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過去:誰かの日記④

例のごとく番外編です、箸休めともいう。

直接関係ありますが、まだまだ本編と交わることはないので今読まなくてもいいですよ。




『マスター。私のアップデートも完了したことですし、東洋魔術の深淵について…再度探索に向かう許可を頂きたいのです』








『え?それはもちろんマスターの為ですとも。決して私がリベンジしたいとかではありませんよ…そんなに疑わないでください…ヨヨヨ〜』











『…おかしいですね。東洋では女性はこのように涙を流すという風に聞きました。紳士であるマスターが泣いている女性の”お願い”を聞き届けないわけはないと思っていたのですが…』













『え、卑怯?それこそおかしいですね。私の人格モデルはマスターが製造したはず、つまるところマスターの創作物である私はマスターの影響を大きく受けているのです。私が卑怯ならば紳士であるマスターは一体…』










『許可をくれる、と。やりました、人口妖精の勝利です。ふふふ、創造主に勝った私に突破できない障壁はありませんよ』


『フラグじゃないです。やめてください』










『───では、潜行を開始します。対象データの真名解錠:『陰陽術大全・木 裏』。電子結界の解除に着手…完了』










『第一結界、解錠。最深部まで残り12結界です…パスは前回と同一なので全解錠まではスムーズにいけます。最深部までの推定解錠予想時間は36.221秒です…そうこう言ってる間に第四結界も開きましたね』











『とはいえどうせ悪辣なトラップの1つや2つ、3つ4つ5つとあるに決まっています。この電子魔術術者の技量を考えるとマインをスイープしている気分になりますね』



『はい、この術式を製作した土御門…ナニガシさんでしたか。私は彼の家名以外知らないのですが、少なくとも彼は東洋魔術だけでなく異形の体系である電子魔術の大天才です。電子魔術の粋を集めた私がいうので間違いありません、彼は間違いなくこの分野において50年は先に進んでいました』









『さて、ここからは無駄口を叩く余裕が1ビットもありません…申し訳ありませんが演算に特化させていただく為会話ルーチンを一部切り替えさせて頂きます』













『最終サルベージ、スタート』









土御門斎賀。土御門家、当時の党首だよ。

我々は戦利品という名目で、日本から各家の党首とその家特有の魔術体系を丸ごと簒奪した立場だから、あんまりこういうことをいうのはお門違いだけど…ホント可哀想だね。


 だって、確か彼の娘って生まれたばかりだったんだろう?僕だったら、生まれて間もない我が子と強制的に引き剥がされて生涯一度も会えない上に、全ての責任を取らされたせいで有る事無い事伝えられでもしたら…恐怖や絶望以上のナニカを胸に孕んでしまうかもしれない、かな。


 …さてと。システムニミュエは今回こそ、絶望の中に生きた男の最後の作品を回収できる、かな?

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