12
後ろを見るとアネッサの上に座ったプレセアがいた
「よくできましたってとこなのかな?」
「ええ!?何やってるの?」
プレセアはアネッサを見ていった
「ああ、コレ?
ちょっとイラついたからさぁ」
流石にやりすぎなんじゃ・・・
「生きてるの?」
「心臓は潰してないから生きてるんじゃない?
それより・・・まだそいつ生きてるけど?」
プレセアはヤラを見て言った
「そりゃあね」
「殺さないの?」
何でもないような顔をしていった
「え?」
「殺さないなら僕が殺るけど?」
プレセアがこっちに歩いてきた
「ちょ、ちょっと・・・!?」
「何?」
「殺すの・・・?」
「そうだけど?」
不思議な顔で私を見てきた
その時後ろから声が聞こえた
「ぐっ・・・アネッサっ!」
「あーあ、意識戻ったね」
「・・・な、んだよ?」
アネッサは掠れた声で呟く
「9位もしぶといねえ」
「・・・こんな、ところで、終わりたくねぇ!
俺に、力をくれ!」
「・・・キャハッ!わかった、わあ」
『すべての闇よ集結し主の願いを叶えろ』
これはまずい展開ではないだろうか
「あははっ!面白くなってきた」
「面白くない!止めてよ!」
「えー?もう無理だよ?」
ええ!?
見るとヤラの体が闇に包まれていた
「何がおこってるの!?」
「見てればわかるよ」
見てればって・・・
「力が、力が湧いてくるぜえ!
ひゃっはっは!」
まずい予感しかしない
「殺してやる!女あ!」
「・・・あたしがヤラ・カーチェリーに求めるのは一つ
『あんたの魂』
キャハハ!楽しいねえ!」
「なるほど魂か」
「ああ!?」
「9位が君に求めた代償だよ」
「どうでもいいね!殺してやるよ!」
こっちに向かってきた
ヤバい
「ええ!?に、逃げよう!」
「逃げるの?」
「だって、強くなってるんでしょ!?」
「死ねやあ!」
私に向かって剣が振り下ろされた
「ひっ」
反射的に持っていた剣を持ち上げた
カキンッ
「ヤバっ」
想像以上に重い
このままだとまずい
「おらおらどうした〜?
俺はまだ余裕があるぜ?」
狂気を浮かべた目で笑っていた
「っ・・・プレセア!」
「ん〜、やっぱりご主人様には荷が重いかな?
弱いもんね」
「見てないで助けてよ!」
腕はもう限界だ
「ほんとしょうがないよね〜
さっさと殺さないのがいけないんだよ?」
グイッ
体を後ろに引かれた
「交代」
剣が私の目の前を掠めていく
危なっ!
「ち、ちょっと!
もっと他のやり方あったでしょ!?」
「面倒だなあ」
面倒って!
「チッ今度はテメェか?」
「うん?不満?」
「どっちからでも構わねぇよ
殺すことは確定してんだ
いい悲鳴あげてくれよ?」
「僕を殺せると思うなんて
流石9位の主だよね」
「ああ??殺すっ!」
シュッ
喉目掛けて振り下ろされた剣をプレセアは易々と避けた
「おらぁ!」
さっきのアネッサとの戦いと同じくらい早くて目が追いつかない
「あたんないよ?」
余裕そうに言う
「うるせぇ!」
次第にヤラの顔に焦りが見えてきた
「くそっ!
『闇よ拘束しろ!』」
黒い糸がプレセアの周りに出現した
「あはは!『闇よ僕に従え』」
闇が消えていく
「ああ!?何でだ!?」
「僕は悪魔だよ?闇の主は悪魔だから当然だよね?」
「くそっ!」
ヤラは闇の魔法しか使えないのか後は剣で戦っていた
「くそっ!何で殺せねぇ!?
おい、アネッサ!どうなってんだ!?」
「あははは!」
プレセアが笑い始めた
「ああ?」
「何言ってるの?
それはそこの9位に叶えて貰った願いだよ?
僕を超えられるはずないだろう?」
「どういうことだ!?
アネッサ!」
「そこの、3位の言う通りだね
それにご主人は力を手に入れたばかりの、ひよっこ当然だからねえ」
「・・・!?
アネッサ!裏切ったのか!?」
「裏切った・・・?
キャハハハハ!何を言い出すかと思えば!
あたしはご主人の願いを叶えただけだね」
「ああ!?」
「現に前より強くなってるじゃないか
確かに叶えたよ
死んだら魂は私の下僕に入れてあげるよ
キャハハ!」
「・・・おい悪魔そこをどけ
あいつに用ができた」
プレセアは面白そうに笑った
「ふふっ
いいよ、どいてあげる」