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プロローグ Dスポーツ

 潮騒ダンジョンをでてから、しばらくはダンジョンに潜ることはなかった。別にダンジョンに潜るのが怖くなったからとかじゃない。ただ単純に忙しかった。それだけだ。

 ダンジョンに潜りまくっているとはいえ、俺も猪貝も大学生だ。ダンジョンで生計が建てられるからと言って、ダンジョンに熱を出して、退学になるというのはあまり好ましくない。

 だって、エルの目的はこの世界からダンジョンをなくすことなのだ。そうなったら、今ある常識も、その世界においては再び非常識となるかもしれないから。

 大学を出なければいけない、という認識も古いのかもしれないけど、できる限り選択肢、可能性を残せるなら残しておきたいという一種の逃げの思惑もある。


 とりあえず、休息と試験対策で二週間ほど俺も猪貝も、大学内で会うことはあれど、ダンジョン探索に行くことはなかった。


◎ ◎ ◎ ◎


 その間に世間では、ダンジョンに関する規制が一部緩和された。それは特定条件下におけるダンジョン内での対人戦を許可するという内容だった。

 とはいえ基本的には、行政から認可を受けたダンジョンでしか、そのルールが適用されないから、ふつうにダンジョン探索する分には何も変わらない。ただ、この恩恵を受ける業界が1つだけあった。

 それは――、ダンジョンスポーツ業界だ。

 一年ぐらい前から、政府に規制の一部緩和を求めてDスポーツ協会を立ち上げ、熱心にこの課題に取り組んできた結果、行政からの認可を受けなければいけないというめんどくさいフローを経なければいけないが、彼らの望む対人戦を実施できるような仕組みが完成されたのだった。


 この規制緩和に関して、俺は無感情に眺めていただけのニュースの映像がなぜか頭に残っている。


「我々の推進してきたDスポーツの対人戦が今日から行えるようになりました。まだまだ、行える場余は限られていますが、これから、今の10、いや100倍の規模間にしていこうと思いますので関係者の皆様、ご支援のほどよろしくお願いしますっ」


 Dスポーツ協会の代表を務め、Dスポーツ関連事業でその業績を伸ばした犬上グループの社長を務める犬上実という男が、礼儀正しさをその仕草に蓄えつつも自信にあふれた表情でこう意気込みを語り、その会見は終了したのを憶えている。


 なんでただのニュースに出てきた男が俺の記憶に残ったのかというと、一つはダンジョンに関する話で、俺自身もDスポーツに興味を持っていたから。もう一つは、この犬上という男、俺とは何のかかわりもないのだが、どこかであったような気がしてならかったからだ。あの立ち振る舞い、自信にあふれた表情。ただ、似たような人なんて世界に目を向ければかなりいるわけで、それが俺の思い過ごしという可能性も否定はできないのだが――。

 ただ、気になって犬上という人物が何者かについて調べてはみたけど、何の情報も出てこなかった。出てきたとしても、子供がいるとかいないとか、40歳くらいだとか、裏で何かとつながってるんじゃないかとか、不確かな情報しか得ることができなかった。


 ともあれ、このDスポーツの対人戦解禁という話は俺にとってはそれなりに重要な話で、これが再びあいつとの因縁を呼び起こすのだとは、このニュースを見ていた時の俺は露ほども思わなかったのだった。


 久しぶりに描いたので読みにくいかもしれません。修正するかも。

 基本的には対人戦をチョコチョコやってこの話は終わりにして、ダンジョン消滅編にでも移ろうかと考えています(戦闘描写を書くのが苦手なのと、グダグダやるのもあれなので)


追記

引っ越しで忙しかったんです...

やっと落ち着いてきたんで、かけるかもです。

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