11話
文化祭が終わった翌日。校舎は静けさを取り戻していたが、図書室にはまだ展示の余韻が残っていた。机の上にはアンケート用紙やパンフレットが散らばり、廊下には立体模型の一部が置かれていた。
「じゃあ、片付け始めようか」三年生役員が声を上げる。
委員たちは一斉に動き出した。イラストを外す者、パネルを運ぶ者、料理部から借りた器具を返す者――それぞれが役割を分担し、文化祭の熱気を思い出しながら作業を進めた。
美術部が描いたイラストを外すとき、一年生が「もったいないな」とつぶやいた。
「写真に残しておこう」二年生がスマホを構え、委員たちが笑顔で集まった。展示は終わっても、記憶として残す工夫が自然に生まれていた。
模型部から借りた本棚の立体模型は、分解して運び出す作業が大変だった。
「重い!」「支えて!」と声が飛び交い、委員たちは汗をかきながら協力した。途中で板が外れて床に落ちると、みんなで笑い合いながら拾い上げた。文化祭本番の緊張感とは違う、和やかな空気が漂っていた。
料理部から借りた器具を返すとき、委員たちは「プリン美味しかったね」「失敗例も面白かった」と口々に感想を言った。料理部員は「来年もやろうね」と笑顔で応じ、自然に来年への期待が膨らんでいった。
写真部の展示パネルを片付けるとき、委員たちは「光の当たり方が綺麗だったね」と振り返った。写真部員は「また撮影しよう」と言い、委員会との絆がさらに深まった。
夕方、片付けが終わると図書室はいつもの静けさを取り戻した。机の上には何もなく、窓から差し込む夕陽が床を赤く染めていた。委員たちは椅子に座り、疲れた顔をしながらも笑顔を浮かべていた。
「今年の展示、成功だったね」三年生役員が言う。
「アンケートも好評ばかりだった」二年生が報告する。
「来年はもっと工夫できるかも」一年生が期待を込めて言った。
真琴は「やっぱり派手にやると盛り上がるな!」と笑い、優は「計画があったからこそ成功した」と静かに返した。二人の言葉は対照的だったが、委員会全体の空気の中で自然に溶け合っていた。
最後に三年生役員が黒板に「次の課題:読書週間」と書いた。文化祭の余韻を残しつつ、委員会は次の活動へと歩みを進める準備を始めていた。
――こうして、文化祭の片付けは終わり、委員会は新しい日常へと戻っていった。成功の記憶は確かに残り、次の挑戦への力となっていた。




