過去:誰かの日記①
<本編ではありません。読み飛ばしても問題はありません>
きっと彼の国の魔術師たちは弱くなってしまったと思うよ、まあ僕らのせいなんだけどもね?
いや、それに関しては大変申し訳ないと思っているんだ
割と強引に用件をねじ込んだせいで曲解されてしまってね、まさかそんな強引に拉致するとは…軍はやはり着飾った蛮族のようなものだね
いやしかし、異なる術式体系の記録発展は私たちの興味を大いにそそる問題でもあるのだよ
あの魑魅魍魎渦巻く怪異の国で一体彼らはどんな方法で戦い抜いてきたのだろうね?
しかも秘術に関しては、まさか国でしか使えないなんてびっくりだよ、位置を参照する魔術でもかなり…というか超特異だね
…そそるねえ
『この先には何もない』
『隠蔽術式の解れを確認、内容物の解凍を開始』
『痕跡から内容物を再構成……クリア:推定98%の精度で解凍に成功いたしました』
『強権発動、展開開始……なうろーでぃんぐ、というやつです、マスター』
戦いとは厳しくもありまた発明の母でもある。人は敵を殺すために効率のいい殺し方を考察し、味方を癒すために人の体の神秘を暴いた。
それの極が世界大戦であり、そして一切言い訳の余地なく私たちは敗北したのである。
弱肉強者に従い、私たちは秘密裏に母国から連行され、東洋魔術の研究者としてここに勤めて早何年だろうか。
国に残してきた私たちの子供達や弟子は我々の秘術を継承することができただろうか。
……わからない。
世界情勢の変化によって連絡こそ取れるようになったが、彼らはきっと国を捨てた愚か者、裏切り者として私たちを未だに恨んでいるだろう。
どうせそれを知っているからこそ連絡の許可なぞ快諾したのだ、蛇め。
もしも、もしも秘術の継承がなされていなかったとしたら、神秘と妖の國である我が母国はいつか取り返しのつかない状況に置かれるかもしれない。
願わくば我らが愛する者たちに災い降りかかることなかれ。
『…?
望むものではなかった、と?ならば次の凍結データをハッキング…開始まであとーーーー』
課題が死ぬほど大量に出てきてしまったので少し前倒しになりましたが閑話を入れさせていただきました、つまり息抜きです。
来週いっぱいには終わるので本編はその時更新させていただきます。
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