序
『鈴を着けた少女』(1854以前)は、『青い鳥』及び『眠れる森の美女』を下敷きにしたということであったが。この『青い鳥』は、時期的にメーテルリンクの作品(1908)では有り得ない。が、誰のどんな作品か知らなかった。しかしBGMとして貼ったチャイコフスキーのバレエ『眠れる森の美女』から、思わぬ進展。はてなブログ『珠玉の児童書の世界』に拠ると、チャイコフスキー『眠れる森の美女』の一部分が『青い鳥』であり、その原作はオーノワ夫人の作品(1697)だと言うではないか。バレエ自体はさして興味を持たなかったから、これは意識に無かった。エピナル版画の絵本もあり、Wikipedia フランス語版に引用されている。
Madame d’Aulnoy の訳として「オーノワ夫人」「ドーノワ夫人」と二通りあるのは、d’Aulnoy(De Aulnoy) の読み方にあり、現地では続けて発音するため「ドーノワ夫人」と聞こえ、字面では「オーノワ伯爵の夫人」だから冠詞を外して読む、ということのようだ。それで、ここでは折衷して「ド・オーノワ夫人」と読むことにする。正式には Marie-Catherine Le Jumel de Barneville, baronne d’Aulnoy という長たらしい名前で、ここからドーノワ男爵夫人 Baroness d'Aulnoy、後にドーノワ伯爵夫人 Countess d'Aulnoy となり、Marie-Catherine d'Aulnoy とも呼ばれ、「誰?」と言いたくなってしまう。
物語は、ATU 432 (The Prince as Bird; The Bird Lover)類型。王子様が呪いで鳥になってしまう、恋人の献身によりその呪いが解かれるという、変身譚が軸となる。




