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【後ろから】聖女喜ぶ【奪ってみた】


 その瞬間、俺の右手には紙幣のちょっとした山ができていた。

 成功だ。


「うまくいきましたですね、レルさん!」

「ああ、うまくいったな。これでフィアの服も買ってやれる」

「おおっ! お洋服ですか!」


 フィアの目が輝く。


「もしかして、天界には洋服を着る文化がないのか?」


 俺は、裸で空から降ってきたフィアのことを思い出しながら言った。

 フィアは首を振る。


「いいえです。あれはたまたま私が裸の解放感を楽しんでいただけなのです。ただ、あまりにも楽しみすぎて、足を滑らせてしまったのです。それで地上へ落ちてきたのです」


 要するに、フィアは露出癖のあるドジっ娘属性持ちということだな?

 納得した。

 そしてちょっと興奮した。


「とりあえず、こんなところにいても仕方ない。街へ入るとしようぜ、フィア」

「はい!」


※※※


 とりあえず必要最小限の食料と資材を買い、そしてフィアの洋服も買った。

 今フィアが両手で抱えている小包の中身がそれだ。


「ふふふーん、お洋服ですっ!」


 上機嫌なフィア。

 仕立て屋で買った紺色のスカートはあまり値も張らず、そんなに派手でもなかったが、それでもフィアは喜んでくれた。


 聖女というくらいだからどんな高級品を買わされるか少し心配だったが、一安心だ。


「ありがとうございますです、レルさん!」

「大したことはしてないさ。喜んでもらえて俺も満足だ」


 背後から何者かが近寄ってきたのは、その時だった。


「きゃっ!」


 顔を覆面で隠したその何者かは、フィアの腕から小包をひったくるとそのまま走り去っていった。

 衝撃でフィアが倒れこむ。

 泥棒だと気づいた瞬間、俺は駆け出していた。


「レルさん!」

「ちょっとそこで待ってろ!」


 犯人の後ろ姿はまだ俺から見える位置にあった。

 俺は、犯人のステータスを表示させ、【桁を操るスキル(インフレーター)】でその体重を一桁増やした。


 効果は絶大。犯人の足は徐々に遅くなっていき、ついには地面に倒れこんだ。


 さて、せっかくフィアが喜んでたのを邪魔した奴には、少しお仕置きしてやらなきゃならねえな。

 犯人の前に立ち止まり、呼吸を整える。

 相手は諦めが悪く、這いながらも逃げようとしていた。


「【ステータスオープン】」


 今度は俺のステータスをいじる番だ。

 俺の筋力を一桁増やし、地面に倒れる犯人の首根っこを持ち上げる。

 拳の一発でも食らわせてやろうと、俺がそいつに向かって拳を振り上げた瞬間、犯人がつけていた覆面が外れた。


 覆面の中から現れた顔を見て、俺は思わず呟いていた。


「……こいつ、女か!」



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