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プロローグ

 次の話から現代です。歴史ものみたいにはならないので(書けるほど詳しくないし)。

 1945年8月6日、青年の視界は真っ白に染まった。なのに身体は一切の傷を負わなかったし爆風で吹き飛ぶこともなかった。

 不思議に思うことすら出来ないのだろう、ただ呆然としていた。


「人はこれほどまでに愚かになれるのか」


 急に声が聞こえたが彼に反応する余裕はなく、暫くしてやっとぼんやりとそちらを見ると憐れむような見下すような複雑な顔をしている猪程の大きさの蜂のような蠅のような生き物が彼の瞳に映った。

 明らかに異常だが、それでも家族や友人が目の前で消えた彼にとって嬉しかったのか、煙だらけのなか、はっきりと見えるその生き物をぼんやり見つめていた。


「特別に名乗ってやる。俺はバアル・ゼブル。お前は数少ない適性者だ。俺に仕えろ、禰宜(ねぎ)(巫女さんの男バージョン)になれ」


 いきなりそんなことを言われても何も反応できず──最もまともなことを言われてもこのタイミングでは反応できなかっただろうが彼は立ち尽くしていた。


「仕えることに抵抗があるなら言い方を変えてやる、お前一人では何もできないだろう、着いてこい、面倒を見てやる」


 何か勘違いしたのかバアルを名乗る生き物はそんなことを言って青年をジッと見ていた。


 しばらくしてようやく彼はお願いしますと言ってその生き物にすがった。




 今思うとあのときのボクは良くあの悪魔に魂を売ったなと思う。

 あの言葉がボクの人生だけでなく、魂をも縛り付けて離してくれなくて、それがとても素敵なことだと幸せなことだと思ってしまうボクはとうの昔に手遅れだったのだろう。




契約の箱より引用

 神界規定〜人間への干渉に関する法律〜


1-1 それぞれの役割(ロール)を意識しましょう。


 二十四時間の壁を超えるまでの地球側の設定を固めていたら出来た副産物です。

 しっかりプロットなるものを作って見たので大分読みやすくなっているはずです(当社比)。

 生存報告も兼ねているので二週間に一回投稿します。

 最初だけニ連ちゃんですが。


追記

 禰宜の説明ですが巫女さんの男バージョンというのはこの作品の設定です。

 本来巫女と禰宜役割は違います。

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