第6章 新毛原~手麦
剛はとても疲れていたが、寝るわけにもいかないので出発することにした。しかし、写真を定期的に送ることを忘れてたので、新毛原駅の写真を撮って、送ることにした。どこから写真をとるとよいのか迷ったが、時間も時間だし、また警察の人に呼ばれるかもしれないと思ったので、駅前でさっと写真を撮って送った。
午前1時、次の道の駅『しんげはら』に向かって歩き始めた。そうはいってもあと1kmぐらいで着く。そこはもう閉店してしまっているので、かろうじて開いている自販機でコーヒーを買うことにした。
自販機を見ると、コーヒーが150円で売られていた。
「高いなー。コーヒーのくせに生意気な。」
と渋々お金を払った。次に休憩する場所は……、と。剛は地図帳を見た。
「次は15km先の手麦駅にしよう。」
手麦駅とは、ここ新毛原市も隣の市である手麦市の主要駅である。だいたい4時ぐらいにつくだろう。
実際問題、剛はもうすでに60kmも歩いているわけでありもう足がとてもとても痛かった。それに加えてとても眠くなってきた。なのでここからは耐久戦になっていく。
道の駅を出発してしばらく歩いていくと段々と山がちな地形になっていった。しかも深夜の丑三つ時、夏の虫が鳴き、剛は恐怖を感じて鳥肌が立った。歩いているといくつか標識が目に入った。
『動物注意』
どんな動物が出没するのかは知らないが、細心の注意を払うことにした。
残り5km。まだ山がちな地形が続いており、夜中の3時ということもあり、車どおりはほぼ0だった。
そしてふと山の方を見ると、2つの光っている○が見えた。何かの動物がいるという証拠だろう。剛は冷や汗をかいた。剛は懐中電灯を当ててみた。するとその動物は猫だということが分かった。剛は安堵の息を立てた。
さらに歩いていくと山から抜け、手麦市街に入った。そして4時。手麦駅に到着した。周りにはだれもおらず閑散としていた。駅のシャッターも締まっておりそれがさらに閑散とした雰囲気を倍増させる。剛はここで15分ぐらい休憩することにした。周りを見回しているとそこだけ高校と明るい場所があった。よく見るとコンビニだった。車は1台も止まっていなかった。剛はそこで食料を調達することにした。
「いらっしゃいませー。l
店員が眠そうな声で言った。この仕事がいかに大変なのかと実感させられた。剛はおにぎりにしようと最初から決めていたが、どの味のおにぎりにすればいいかその場所で決めかねていた。
「さけ、シーチキン、明太子、昆布、梅干し、おかか…………。」
と考えていくほどわからなかった。そして結局1番最初に目に入ったさけにすることにした。
「110円でございます。」
剛はさっとお金を払って店を出て行った。
ふと空を見上げると段々と空が明るくなっていくのが感じられた。駅の方を見るともうすでにシャッターが開いていた。駅前の椅子に座り、剛は地図を広げた。
「次はどこにしようかな…?」
今の地点
手麦駅 残り31時間。残り104km
第7章へと続く。