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十時十分、十字路で。  作者: 七賀ごふん
寂しがりや

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7/63

#7



カチコチ、カチコチと、時計はないのに針が進む音がする。

天井じゃないけど空ではない。床ではないけど地面でもない。ただ終わりのない白い空間が広がっている。そこに、清心と少年は立っていた。

「やっぱり思ったとおり……! 夜でも、十時十分ならここに来れるんだ? 便利だなー」

清心が目を輝かせながら言うと、少年は眉を下げて答えた。


「ふーん、そうなんだ。……俺も知らなかったよ。でも、ここに来ちゃだめだって言ったじゃん」

「どうして? 戻ろうと思えばいつでも向こうに戻れるんだろ?」

「そうだけど。────半分死んじゃうよ」


清心の笑顔は、言葉と共に消えた。

死。それに直結する理由までは分からないが、ゾッとして身構える。そういえばここは寒くも暑くもない。時間が止まっているということは、ここにいれば一生老いることなく生きながらえるんだろうか。

「君は……どうして現実に帰らないの?」

「そりゃあ、帰ってもいいことないもん。俺はこっちでいい。めんどくさいことは全部、半分こした方が頑張ればいいんだ」

はぁ……。

やっぱり、彼が何を言ってるのか分からない。それでも目的が達成できた為、ひとまず座り込んだ。

「なぁ、腹減らないか? コンビニでケーキ買ってきたんだよ、一緒に食おう」

「リラックスし過ぎでしょ、お兄さん。でも食べる!!」

少年はぱっと明るい笑顔を浮かべると、幼い子どものように近寄ってきた。そしてケーキなんて十年ぶりと言い、美味しそうに頬張って食べていた。


不思議だ。初めて会ったのに、初めまして、という気はしない。

古く錆び付いた記憶を呼び起こそうとしたが、何故か鍵をかけられたかのように頭が回らなかった。たかが数年前のことすら曖昧で、よく思い出せない。それだけが気がかりだった。


「あぁ~、ごちそうさま! ここじゃ腹減らないんだけど、美味しかったよ。ありがとう!」

「どういたしまして。ところで君、名前は?」




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