第5章 道の駅での出来事&道の駅~中山峠~新毛原駅
剛は相当な眠気を負っていた。しかし時間がギリギリなので、寝ている暇がない。しかしここで寝ないと今後の峠でダウンしそうなので、1時間だけ寝ることにした。
「誠也君、1時間だけ寝てもいい?」
誠也は少し考えてから言った。
「今は君が中心に旅をしているんだ。自分でかんがえな。だけどその代わり自分で時間管理してよ。」
「じゃあねるわ。お休み―――――――」
剛は真っ先にベンチに寝転がり毛布を掛けてすぐに寝た。
1時間後。誠也はまだまだ寝ている剛を横目に見ながら、まだまだ寝るんだとあきれた。
2時間後。誠也はこんな気持ちなんだと思った。
そして夜10時。3時間ほどたった。誠也は怒りが爆発した。
「お前はいったい何なんや! 1時間たっても2時間たっても3時間たっても起きない! 1時間寝るって言っとったやろ。どういうつもりなん。」
その瞬間パッと目が覚めた。そして、一番に誠也の怒っている顔を見た。そして、起きたとたんだったのにもかかわらず、大きな声で叫んだ。
「あとこれから何キロメートル歩けばいいと思っているんだよ少しぐらい休ませろや!」
「じゃあ勝手にしろ!」
そして、どこかに去っていった。
その流れで剛は一人で行動することとなった。あと36時間頑張らなければならない。あと131kmだ。このペースだと間に合わないかもしれない。
剛は荷物をバッグに詰め込むと立ち上がって道の駅の人に質問をした。
「次の新毛原方面の道の駅はどこですか?」
「約11km先の新毛原にありますよ。」
「はい。ありがとうございます。」
そこで剛は『道の駅』と『駅』単位で休むことにした。となると次休めるのは新毛原駅になる。そして道の駅を去った。
さっき買ったヘッドライトを頭につけ、元気よく歩き始めた。さっき寝たからか、さっきよりも足の運びがいい。そして鼻歌も歌い始めた。
そして地獄の峠越えが始まった。すごい上り坂が続く。しかしここで休んでは危険なので頑張って歩き続けた。そういえばさっきの誠也はどうしたんだろう。と考えがよぎった。しかしそれは今考えないことにした。考えないことにしたい。…………
「一人だとつまらないなー。」
とうとうこういうマイナスな言葉を発してしまうようになってしまった。そしてそのまま北山峠を越えた。足はくたくた。あと新毛原まで2kmだ。その標識を見ると機嫌がよくなってきた。
そして、0時ごろ、新毛原駅に到着した。彼の足は棒のようになっていた。すると誰かに話しかけられたような気がした。
「あのーすいません。」
彼は警察官に声を掛けられた。職務質問のようだ。
「はぁ」
「あの、酔われてらっしゃるんですか?」
「いや、酔ってません。」
「いや絶対に酔っているでしょ。」
「お酒飲んでません。酔ってません!」
「じゃあ、こんな時間にここで何してるんですか?」
「見ればわかるでしょ。休んでいるんだよ。」
「なぜこんな時間かって聞いているんです。」
「実は、180km歩く旅というものをやっておりまして。」
「あ、そうなんですか。お疲れ様です。体に気を付けてくださいね。」
と言い残して警察官は去っていった。剛は余計に疲れた。
今の地点
新毛原駅 残り34時間。あと120km。
第6章に続く。