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【指名手配】さすが聖女様【されてみた】

※※※


 屋根も直ったところで、俺たちはとりあえずエニルを街へ送ることにした。

 当然エニルは嫌がったけど、こいつにも親がいるだろうし、勝手に預かるわけにもいかない。

 それに、俺の予想が正しければ……いや、今は考えないでおこう。


「あたしさー、お姉さんと一緒ならいい子にできると思うんだよね」


 街の表通りを歩きながら、エニルが俺を見上げる。


「なんでそれを俺に言うんだ?」

「レルがあたしを無理やり街に戻そうとするから」

「仕方ねえだろ。俺は人さらいじゃないんだ」

「あたし、レルたちにならさらわれてもいいよ」

「お前が許しても世間様の目は許してくれねえの。な、フィア」


 俺はフィアの方を向いた。

 フィアは午前中に買ったワンピースを着ていて、これがもう途轍もなく似合っていた。

 さすが聖女様!

 

 そんなフィアが答える。


「え? 私は構いませんですよ。エニルちゃんがいたほうが賑やかかもしれませんですし。楽しいのが一番です!」


 まともなのは僕だけか!

 しかし実際のところ、エニルを裏町に帰すよりは、このまま俺たちが預かっていた方がいいのかもしれない。教育上。


 とか考えて、俺は笑ってしまった。

 俺みたいな人間が教育なんて言葉を口にするのは、ちょっと変だ。

 人生からドロップアウトし続けた俺みたいな人間が。


「レルさん、何かおもしろいことあったです?」

「いや、なんでもないぜ」


 と、そのとき、エニルが不意に立ち止まった。


「おいクソガキ、置いていくぞ」

「ちょっと待ってよ。ねえ、レルって有名人だったんだねえ。こんなところに写真が貼ってあるよ」

「写真?」


 写真というのは、西側の異国から最近伝わってきた技術だ。


 風景をありのままに映し出し、それを特殊な紙に書きだすことのできる機械を言う。

 そんな便利な機械だから、伝わってきて以来爆発的に広まった。

 俺も老後の趣味に使おうかと思っていたが、けっこう金がかかるらしく、やめた。

 ……あ、でも今なら買えるかもしれない。要検討だな。


 まあ、それはそれとして、俺はエニルの見ていた写真を覗き込んだ。

 うん、確かにこれは俺の顔だ。ちょうど路地裏であの女に捕まってた時の。

 で、なんでこんな写真が貼ってあるんだ?


 顔を上げる。


 俺の写真が貼ってある掲示板には、【犯罪者一覧】と書かれていた。


 なんてこった。

 俺も犯罪者の仲間入りだ。

 ええい、あのミなんとか・ザなんとか・ハルなんとかって女め、絶対許さん。

 

 あ、でも普通に考えて、いきなり人に殴り掛かるのは犯罪だ。

 今後は気を付けよう。心に余裕があれば。



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