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怪しいお店、悲喜こもごも…  作者: たかさば


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22/22

☆与えたがり

あなた、とっても疲れてますね。

僕が元気を分けてあげましょう。


そーれー!


はい、元気になりましたね、足取りも軽くなったでしょ!

ハイ、行ってらっしゃい!



あなた、とっても落ち込んでますね。

僕が楽しみを分けてあげましょう。


そーれー!


はい、テンション上がりましたね、うきうきするでしょ!

ハイ、行ってらっしゃい!



あなた、とってもやる気がありませんね。

僕が好奇心を分けてあげましょう。


そーれー!


はい、探究心がうずうずしましたね、旅立ちたくなったでしょ!

ハイ、行ってらっしゃい!



あなた、とっても悲しそうですね。

僕が喜びを与えてあげましょう。


そーれー!


って…あれ?

うれしくないんですか?

困りましたね。


それでは、笑いを与えてあげましょう。


そーれー!


あれ?

面白くないんですか…、困りましたね。


それでは、富を与えてあげましょう。


そーれー!



ばしっ!!!



ちょっと…何するんですか!

札束が吹っ飛んじゃったじゃないですか!


あーもー!


こんなにもお札が散らばっちゃって…。



「…いい加減に、してもらえませんか」


「この悲しみは、私のもの」


「悲しみに浸る邪魔をしないでください」



え~?

悲しみなんて、楽しい人生には必要ないでしょ!


さあさあ、僕が取り除いてあげるから♡

この愉快な気持ちを…受け取りなさいな!



「…出て行ってください」



でもね、



「あんたの押し付けがましいおせっかい、ほんとに嫌いなんだよ」



はあ、そうは言いますがね、



「ズカズカと乗り込んでくるなって…言ってんだよ!」


「俺の悲しみを奪うんじゃねえ!」


「人の感情を取り上げんな!」



……そお?



「あんた、人に施してるつもりで優越感に浸ってるようだけど」


「誰かの人生に、自分の爪あと残したいだけなんだろ?!」


「人の人生を…、()()()()に塗り替えようとしてんじゃねえよ!!」



はいはい、わかりましたよ……。


でもね、あなた、間違ってます。

僕、別にあなたの人生の邪魔をするつもりなんてないんですよ。


ただ、傍観者として楽しみたいというか。

人の人生って…、面白いじゃないですかあ!

自分とは全く違う感性で、自分とは違う選択をするんですもん。


人の間違いを正せた時、ホントこの上ない…喜びを感じるっていうか!!



「間違いなんて……、()()が判断するもんじゃ、ねえだろう」



いやいや、他人だからこそ冷静な目で判断がね、



「勝手なエゴで、てめえの正解を押し付ける…、()()()!!!ムカつくんだよっ!!!」



どかっ!!!




おうふ…、めっちゃ重いブローもらっちゃいました、グフッ……。


まさか…この僕が、地に伏すことに…なろうとは。




こいつには、私の()()は…必要ないらしい。


いまどき、珍しいやつも、いたもんだ……。




プンプンしながら、薄暗い道をヨタヨタと進み始めた兄ちゃんを…見送り。


立ち上がって…おしりについたほこりを、ポンポンと払い。




腹のあたりを、二・三回ほど撫でた僕は。




ばさりと、背中の翼を広げ。




眩いばかりの、青い、青い空を見上げて……飛び立った。

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