13話
読書週間の企画が決まった翌週、委員たちは放課後に各部を訪ねて交渉を始めた。文化祭での経験があるため、雰囲気は自然に明るく、緊張よりも期待が勝っていた。
最初に訪れたのは美術部。部室の机には色鮮やかな絵の具やスケッチブックが並んでいる。
「読書週間で、本の表紙デザインを描いてもらえませんか?」委員が声をかけると、美術部員は「面白そう!コンテスト形式にしたらどう?」と即答した。委員たちは「それいい!」と笑顔で頷き、交渉はすぐに成立した。
次に書道部。墨の匂いが漂う部室で、部員たちは練習中だった。
「文学作品の名言を掛け軸にして展示したいんです」
「任せて。大きな紙に書けば迫力が出るよ」書道部員が筆を握りながら答える。委員たちは「図書室の入口に飾ろう」と盛り上がった。
料理部では、調理台に並んだ材料を前に部員が笑顔で迎えてくれた。
「物語に登場する料理を再現してもらえませんか?」
「文化祭でプリンを作ったから、今度はスープやパンも挑戦したい!」料理部員が張り切る。委員たちは「試食コーナーを作ろう」と提案し、部員たちは「絶対人気になる!」と声を合わせた。
写真部では、展示用の撮影について話し合った。
「読書している瞬間を撮影して展示したいんです」
「じゃあ、部活ごとに“読書する姿”を撮ろう。スポーツ部が練習後に本を読むとか」写真部員が提案し、委員たちは「それ最高!」と拍手した。
スポーツ系の部活にも声をかけた。
バスケ部では「選手の愛読書紹介」を企画に加えることが決まり、練習後に部員たちが好きな本を語る場面を撮影することになった。
セパタクロー同好会では「集中力を高める読書」をテーマに、少人数ながらも練習の合間に本を読む姿を展示することが決まった。
交渉を終えて図書室に戻った委員たちは、机を囲んで報告をし合った。
「美術部、表紙デザインコンテスト!」
「書道部、名言掛け軸!」
「料理部、物語の料理!」
「写真部、読書する瞬間!」
「バスケ部、選手の愛読書!」
「セパタクロー同好会、集中力読書!」
黒板に並んだ企画は、学校全体を巻き込む大きなものになっていた。委員たちは自然に笑顔を交わし、文化祭に続く新しい挑戦への期待を膨らませていた。
夕方、窓から差し込む光が赤く染まり、図書室は熱気に包まれていた。誰かが「今年の読書週間は特別だね」とつぶやくと、周囲が一斉に頷いた。
――こうして、読書週間の準備は本格的に始まった。委員会と部活が一体となり、学校全体を巻き込む新しい展示が動き出していた。




