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お兄ちゃんは許しませんっ!  作者: 狼蝶
番外編
29/34

『Which are you? cat or・・・』

*本来英語ではタチ=Top,ネコ=Bottomですが、ここではわざとネコ=『Cat』としております。



「大空先輩はどっちなんですか?」


「ネコ?タチ??どっち!?」


「あははは・・・・・・」


「おいお前ら止めろよ。先輩引いてんぞ」


「あれ、竜くんは気にならないの?」


「・・・・・・」


「ほら竜も知りたいって!!」



 ********



「ぶっちゃけ大空先輩って兄ちゃんのこと抱きたいんですか?それとも抱かれたいんですか?」


 月一の校長への報告のため海矢が不在の昼食で、愛海はふと思いついたように大空に尋ねた。直後飲んでいた飲料水を盛大に拭きだした大空に、近くにいた竜と辰巳が悲鳴を上げる。

 大空は濡れた口元を拭うと繕った笑顔で『えー、秘密!』と言ったが、ブラザーズ(自称)はそんなに簡単には引き下がってくれなかった。そして冒頭の会話に戻る。

 ね~教えてくださいよ~とポカスカと軽く叩かれたり制服を引っ張られたりするのを完全スルーし、食べかけのパンを囓った。


 大空は高校に入って初めて海矢に会った。

 幼稚園の頃から女子にモテており、それは小学校・中学校でも変わらなかった。むしろ成長していく身体に大空に恋心を抱く女子は増えていく一方であったと思う。本気で好きになる相手もおらず、彼女ができてもすぐに飽きて関係を解消する。それにもうんざりしてきて、特定の彼女を作ることもやめた。はっきり言って、モテることが面倒くさいと思うようになってしまった。

 そして受けた男子校。そこでは男子同士で恋人となることもざらであった。そんな未知であり、専門外の場所に、女好きな自分は『やはり共学のところに行くべきだったな』と萎えながらも初登校で教室へ行くと、隣の席には海矢がいた。

 背は高くて体格もそこそこ良い。柔らかそうな焦げ茶の髪は後ろへと流されており、比率的大きめな目はつんと目尻が上に向かっておりネコ科を思わせる顔だ。髪を下ろした姿も見てみたいと思った。要するに、大空は海矢に一目惚れしたのである。

 生来男に興味のカケラも湧くことはなかった大空だったのだが海矢は完全に大空の好みであり、完璧な存在だったのだ。校門などで絡んでくる女子たちと戯れているところを目撃されているため最初は警戒されていたが、打ち解けると無防備に見せてくる笑顔にヤラれるし口を大きく開けたときに見えた八重歯を目にしたときなんか、胸が握りつぶされたように痛んだ。

 昼休みはほとんど弟ののろけ話を聞かされるが、海矢のメロメロになっている顔はもちろん可愛いし、料理できることにもときめいた。『まりや』という名前も可愛くて、ついいつもからかってわざと違う風に呼んでしまう。


「ねぇってばぁ!どっちなんですかぁ!!」


 海矢と出会ったときのことを思い出していると、愛海に腕を揺すられ意識を今に戻される。ここにいる愛海や自称弟たちは皆海矢に惚れている。中にはまだ自覚のない者もいるかもしれないが。大空は海矢のことをどう思っているのか、海矢をどうしたいと思っているのかを海矢本人にも彼らにも言わないつもりでいた。

 だがさすがと言うべきか、海矢に向けられる感情に敏感な愛海にはすぐに見抜かれてしまったようだ。さてどうやって切り抜けるか・・・・・・と思案していると、屋上のドアがバタンと音を立てて開いた。


「おい何やってんだお前ら。もう授業始まるぞ!教室にいねぇと思ったら・・・・・・」


「兄ちゃん!!今日もお弁当おいしかった。ごちそうさま!!」


「ほら真心行くぞ!!何ぐずぐずしてんだ早く!」


「ま、待ってよ」


「そんな急かしてやるなよ竜~」



 今までの詰問は何だったのか、皆何事もなかったかのように大空から離れ各々ドアに向かって行ってしまった。

 近くに誰もいなくなった後、大空は口元で小さく呟く。


「Meow・・・・・・






 って、海矢を鳴かせたいな・・・・・・」




「おーい大空、早くしろー!」


「おーぅ、今行く!」




 ふふっと口の端を緩めた大空は、入り口でドアを押さえて待っていてくれている海矢に向かって大声で返事をし、彼の元まで走って行ったのであった。














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