という、夢をみた
晴れの日、
彼の家へ彼を運んだ。
ドアを開け放して駆け寄ってきたのは
彼の妻なのだろう
久しぶりの邂逅に
堅く抱きしめあう二人
ここまでけっこう大変な思いをして
彼を運んだ香織は
その女の人を初めてみた
ちょっと
じぶんに似てると思った
そばに近づいてきた翼が
憐れむように小さな声をかける
「あんた、泣きそうになってるよ?」
抱きしめあった二人を見つめたまま、
首を横に振る香織。
「ううん。もう、泣いてるわ。」
起きたら泣いていた、
久しぶりに夢で泣かされた。
悔しい。
けれども
なぜか最近シコリになっていた
胸のつかえが取れていた。