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【10】学園への道



――――学園入学を目指し、俺は日々レッスンをこなしていた。


「いつかアルさんみたいな大きな剣も扱えるようになるのかな」

「これは重たすぎる。短剣の使い方も慣れてきた。ゆくゆくはここら辺だろうね」

そうアルさんが見せてくれたのは異世界ファンタジーの世界でよく騎士や冒険者が腰に帯びているサイズ。しかしまだ子どもの俺には長すぎる。


「成長するにつれて、使えるようになる」

「……うん」

俺もいつか……アルさんのようなカッコいい冒険者になれるだろうか?


「さて、次は魔法のレッスンだったっけ」

「……うん!」

短剣の訓練をイイコで観戦しながら待っていたシギを抱き上げてなでなでする。


「きゃ?きゃーん」

「ん?」

シギがアルさんの剣を指差す。


「お前なら成長したら持てるかもしれないが適当にぶっぱなしそうで危険かもねぇ」

「きゃんんっ!?」

図星を突かれたらしいシギは……あはは……。何だかシギらしいと言うか。


「でもま、魔法のレッスンはシギもよく見ておいて。適当に魔法ぶっぱなさないように」

「きゃん?」

そんなことしないよと首を傾げるシギ。


「ぶっぱなしてるって分かってないタイプだからね」

「きゃっ!!?」

あ、そう言う……何だか異世界ファンタジーのお約束主人公を思い出してしまった。


「シギ、ちゃんとイイコにするんだぞ?」

「きゃーんっ!」

イイコにするもんと自信満々である。

「大丈夫だよ、ロジーと一緒なら。主や俺たちもいるから」

「うん」

みんなと一緒なら……でも、学園に行ったら暫く離れ離れになるだろうか。でもレベッカは一緒だし、シギも俺がテイムしているドラゴンとして一緒に来られるけど。


でもそのためにも、しっかりとレッスンを受けないと。学園の授業についていけなければ困るから。


そうして俺はアルさんと別れ、ルシルさんの魔法レッスンを受けに来た。


「では魔法のレッスンです。初期魔法を出すことはできるようになりましたから、次は……あ、呪文教えるのを忘れてました!」

「呪文必要だったの?」

ルシルさんに教えてもらった魔法は呪文を使わなかったからこの世界では念じるものだとばかり。


「我々魔人には必要ありませんし、魔族も慣れれば呪文がなくても魔法を扱えます。エルフはカッコつけたいので呪文にいろいろつけてカッコつけてます」

カッコつけるために呪文使ってるのエルフ!?

裏を返せばエルフも呪文なしで使えるということか。


「……あ、じゃぁ人間は……」

「よほど才能があるか、努力したか。あとはジョブやスキルのサポートがあれば……ですね」

てことは賢者とかそこら辺かな。


「人間は魔力を持ちながらも魔族に比べて魔法が苦手な種族なのです。そのために呪文と言う魔法の言葉が彼らをサポートするのです。とは言え……」

「ルシルさん……?」


「呪文を覚えないと、筆記問題に答えられないのでテストで赤点です」

「そう言う弊害が……」

つまり魔族でも魔人でも呪文は覚えないといけないと。

「うーん、暗記頑張る!」

「ええ!ファイトですよ」


こうしてレッスンを受けつつもレベッカに読み書きを教わり無事に魔帝さまから推薦状をもらえたため、無事に飛び級が認められることとなった。


「学園に入学するためには出身国からの推薦状がいるんだもんなぁ」

「きゃん!」

離宮でひと息つきつつ、シギも一緒に喜んでくれるのをなでなで。


「因みに推薦状がなければ魔法学園都市にて入学試験を受けるんだって」

「きゅん?」

ちょっと難しかったかな?


「何はともあれ推薦状をもらえてよかったよ」

「きゃん!」

俺はレベッカに教えてもらった読み書きや数学の知識、習った短剣と基礎魔法のお陰である。


「……でも多分一番配点が高いのは数学だろうな」

試験官の目の色が違った。まさか異世界で一番役立つのが剣でもチート魔法でもなく数学だったとは……。数学は大事。うん。


「よし、無事にロジーが推薦状をもらえたわけだしロジーたちの入学準備のために学園寮まで行こうか」

「え……ルオさん!?」

学園にはみんなも来てくれるの?


「もちろんだろ?」

ルオさんがニヤリと微笑む。まさか俺が不安そうにしていたから……とか?


「レベッカは学園の中でも魔帝国が寄附して建てた皇族高位貴族用の寮へ入ることになる」

「す……すごそう」

「はっはっは。因みにロジーもレベッカのお付きとして同じ寮に入寮だ。そして俺は寮のスタッフで~~、アルは守衛、ルシルは食堂担当な」

「……ってガチガチに固めすぎでは!?」


「いやぁ、だってうちの魔帝国のお姫さまで俺のかわいい子孫だかんなぁ?これくらいはしなくちゃな」

「それもありますが我が主は過保護なんですよ」

とルシルさんもアルさんとレベッカと共に来てくれる。

「ははは、うちの末っ子にねぇ」

アルさんが苦笑する。


「ふふふっ、愛されてるわね」

とレベッカ。愛されてる……か。ほんとそうかも。


「きゃーん」

「うん、そうだね」

シギの頭をなでなでしつつ幸せを噛み締める。


「それじゃあ学園寮までは……」

「列車旅よ!学園都市行きの専用の列車が出るのよ」

鉄道か……。それはそれでまた楽しくなりそうだ。



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