表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
見下され婚約破棄された妹ですが、本気を出してみました  作者: 高取和生@コミック1巻発売中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/8

結論

 グランシュタイン侯爵は、王宮に呼ばれた。

 国王によるお召しである。


 いよいよかと、ハワードは感じた。

 礼服に着替え、彼は一人で向かう。

 このような時に、妻は役に立たない。むしろ邪魔になることもある。


 その後ろ姿を睨むように見ながら、セシリアも侍女を呼びつけた。


「出かけるわ。準備して」



 ◇◇



 貴賓室へと案内されたハワードは、出迎える王太子と側に立つエメリアの姿に気圧された。

 久しぶりに見るエメリアは、煌めく金糸のドレスを纏い、静かに微笑んでいた。


「急な呼び出しに応じていただき、感謝する」


「なぜ……」


 思わず呟くハワードの声は、国王の入室により消える。

 ――なぜ、エメリアなのだ……。


 臣下の礼を執る三人を、国王は座らせた。


「既に聞き及んでいるかとは思うが、この度、侯爵家令嬢のエメリア・グランシュタインを、王太子アルノルトの妃として、迎えたいと思っている」


 ハワードは頭を下げる。


「はっ。王命につき、謹んでお受けいたします」

「いや、違うのだ、侯爵」


 アルノルトが身を乗り出す。


「この婚姻は陛下による王命ではない。私が是非にと強く訴えたのだ」

 アルノルトの隣で、エメリアは頬を染めている。


 乾いて動かない舌を動かし、ハワードは口を開く。


「一点、お伺いしたいことが、ございます」

「何なりと。妃の実父殿になる御方だ」


 国王は鷹揚に言う。


「なぜ、王太子殿下は、エメリアを選ばれたのですか」


 絞り出すようなハワードの声に、アルノルトは笑みを見せる。

 既に王の貫禄が備わっている笑顔である。


「感情に支配されず、理性的でありながらも、孤児や平民らを常に思いやる心を持っている。陛下や私が

 驚くような、高い実務能力をもつ女性だ。私の妃となり、共に国を作っていくのは、エメリア嬢を置いて他にない」


 エメリアの心に、真っすぐに語るアルノルトの言葉が沁みわたっていく。

 エメリアの手を、アルノルトはそっと握った。


「ははは。私とエメリア嬢の御父上の前で、惚気るのはそれくらいにしておけ」


 国王はカラカラと笑い、退席した。すぐに宰相が書類を携えてやって来た。


「では、婚約のお手続きを……」


「お待ちください!」


 突如、貴賓室のドアが割れる。

 上品とは言えない靴音とともに、入ってくる女性の声が響いた。


 真紅のドレスが翻る。

 見間違えようのない姿。


 セシリアだった。


「そのような女が、王妃に相応しいとお思いですか!?」


 セシリアの瞳は、憤怒にかられている色に染まっていた。


「セ、セシリア、お前……」


 ハワードが宥めるように声をかけても、セシリアの言葉は止まらない。


「エメリアは、我が侯爵家では捨てられた女です! 王妃の器ではありません! 私の、私の方が絶対、美貌も教養も――」

「黙れ、セシリア嬢」


 アルノルトの声が室内の空気を切った。

 ハワードは固まったまま、動かず声も出せない。


「美貌だけを鼻にかけ、実の妹から婚約者を奪い、それを恥とも思わぬ君が、王妃にふさわしいと?」

「っ……」


「侯爵。まさか貴殿が連れて来たのか?」


 氷点下のようなアルノルトの視線に、ハワードは首を何度も横に振る。


「ではすぐに、セシリア嬢を連れ今すぐ帰れ。我が妃となるエメリアに、これ以上、毒を吐きかけることは許さん」


 ハワードはセシリアの腕を引く。

 赤子のように父の手から逃れようとしたセシリアに、アルノルトは告げた。


「君の振る舞いが貴族社会にどう映っているのか、少しは考えるべきだ」


 ハワードは引き摺るように、セシリアを連れて去った。


 ――お姉さま……。


 明るく美しく、皆の憧れだった姉、セシリア。

 それが虚飾の存在であったことに、エメリアの胸は痛みを覚えた。


「さてエメリア」

「はい」

「次の王宮での夜会で、堂々と君を紹介させて欲しい。私の妃になる女性だと」

「喜んで」

Q:こんなアホっぽい姉って、いるんですかねぇ

A:えへへ。これも体験談だったりしてね(謎


あと1話(か、2話)で、完結します。

最後までお付き合いしてくださいますよう、お願い申し上げます~~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
王宮のドアはガラスかなにかで?もしくはセシリア様はゴリラかなにか?
国王と王太子がいる部屋に、招待もされていない人が飛び込めるのだろうか? 普通、扉前に騎士が立って守っているのでは? 王城の警備が心配になるわ~(笑) 勘当したような状態なのに、こんな時は父親面するんで…
現代なら頭脳より顔面のが幅をきかせてるけどね。 有能な嫁の、家庭での頭脳の使い所が少ないから。 頭の良い嫁が、旦那の仕事へ良い影響を与えるような頭脳の使い所が無いから。 一昔前なら、礼儀(お歳暮や…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ