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十時十分、十字路で。  作者: 七賀ごふん
油断

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47/57

#1



求めれば求めた分、彼は応えてくれる。

それは愛ではなく、情。

誰もが持っている最低限度の良心。

良心を持て余している人間は、総じて優しい。


「俺早くしっかりして、清心さんが安心できるように頑張ります」

「あはは、サンキュ。でもまずは親を安心させてやんな」


笑って返すと、彼は確かに、と照れくさそうに笑った。

不思議な関係だけど、大切だ。確かに尊い。失いたくないものだ。

彼の顔、声、仕草、全てが自分のことのように透き通る。彼のことなんて、まだ十分の一も分かってないんだろうけど。それでも、これから時間をかけて知っていきたい。

「またな」

「えぇ。また」

手は離れて、互いに別の方角へ向かった。

たくさんの人混みに飲まれ、足元に注意する。今日も世界は何も変わらないようだ。

鉄の塊に乗って、数分毎に町を越える。


こんな日々をあと何年続けられるだろう。


たくさんの人に囲まれて、たくさんの心に触れて、がむしゃらだけど必死に生きてる。ゴールなんて見えてないし、休憩地点も決めてはいないけど、とりあえず走ってるんだ。

欲を言うなら、どこかで同じ歩幅の人を見つけたい。

一緒に走って、疲れたら速度を落として歩いてくれる誰かを────心の底から欲してる。

その誰かは、もしかしたらすぐ近くにいる。

傍で見守って、倒れかけたら支えてやりたい。


“彼”は、もう自分の中に存在していた。




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