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【風呂場】紐のやつ【行ってみた】


 リビングにおいてあった、フィアの服一式が入った小包を開ける。

 そして今日買った服と寝間着を取り出す。


 そこで俺はふと、何かが足りないような気がして、小包をさかさまにして振った。


 案の定、はらりと落ちてきた布切れが二つ。


 今日買ったばかりのフィアの下着だ。

 しかもやたらフェチズムを感じさせるような……。

 なんで横のところが紐なんだ!?


 くそ、迂闊だった。

 俺はこれをもっていかなければならない。

 一体どういう顔をしてこれを風呂場にもっていけばいいんだ?

 笑顔か?

 いや、それはちょっと……。

 よし、ここは真顔だ。平静を装っていこう。大体俺は酸いも甘いもかみ分けたナイスミドルのはずだ。少なくとも中身は。

 だったら、こんな小娘の下着のひとつやふたつに動揺する必要なんてない。

 堂々としていればいい。


 俺は行くぜ。

 石を投げられようが、変態と罵られようが、俺はフィアのパンツをもって風呂場に行くぜ。


 リビングを出て、風呂場へ。

 完全なポーカーフェイスで、俺は風呂場の引き戸を開けた。


「ほらフィア、着替えだ」

「ぎゃああああああ変態っっっ!!!」


 エニルの絶叫とともに、洗面器やタオルが飛んでくる。

 見れば、風呂場の脱衣所にはフィアとエニルが裸のままで立っていた。


「ば、ばかやろ、俺はガキの体に興味は無い!」

「ロリコンはみんなそう言うんだよっ!」


 かぽーん。

 軽快な音がして、エニルの投げた洗面器が俺の額にクリーンヒットした。


「……てめーこのガキ! 絶対許さねーからな!」


 俺が脱衣所へ踏み入ると、


「ギャーッ! お姉さん! ロリコンが突っ込んでくるよっ!」


 と、エニルはフィアの背に隠れる。


「エニルちゃん、それは言いすぎです! レルさんは私に着替えを持ってきてくれただけなんですよ!」


 そんなフィアも、俺の視線を避けるように、自分の体にタオルを巻きつける。

 だけどお湯で塗れた体に張り付いたタオルは、端正のとれたフィアの体をより浮き立たせていた。


「……………」

「れ、レルさん」

「何?」

「そ、そんなに見られると、は、恥ずかしい、です」

「……あ、すまん。これ、着替えだ」

「あ、ああありがとうございますです」


 俺はフィアたちに背を向け、風呂場を出た。

 あー、なんか良いもん見た。

 心のアルバムに永久保存しておこう。

 


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