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「この依頼にしようかな〜」

「特に面白いやつはなさそうだね」


私たちはギルドに来ていた

腕を手に入れて1週間たったけどまだ有力な情報はない


ふとある依頼が目に付いた


「ラサール王都までの護衛?

これだ!これいこう!」


ラサール王都なら色んな情報が集まっているはずだ

それに美食で有名な国でもある

美味しいものも沢山…!


「ご主人様、目が輝いてるねえ」

プレセアを無視して

早速依頼を受けにいった


「ハンナ!これ受けるよ!」

「これかぁ、依頼主結構イケメンだったわよ

性格はかなり残念だったけど…」

「そんなことより、美味しい店とか知らない?」

「色気より食い気…

確かリッツっていうとこが美味しいとか聞いたことあるけわね」

「リッツ…」

頭に刻み込んだ


「あ、そうそうプレセアも一緒に行くけどいいよね?」

「いいけど、両手に花ねぇ」

「よしっ!じゃあお願いねハンナ!」



数日後待ち合わせの場所にいくと馬車の横で男の人が待っていた

ハンナが言っていた通り金髪碧眼のイケメンだった


「貴方が依頼人?」

「ああ、君が引き受けてくれたのか…

美しい人だ…」

「は?」

「ぶっ…美っしい…くくっ」


隣でプレセアが笑いを堪えている


「これから王都までしか君と行けないのが残念だよ…」

わざとらしく顔を振って見せる

「あの…」

「君がいいと言ってくれるのならその後も行動を共にしないかい?」

「あの、いいからさっさと行きませんか?」

私は呆れた目で見た


隣でプレセアが爆笑している


「別の依頼にすれば良かった…」

ポツリと呟く

「つれないな…だがそんなつれない君も素敵だ!

ああ、そういえばまだ名前を名乗ってなかったね

失礼、私はアルベール・ド・コベール・シュナイダー伯爵という

君は?」


名前長っっ!

っていうか伯爵かよ!

「リリィです」

「リリィさんと言うのか!愛らしい名前だ!」

隣で爆笑しているプレセアに肘をつく

「貴方も名乗りなさい

一応依頼主何だから」

「あははっ面白すぎ!

僕はプレセアだよ」

「はっ!すまない!

話しかけてきてくれたリリィさんが美しくて君に気づけなかった…!なんたる不覚!

君も美しいな」


こいつ…プレセアは悪魔だけど男だぞ…

馬車の前にいる人をよく見たらイケメンだった

もしかしてこの人…


「まさかこんなに美しい二人が護衛についてくれるなんて感激だよ!

王都までよろしくね?」

満面の笑みで手を出された

握れと言うのか…

恐る恐る手を出す


パシッ


ああ、握られた


「くくっご主人様…顔がっ!

あははは!」


「プレセア君もよろしく!」

「くくっ…うん、よろしく」


パシッ


「じゃあ、さっさと行きましょう」


さっと行ってさっと終わらせてしまおう

ここから王都まで半日なのが救いだ

これで何日もかかったら私は…


「では、早速私の馬車に乗りたまえ!」


乗り込んでみると中は宝石で装飾されていた

無駄に豪華すぎないか?

私が乗ってもいいのかこれ


ガタガタと動き出した


「やはり、美しい人はいい…」

うっとりと伯爵が呟く


伯爵が言った呟きは聞こえなかったことにした

でも、はっきり言いたい

私は茶髪に茶色の目であり顔も普通だ

一体どこに美しい要素があるんだ

プレセアならまだ分かるけども…


「面白い旅になりそうだねご主人様」

「こんな面白さ誰も求めてない…」

その会話を聞いていたのか伯爵が言った

「さっきから思っていたけれどプレセア君はリリィさんをご主人様と呼ぶよね?

なぜだい?」


ギクッ


ど、どう言おう…



「なり行きでこうなったと言いますか…」

「ご主人様はご主人様だからね〜

そういう契約なんだ」

「ふっ…そうなのか…

そこに行くまでにどんな物語があったのか知らないが詮索はよそう」


聞いてきたのお前だろうがっっ!


「ところでこの馬車に乗ったときどう思ったのかな?」

「宝石で装飾されていて綺麗だなと…」

私のその言葉が火をつけたらしい

「そうだろう!

私は美しいものが大好きなのさっ!

常に周りを美しいもので固めておきたくてね……」


長ったらしい話が始まった


「ほら、私は美しいだろう?

だから他の人が嫉妬しないように周りも美しい人で固めてるんだ

美しいことは罪だな……」


私のHPがどんどん無くなっていく

隣でプレセアが笑いを堪えていた


結局半日魔物は現れず、ずっと話を聞くという地獄の時間だった

着いた時にはげっそりしていた


「ここまで二人ともありがとう

次の機会があればよろしく頼むよ」

伯爵はふっと笑って言った


もう二度と御免被りたい


「じゃあ、私たちはこっちに行くので」

「別れるのは残念だが…

また会おう!」


そういうと伯爵は去っていった



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