病室の窓から眺める空は
掲載日:2022/09/09
病室の窓。
見える景色は、いつも一緒。
稲穂揺らぐ畑に、
広い校庭の中学校、
割と大きめの、工業地帯……。
人はあまり通らない。
たまに中学生の登校風景を眺めるくらいだ。
病室の変わらない画角からの、変わらない景色……。
不思議なのが、見え方だ。
晴れていても、
曇っていても、
雨が降っていても、
雷が鳴り響こうとも。
心に余裕があれば、どんなに大雨でも晴れて見えるし、
心に余裕がなければ、どんなに晴れていても、どんより曇って見える。
そんな中……。
いつも思うのは、家族のこと。
空の見え方と一緒で、唯一変化のある、雲の形。
雲の形は、会いたい家族の形なの。
あぁ、あの雲、娘に似てるな。
あの雲は、息子が好きな、チョコレートパンみたい。
いつも、いつだって……。
どんな景色だったとしても、
どんな見え方だったとしても、
いつも思うのは、こどもたちのこと。
会いたいな、
会いたいよ……。
でもね。
こどもって、すごく逞しくて。
最初は私が入院すると知って泣いていたのに、私がいなくなって数週間。
今ではすっかり。
何事もなかったように、ケロッとしているみたい。
それはちょっとさみしいけれど……、
毎日泣いて過ごすよりは、
お母さんはとっても安心だよ。
元気に楽しく過ごしてくれている。
そう思えば……、
病室の窓から見える景色は、少しは明るく見えるかもしれないね。




