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ステータス

「うっわ。えっ?なんで?」

 俺はステータスが上がったということに喜びよりもむしろ困惑の感情のほうが先に出てきた。


 今までステータスなんて全然上がらなかったのに…。この黒い球に何か秘密があるのか? そして俺のスキル【ドロップ】の影響なのか?


 どーせ、この黒い球はたくさんあるんだ。もう一個使ってみて、変化したところを比較してみるとするか。


 黒い球の山から一つ手に取り、胸に押し当てる。すると先ほど同様にスッと俺の体の中へと入っていく。


《ステータスボールの消費を確認。ステータスが追加されます。ご確認ください》


「ステータスオープン」


―――――――――――――――――――――――――

ステータス


田中秀明

レベル    : 1

HP     : 12/12 

MP     : 10/10

SP     : 0

スピード   : 12

攻撃力    : 12

防御力    : 12

ラック    : 10


―――――――――――――――――――――――――


――――――――――――

固有スキル

【ドロップ】

所有スキル

【分裂】Lv.2

――――――――――――


「えぇっと、さっきまでのステータスの違いはこうか?」

俺は要らないチラシの裏に汚い字でメモを取る。


――――――――

HP   +1

スピード +1

攻撃力  +1

防御力  +1

【分裂】 +1Lv


 わかっていること

・黒い球の名前はステータスボール

・ステータスボールを胸にあてることで消費でき、ステータスが上がる。

・おそらく上昇したのは、スライムのステータス分(おそらくと言ったのはスライムのステータスは明らかになっていないから)

・だとしたら、うまく使うことで全てのモンスターのステータスがわかるようになる?


―――――――――


「こりゃ、すごいスキルかもしれないっ」

「とりあえず、この大量のステータスボールを消費するかぁ」


 俺は黒い球を延々と胸に当て続けた。

 そして、システムはわざわざステータスボールを消費するたびに同じ文言でアナウンスしてくれた。そのせいで、大量の黒い球を消費しきるのにかなりの時間がかかった。


 で、残り十個くらいになって衝撃の告白。

《同時に沢山のステータスボールが消費できますがいかがなさいますか?》


はぃぃぃぃ?


「おいっ。その機能早く言ってくれればこんなに時間かかったじゃねぇか」

「いや、システムに文句言っても仕方がねぇか」


《いや私、ある程度のコミュニケーションは取れますよ》


 いやそれも早く教えてくれよ。

 タイミングが独特なのよ。そういうことは早く言ってよ。もっと早く教えてくれたらいろいろと円滑にできたのにさぁ。


でも、こうやって責めたら

《すいません…》

なんてしゅんとして、しかも素直に謝られちゃったから俺のほうも

「おっ、おう。こっちも無理言ってごめんな」

って思わず謝っちゃった。


 とりあえず、こんなあほなことしながら夜ぶっ通しでステータスボールを消費してたらステータスはこうなった。


―――――――――――――――――――――――――

ステータス


田中秀明

レベル    : 1

HP     : 110/110 

MP     : 10/10

SP     : 0

スピード   : 110

攻撃力    : 110

防御力    : 110

ラック    : 10


―――――――――――――――――――――――――


――――――――――――

固有スキル

【ドロップ】

所有スキル

【分裂】Lv.100

――――――――――――


 終わった後に【分裂】スキルがどんな効果だか知りたいから教えてよ、ってシスさん(システム)に聞いたら

《私は知りません、【解析】スキルか【知恵】スキルならわかるかもしれません》


「だったら、仕方がないな。まずは習うより慣れろっていうもんな。とりあえず細かいことは考えないで使ってみればいんだよな。使ってみれば」


 カーテンを開けると、朝日が差し込む。俺はあまりのまぶしさに思わず目を閉じた。


「うっわ、まっぶしいな。気づけばもう朝じゃん」

「だったら行くしかねぇよな、ダンジョンに」

 とりあえず、俺は装備(といっても短剣と胸当てと靴だけ)を整えてから最寄りのダンジョンである勾玉ダンジョンへと向かった。


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