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図書室レボリューション  作者: 双鶴


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10/21

9話

文化祭前日。校舎のあちこちで準備が最高潮に達していた。廊下には段ボールや工具が並び、教室からは笑い声や掛け声が響く。図書委員会も他部との合同展示を完成させるため、放課後の図書室に集まっていた。


机の上には、美術部が仕上げた鮮やかなイラストが並んでいる。背景まで描き込まれた場面は迫力があり、委員たちは思わず見入った。

「すごい……本当に物語の世界みたい」一年生が感嘆の声を漏らす。

「展示に並べたら絶対目を引くね」二年生が頷いた。


廊下では、模型部が本棚の立体模型を設置していた。木材の匂いが漂い、釘を打つ音が響く。

「位置はここでいい?」

「もう少し奥に寄せよう。導線が広くなる」優が図面を確認しながら指示を出す。模型部員は「了解!」と声を合わせ、力を込めて模型を動かした。


調理室では料理部が最後の試作をしていた。小説に登場する料理を再現した皿が並び、甘い匂いが漂う。

「昨日は焦げちゃったけど、今日は成功!」料理部員が笑顔を見せる。

「試食どうぞ!」と差し出されたプリンを委員たちが口にすると、自然に拍手が起こった。


写真部は展示用の写真を並べていた。印刷した写真をパネルに貼り、照明の角度を調整する。

「光が強すぎると反射するね」

「じゃあ少し角度を変えよう」

委員たちが協力しながら位置を直すと、場面が一層鮮やかに浮かび上がった。


図書室の中では、委員会メンバーが全体の流れを確認していた。入口から写真展示、廊下に模型、図書室内にイラスト、最後に料理部の試食コーナー――一方通行の導線が完成し、文化祭当日の来場者の動きが想像できた。


「これで全部揃ったね」三年生役員が安堵の声を漏らす。

「でも、まだ油断できない。明日が本番だ」優が静かに言う。

「よし、絶対成功させよう!」真琴が拳を握り、委員たちが笑顔で応じた。


夕方、窓から差し込む光が赤く染まり、図書室は一日の終わりを告げていた。机の上には散らかった資料や色ペンが残り、疲れた顔の中にも達成感が漂っていた。

「緊張するけど、楽しみだね」一年生がぽつりと呟く。

「うん。みんなで作ったから、大丈夫だよ」二年生が笑顔で返す。


真琴はそのやりとりを聞きながら「絶対盛り上がる!」と笑い、優は「準備は整った。あとは明日を迎えるだけ」と静かに答えた。二人の声は控えめだったが、委員会全体の熱気の中に自然に溶け込んでいた。


――こうして、文化祭前日の準備は終わった。緊張と期待が入り混じる空気の中、図書委員会と各部の展示は完成を迎え、いよいよ本番の幕が上がろうとしていた。

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