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「魔物…あんまりいないね」
「まだ上の方だからね
体はまだまだ下だから下に行くほど増えていくんじゃない?」
それは勘弁
下に下に行くとプレセアが言う通り魔物が増えていく
でも、何故か襲ってこない
「何で襲ってこないんだろ?」
「ああ、僕が魔力で牽制してるからね」
何だそれは
「どういうこと?」
「そのまんまだよ
ここで魔物全員に襲われたらご主人様僕に命令するよね?
倒すのが面倒なんだよね〜」
それをダンジョンの時もやって欲しかったよ……
どんどん潜っていくと下に神殿らしき建物が見えた
「何あれ!?」
「あそこにあるかな」
神殿についた
「こんな場所があったなんて…
体は何処にあるの?」
「この神殿の1番奥だよ」
「よし!行こう!」
私達は中に入っていった
どんどん奥に進んでいく
「…へーえ」
プレセアがつぶやいた
「え、なに?」
「なんでもないよー」
いや、気になるんだけど
「進もうか」
「う、うん」
まあいいか
奥に進んでいくと大きい扉が見えた
「この先が奥?」
「違うね、もう一つ先だよ」
「まだ先かあ」
扉を押し開けた
ギィー
「……ねえ、プレセア」
「なあに?」
「扉の向こうにでっかいドラゴンがみえるんだけど…」
「うん、いるよね」
「あ、気のせいじゃなかったんだ…」
気のせいであってほしかった
ドラゴンは座って静かに私たちを見ていた
しかも深い青色のドラゴン
ドラゴンは色が濃いほど上位種だ
扉を開けたのに気付いたのかこっちを見ている
「あのレベルのドラゴンなんて倒せるわけない!
回り道は…」
「見た感じなさそうだったけど?」
「あそこを通る以外には?」
「行くしかなさそうだよ?」
ニヤリと笑った
ソウデスヨネー
なんとなっくわかってたよ
「もしかしてさっきのへーえって言ってたやつは・・・」
「ああ、気配がするなって思って」
先に言ってほしい!
私は頭を抱えた
「絶対無理!」
あの時会ったキングベアーの何十倍もやばい
「ほら、行こうよ」
プレセアが手を引っ張ってきた
「んな!?」
抵抗むなしく部屋の中に引きずり込まれていった
中に入ったことで敵とみなされたのかドラゴンは起き上がってきた
『貴様ら何の用だ』
しゃべった!?
「え!?」
しゃべるドラゴンは長い間生きてきた証だ
これはもしかしなくても私終わった?
「なに惚けてるのご主人様?」
プレセアのせいだから!
「え、ええとこの奥にある魔王の体を貰えないかなあ・・・なーんて・・・」
『やはりな・・・
渦巻』
「えっ!?」
私たちの周りの水が回り始めたと思ったら渦の中に閉じ込められた
「プ、プレセア!
あのドラゴンに勝てる?」
私には絶対無理だ
「んーどうかな?」
ニヤリと笑う
この反応…
「お願い!戦ってほしい!」
「命令?しょうがないなあ」
面倒そうにつぶやいた
そうしているうちにも渦はだんだん狭くなってきている
「やばっ!」
「じゃ、行こうかな『転移』」
プレセアが消えた
「い、一緒に連れってってよ!」
私の叫び声がむなしく響いた