【後日譚】16歳になって
――――幾つもの季節を経て、俺たちは5年生になった。俺とフリージアは飛び級しているから16歳だけどね。
「ロジー!そっち行ったわよ!」
「オッケー!レベッカ!」
「こっちも終わったわよ!」
「ナイス、フリージア!早速捌くぞ!」
『了解!』
今では狩りクエストも受けられるようになった。
3人でさくさくと捌きつつ、素材と食材にならない分は大地の口にお裾分けだ。
「きゃーん、もぐもぐ、びみ!」
「そうかそうか、良かったなぁ」
今では小学校低学年ほどのシギ。たまにきゃーんと鳴いてしまうがそこもまたかわいいところ。
「ん、満足そう」
シルフィもまた同じくらいに成長しており素材の選り分けを手伝ってくれている。
こうして監督者であるアルさんの元へ戻れば。
「うん、捌き方も素材回収もバッチリだね」
無事に及第点をもらえたらしい。
「それで、これが終われば講義を受けに行くんだっけ?」
「そうだよ」
今は冒険者稼業を続けながらも興味のある講義の時期は学園で過ごすなど色々と住み分けも行っている。
「今では俺も転移を使えるし」
ルシルさんに習ってどうにかマスターした。今までいろいろな土地を巡ったことで、一度行った場所ならどこへでも行ける。魔力は消費するけどね。
「でもまずは達成報告だね」
「うん、アルさん!」
ギルドで達成報告をして学園寮に帰還する。
「お帰りなさい。食事を用意してますよ」
ルシルさんが出迎えてくれた。
「ありがとう、ルシルさん」
俺たちのランクがCになり4年生以上になったことで監督者は3人につき1人になった。
クエストによってルシルさんが請け負ってくれることもある。
しかし大抵は。
『いただきまーす!』
フリージアたちも一緒にちょっと遅めの昼ご飯。今日はカレーである。
「ん、美味しい!」
「きゃっ!」
「それは何よりです」
こうしてルシルさんがお手製の料理を作ってくれることが何よりの楽しみだ。もちろん外で自分たちでと言う時もあるけどね。
「あと、いいお肉が捕れましたよ」
「それはそれは。今夜のビュッフェに出しましょうか」
最近知ったことだが、転移魔法も覚えられる魔族はこうして先輩たちが狩ってきた食材をビュッフェにと言うことも普通にあるらしい。
「俺たちもご馳走になってきたからな」
「今度は私たちの番ね」
「そうだね。レベッカ」
カレーに舌鼓を打ちつつも、午後は講義である。同級生たちと久々に顔を会わせたり、クォーティアの後輩たちがフリージアにフレンドリーに挨拶をしていたり。そこはクォーティア流である。
「こう言うのもいいよなぁ。青春って言うのかな」
「そうね。下級生の時は冒険ばかりだったもの」
フリージアが苦笑する。しかしそれでも単位は出るのだからやっぱり冒険に浸ってしまうよな。
「上級生になって少し余裕が出来たし、取りたい講義も増えたけどね」
「そうそう」
魔法や剣、冒険に必要な知識は旅の途中にアルさんたちに習ったしレポート提出も順調にこなした。
「それから数学はロジーが一番だし」
「あははは……」
たまの期末テストに帰ればいつも数学だけ一位である。もちろん冒険者の試験にも代替できるんだけどね。
そうして講義を受けて寮の部屋に帰れば布団にごろんと横になる。
「きゃーん、ろじー」
「ふふっ、今日も楽しかったな」
「きゃん!もうすぐ、ふゆ!」
「そうだな。今年の冬はクォーティアに決めてるし、ゾンネやソラと会えるのが楽しみだ」
すよすよと惰眠を貪っていれば、いつもの優しい手が髪をすいてくる。
「青春をエンジョイしてるようで何よりだ。なかなか面白いものだな」
前世で見た青春ドラマでも見てきたのかな?俺たちを導き見守る優しい魔神が微笑んだ。
【後日譚・完】




