こんなコト、ね……」

「手を下したいヒトはいないから、自分がやるって言ったら泣かれたの。ファーラ、ぜんぜん喜んでくれなかった。自分も死神と呼ばれた事があるけど、死神になんてなりたくないだろうって。悲しい事を悲しいと思わないのか。やりたくない事をやりたくないと何で言わないのか、って。私、悲しい事とか、やりたくないとか、考えた事もなかったのよ?」

 彼が口にしたのは、真っ直ぐで、真っ当な意見だった。



 だが、ルナには歌う事を拒否する権利はなかった。

 生まれた時には庇護してくれる両親も仲間も居なかった。良いように隔離され、当然の物を当然として与えられず、聖唱使い(スペルメイジ)の力が見いだされると、魔さえ安全に死へ追いやる人形に育てられた。

 反抗して死の歌を紡がなくなったら、銀のカナリアはどうなるか。

 今更、常識を押しつけられても引き返しようはない。彼女には善悪を教えていない。与えられたものを壊す事、飼い主に反抗しない事以外、何も。

 教えられずともルナは自分の行動を善としたのだろう。誰かがやらなければならないなら、自分がやる事で、世界が回るならと。

 だが、少年は「こんな事」と言い切り、全否定された者の身にはなれなかった。



「殺してやりたいと思ったの。黙らせなきゃって。で、ないと私……」



 ソネットは振り返れない。

 物理上、ルナに引っ付かれて無理だった事もあるが、何よりその声の凛とした音が、彼女の本気を示しており、怖ろしかった。殺気立った彼女の肌は更にしなやかで、麻酔のように浸透し、ソネットの体を縛り付ける。

「そして彼は、何か言ったの?」

 絞り出すように聞くと、ルナからフッっと殺気が消えた。

「彼、必要なら力を貸すって」

「え?」

「抜け出したいなら、力を貸すって言ってくれたの。お前が泣けないなら代わりに泣いてやるから、生きようって、一緒に、って。馬鹿みたい。あの子も紫の子にいろいろ言われて、絶対に一人で死なないって約束してるんだって。私は抜け出たいとか、泣きたいとか思った事もないのに。そんなに弱くないもの、私は」



 ああ、この娘、彼に魅かれてしまったかもしれない、自分とは違う考えに当てられて。

 ソネットは何となくそう思った。

 でももしこれが本当に恋などに発展し、本当に彼女が葬送を躊躇うようになったら、地獄を見るのはルナ自身だ。組織はどんな事をしても歌わせようとするだろう。壊れるまで。

 語りかけた少年は何気ないつもりで言っただろうに。

 責任など取ってくれないのに。



 ソネットからスーッと離れた彼女は、自分の膝を抱いて、右手で自分の足の爪などをいじりながら、ぼんやりし出した。その隙にソネットは上がって、石鹸で体を洗い出す。



 泡が出来て、弾ける。

 泡が出来て、弾ける。

 ルナには泡が割れる瞬間がコマ送りのように見える。

 丸いそれがはじけて、無数の細かい霧になって地面に付くまでに、その霧の数が数えられるぐらいにゆっくりと。

 泡が出来て、弾ける。

 泡が出来て、弾ける。

 こうやって見る事が出来るので、神業的な剣でも、銃弾でもその軌道を読み、対処ができる。

 ソネットの綺麗な体を滑り、泡がはじけるのを見ながらルナは何回も繰り返した情報整理に、新たな情報を足して考え出す。



 ファーラの父アディを捕獲した時も、そうやってコマ送りで見つつ、対応した。英雄とまで呼ばれた男の太刀筋でも、ルナには関係ない。

「知ってる?ソネット。魔に近付けば近付くほど、本能に近くなるから、剣や術の素養があればあるほど、腕は格段に上がるはずなのよ」

「そんなものなの? やだ、シャワーのお湯調節がおかしいわ」

「うん、でもあの男は違ってた。手を抜くなんてあるかしら?」

 しかしその剣がそれほどの鋭さがなく、鈍かったのが気になり、その真意を計るが故に、山半分やらが吹き飛ぶことになったのだが。

 ソネットは首を傾げながら、湯船からお湯を組み上げ、肩から掛ける。泡が髪の長い房と共に胸の谷間を流れる。

「貴女に掴まっても、誰かが術を破ってくれるなら、ワザとにかかるって事もあるでしょうけど」

「ワザとに?」

 ルナを湯船から引き揚げ、洗い場に出すと、丁寧にその体をソネットは洗い上げる。いつもふんわりした衣装を身に着け、体の線は出ないが、脱がしてみると女性として均整のとれた体をしていた。うらやましい、と、女として思いながら、背中を流す。

「長がおかしな事、言ってたわね。聖唱が効かない、回りも巻き添える魔化が起こる、呪詛のようで、かかった者はゆっくりと死に落ちる、なんて。誰が見たのかしら? 犯行現場に誰かいないとそんな事いわないでしょう?」

「ばば様は見てないと思うわ。そんな行為、許すわけがないもの」

 男が女を殺して手に入れた、緑玉の変彩効果。

 そして魔化が起こる。何故か回りにいたものまで死に巻き添えながら。

 犯行は、ばば様の目の届かないようなところで行われ、速やかに遺体は処分されたのだろう。だがその時居合わせた者が、どんどん死んでいく。



 そして誰かが彼女に伝えたのだ、



 聖唱スペルが効かない、

 回りも巻き添える魔化が起こる。

 呪詛のようで、かかった者はゆっくりと死に落ちる。

 と。


 更に死の瞬間に呪いをかける、緑玉の変彩効果の宝石。



 聖唱が効かない、と、いう事は誰かが唱えたという事になる。



「魔化がどれだけ進むかは、その「玉」(ジュエル)の特性が関係あるらしいけど。魔化が起こるのは、殺した本人だけで、聖唱が効かないとすれば……」

「そうね、唱えたのが遅かったか。後、聖唱が偽物だったんじゃない?」

「偽物?」

 ルナの体にお湯がかけられ、踝にまで泡が流れ、髪に付けられたリンスが良い匂いを放つ。二人がしている不気味な話とは正反対の香りが風呂場に籠る。

「って、言うか、魔化を止める聖唱ではなく、そこで死の聖唱を唱えたら、そう言う風に見えるかもって……怖いわね」

 自分で言っておいてソネットは体を震わせた。

「聖唱使いなんてそうそう手に入る者でもないけど」



「ねえ、ソネット、「玉」(ジュエル)が取り出される現場に沢山の天使がいるって想像できる?」



 二人は、ヒトに刃物を振り上げる男と、その周りを囲む天使達の姿を想像する。

 ある者は笑って、ある者は涙しながら、黒い欲望でヒトを殺め、「玉」(ジュエル)を取り出す。

 聖唱使いが魔化を止め、見世物紛いの犯行を繰り返す。

 美しい「玉」は汚れた金に変わって、欲を満たす。

 だが、そのサイクルを繋ぐためには、聖唱使いが必要だ。

 だがある日、その者が聖唱ではなく、死の歌を奏でたら。



 たぶんその事と、死の瞬間に呪いをかける能力は別物だ。

 死に行く者が呪いをかけるとすれば、誰にかけるだろう?



「呪いってどうやったら解けるかしら?」

「そうねぇ。定石だと、かけた本人に解かせるしかないのじゃない? または同質の呪いをかけると無効になるとか」


 ルナは一つずつ積み上げていく。


 彼の処分は随分前に決まっていたのにかかわらず、データが改ざんされていた形跡。


 死へ誘っているのに、妙な感じがする魔に侵された体。


 占い師のファーラがその言葉を疑わず信じる者。


 3年しか使われなかった聖唱使いは何処へ消えた?


「聖唱使いなら眠りを破れるわ」



 離れるなら早く落とすべきだった。いや、離れてはならなかった。どうして離れる事になった?



 ルナはそこまで考えた所でソネットの背後を取り、自分の長い銀の髪を首に巻きつけ、力任せに引っ張った。凶器と化した髪に喉をつぶされかけ、ソネットは息もできず、直感で殺される事を覚悟した。

 だが一定以上で締る事はなく、

「なんで、私をあそこから外した!」

「ううぅ……補佐の子追い返したって連絡が。だから気になって……急に何を…貴女を野放しになんて出来ないから……離して、よ」

「誰から連絡受けたの?!」

「定時連絡で、よ。誰かなんてわざわざ確認しないし」



 ルナは、するりとその手を緩めた。

「補佐の子、紅様が連れて帰ったのよ」

「え? 聞いてないわ……」

「私を引き離すために、誰かが貴女を動かしたのね」



 足元に崩れて咳をするソネットの言葉に嘘はないと思ったルナは、風呂場から走り出る。

 窓を開け、窓に足をかけたが、乗れる風を見つけられずに舌打ちをした。

 そしてそのまま一糸まとわぬ姿で廊下に飛び出すと、ちょうど歩いて来たヒトにぶつかった。全裸の美しい少女を見て、驚きの表情をされたが、目も向けず、階段をのぼる。



「待ちなさい!」

 肌着も付けず、とりあえずチュニックをかぶると、同じような服を鷲掴みにして、ソネットは彼女の後を追う。

 息を切らせながら階段をのぼりきる。小雨になった夜空の下に、もう銀色の天使の姿は見つけられなかった。



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