6話
七月初旬。図書室に集まった十五名の委員たちは、文化祭の展示企画について話し合っていた。三年生の役員が議題を切り出す。
「今年の文化祭、図書委員会は展示を担当します。テーマは自由。ただし“図書室らしさ”を出すこと」
「図書室らしさって……本の紹介とか?」一年生が小声で言う。
「でも、それだけじゃ地味すぎるよな」真琴がすぐに声を上げた。
「派手にいこう!人気小説の名場面を再現する展示とか!」
「準備に時間がかかりすぎる」優が冷静に返す。
「展示は見やすさが大事。来場者が短時間で楽しめるようにした方がいい」
二人の意見がぶつかり、周囲は笑いながら聞いていた。だが一年生がふと提案した。
「他の部活とコラボしたらどうですか?美術部に絵を描いてもらうとか」
「それいい!」真琴が即座に賛成する。
「模型部に立体を作ってもらえば迫力が出る」
「料理部に小説に出てくる料理を再現してもらうのも面白い」
「写真部なら場面を撮影して展示できる」
委員会の空気が一気に盛り上がった。優も「導線を考えれば、各部の展示を組み合わせても混雑せずに見られる」と補足する。
三年生の役員は「じゃあ、コラボ企画として提案しよう」とまとめた。翌週、各部に交渉に行くことが決まる。
その日の帰り際、真琴は「よし、交渉は私が行く!」と張り切り、優は「資料を作って説明した方がいい」と冷静に助言した。二人の違いが、委員会を前へ進める力になっていた。




