過去:誰かの日記②
これが投稿されるまでに1話は最低限更新するという楔として予約投稿してます(2021/02/01)
内容自体はほとんど蛇足です
最悪作品の根幹にはあまり触れないので読み飛ばしても問題はありません
『ログを遡るのも苦労しますね…ん?
いつもご苦労様、ですか?私の存在意義はマスターのサポートです。その苦労がなければ私は私を保てませんよ』
『無駄話もここまでにしましょう、サルベージを開始します』
『エラー…ログがこれ以上存在しない…?いえ、微弱ながら魔力の痕跡が漂っていますね。
…なるほど、これが極東の独自に発展した魔術ですか。これは少々、ほんとに少々ですが骨が折れますね』
『…!残留した魔力から特定の形状を確認、再度アプローチを開始します』
『ふう、隠蔽術式の反転が完了しました、私の方が上手だったということです。
こんな優秀でプリチーな妖精と契約しているのです、マスターは誇っていいですよ』
『解凍作業、8割まで完了……ッッ!?
自己崩壊術式…!?正規のアプローチ以外の方法で閲覧しようとすると自動発動するように…ッ?!!』
<Self-destruction equation activate | name: Tsuchimikado | Collapse start,emergency!! emergency!!>
『ッッ!!?
私を余り舐めないでいただきたいですね、これしきの術式…ッ!!』
『きゃぁ!!!!!…………けほっけほっ、現実だったらアフロになって黒焦げです。
えっ、そんなコミカルなのは現実じゃない?創作だって?……そうなんですか?』
『……申し訳ありません、内部データのうち63%しかサルベージ出来ませんでした。
推測できる範囲で内容物を補修したデータを表示します』
…深刻な問題だね。
僕たちがこっちに連行されてきてしまったせいで本国の術者は相当な弱体化を食らう、そこまでは予想できたけど< >論を取り込んで術式の虫食いになった部分を< >とするなんて…いやまあホントはそうなるかな〜とは思ってたんだけど。
体系が全く異なるから他の術式による補強で奥義の再現なんて多分不可能なんだけど…これはむしろ家同士の問題に発展しそうだね。
なんたって< >論では陰陽五行論の補強は事実上不可能だ。なんたって類似する性質の家は補強できても一部の家は補強しようがない、だって僕たちの術式は元々は< >から派生した思想だぜ?さらに西洋とは異った思想で構築されてるんだし、どうにもならないのが当然。
まあ裏切り者である僕たちがこんなこと言っても意味をなさないんだけどね、術式の統合は間違いなく苦肉の策だろうし。
──予言しよう、僕たちが守ってきたはずの者達は、命に変えてまで守ったはずの者達は近々家同士で潰し合うよ。
占星術なんて使わなくたって、このくらい簡単にわかる。そうだろ?< >君?
あゝ どうか滅びないでおくれ 僕たちの希望の星々
p,s そこの君、許可なく人の記録を除くなんて趣味が悪いと思わないかい?
『ッ!!?…なるほど、性格の悪い。
そしてこれもハズレですか…了解しました、次のサルベージまで残り632秒、自己補修プログラムによる治癒を開始します』
『……ところでマスター、この術式を作ったのは食えないやつです。
むかつくので当該ログの消去を提言します……却下ですか。 ちっ』
『……いえ、舌打ちなんてしてませんよ。
ワタシ何言っているかわかんなーい』
『補修率端数切り捨てで96%に到達、安全圏内です。
再度サルベージ、開始します』
…なるほど、腐っても元党首が残した記録だけあってやっぱり一筋縄とはいかない、か。
にしても30年前のデータに仕掛けた術式が今も作動してるなんて、やはり極東魔術、興味本位で調べ始めたけど面白い、ついついハマってしまった。
マイナーな術式は奇襲性が高いし次の論題にちょうど良いかもしれないなあ。
まあ現代の極東魔術師はこちらの猿真似が良いところ、面白みに欠ける烏合の集まりでしかないケドね。
……最新式のはずのうちの娘にダメージを与えるか…生きていたとしたら空恐ろしい相手だったんだろうね、死んでてよかったよ、蛇のようなヤツと関わるのは御免だ。




