表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/39

【右手】聖女ジョーク【治ってみた】


 奇妙な空気が流れる中、フィアだけが、


「わっはっは、聖女ジョークです!」

「……フィア、妙な冗談はやめてくれないか」

「あんまりおもしろくなかったですか?」

「え、うん」

「ううっ、真顔で言われると辛いです! では今度こそ面白がらせてみせますよ、見ててくださいです!」

「いやいやもういい、フィア。気持ちは分かったから。とりあえず俺の右腕をどうにかしてくれないか?」

「あ、そういえばそっちが本題でしたですね! 私が咲かせたこのお花は、エニルちゃんに差し上げるです」

「ありがとう、お姉さん!」


 フィアから花を受け取り、嬉しそうに笑うエニル。

 へえ、笑うと可愛いじゃないか。考えてみれば、俺にも娘がいておかしくない年齢だ。もしいたなら、人生変わっていただろうか……。

 あ、その前に結婚相手がいねーわ。わはは、こりゃ一本取られたね。

 ……言ってて悲しくなってきた。


「レルさん、それでは今度こそやるですよ!」

「おお、頼むぜ!」

「【ナオルルナオル・オルルナル】!」


 フィアの指先から緑色の光が発せられ、俺の傷を癒していく。

 徐々に痛みが引いていって、光が収まったころには完全に痛みは消えていた。

 恐る恐る包帯を外してみると、


「おお、さすが聖女!」


 さっきまでズタズタになっていた右腕の傷は、完全に消え去っていた。


「へっへーん、これが聖女パワーです」


 再び胸を張るフィア。


「すごいな。魔法、習ってたのか?」

「いえ、ただ本に書いてあった通りに呪文を唱えただけです」


 だとしたら、すごい才能だ。

 普通、魔法を使えるようになるには、魔力の操作やイメージ法の訓練で最低でも二年はかかると聞く。

 疑ってたわけじゃないけど、本当にフィアは聖女なんだな。


「すげえよフィアは。可愛いし、魔法も使える」

「えへへ。レルさんのお役に立てようで何よりです」


 魔導書片手に、フィアが照れたような笑みを浮かべる。

 それにしても、本当にすごいな。あんなにひどかった右手が元通りだ。今度なにか怪我した時も治してもらおう。


「あ、そうだ、レルさん!」

「どうしたフィア、急に大きな声出して」

「もう一つ面白い魔法を見つけたんですよ。見ててくださいです!」

「なんだ? 今度は花束でも出してくれるのか?」

「違いますですよぉ! いいですか、ちょっとこっちへ」


 俺たちはフィアに連れられ、穴が開いた天井の真下へやってきた。

 フィアが降ってきたときに開いた穴だ。


「これをどうするんだ?」

「ふっふっふ。私が元に戻して差し上げるですよ!」


 フィアは自信ありげに両手を穴に向けて、呪文を唱えた。


「【ドルドルモドル、モモドルル】!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ