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吸血鬼の少女に血を吸われた傭兵は、迫る戦争と不死の脅威に立ち向かう  作者: 白月つむぎ


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第21話 焦土の街と沈黙の地下

 ヴァルブリーゼに到着した三人を待っていたのは、想像を超える惨状だった。

 夜の闇の中、街のあちこちから赤い炎が立ち上り、焦げ臭い煙が空を覆っている。

 倒れた建物の残骸の間には、無残にも倒れた住民たちの姿が散乱していた。


 呻き声がかすかに聞こえる。

 瓦礫の下から助けを求める声に、ミリュアは眉をひそめた。


「……こ、こんなことが、許されるのか」


 ヴァルドは短剣と剣を構えつつも、倒れている住民に駆け寄る。


「まだ生きている者を探すぞ。ダリス、手伝え!」


 ダリスは素早く動き、瓦礫をどかしながら負傷者を抱き起こす。


「こちらですぞ、ミリュアさん! 手当を!」


 ミリュアは落ち着いた手つきで、傷口を押さえたり応急処置を施した。


「しっかり耐えるのじゃ……今は安心せよ」


 三人は協力しながら、生存者を安全な場所へ移し、火傷や切り傷の手当てを進める。

 夜風に混ざる煙と焦げ臭さの中で、火災と破壊の惨状を目にしながらも、彼らの動きは淡々として的確だった。


 ――街は破壊され尽くし、生存者はわずかだったが、三人の迅速な対応でさらに大きな被害は防ぐことができた。


 生存者たちを安全な広場へ移した後、ヴァルドとミリュアは話せそうな者から事情を聞き出した。


「何があった?」


「……ぐっ……突然空から火球のようなものが降ってきて……街の中央付近で爆発が起きた……誰も逃げる暇がなかった……」


 別の生存者が続ける。


「地下の倉庫か何かの入り口が壊されていた……地面が大きく裂けて、異様な光が漏れていたんだ……まるで、そこから何かを取り出すために攻撃されたみたいで……」


 生存者から話を聞き、ヴァルドとミリュアは互いに頷き合った。怒りが胸を焦がす。


「……やはり、何者かの仕業のようじゃな」


「許せん……なんの罪もない住民にまで手をかけて……!」


 ダリスは二人の間に立ち、深く息を吸う。


「……まずは、現場を調べるしかありませんぞ」


 三人は瓦礫の残る街角を抜け、炎の匂いが漂う路地を進む。

 焼け落ちた建物の間を歩き、地面に散らばる瓦礫をかき分けながら手がかりを探した。


「何か……異常な熱の痕跡が残っておりますな?」


 ダリスが地面に手をかざして尋ねると、ヴァルドが辺りを見回しながら答える。


「……地下のどこかから熱が漏れていたようだ。火球で無理やり穴を開けた跡かもしれん」


 その言葉に、ミリュアが目を細めた。


「……地下へ行って確かめるかのう。生存者もそんなことを言うておった」


「同感だ。何が起きたのか、直接確かめる必要がある」


 瓦礫の間から潜む薄暗い階段を下りると、地下へと続く火球による焼け焦げた大穴が現れた。


 熱を帯びた空気がわずかに漂い、壁面には焦げ跡が残っている。冷たい空気と焦げ臭さが入り混じる、異様な空間だ。


 その瞬間、闇の中から低く響く声が聞こえた。


「……何者だ」


 三人の前に現れたのは、黒い装甲に身を包んだ者たち。肩にはアルグレイドの紋章――不死軍の部下であることが一目で分かった。


「来るな……!」


 ヴァルドが剣を構え、ミリュアは短剣を握り締める。

 地下の静寂が、一気に戦慄に変わった。


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