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図書室レボリューション  作者: 双鶴


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プロローグ

新学期の朝。二年生の教室はまだ落ち着かない空気に包まれていた。クラス替えの緊張に加えて、転校生が来るという噂が広がっていたからだ。友達同士でスマホを見せ合ったり、机を寄せてしゃべったり、落ち着きのない空気が漂っている。


そんな中、勢いよくドアが開いた。


「おはよー!転校生、桜井真琴!よろしく!」


元気いっぱいの声に、教室中が一瞬静まり返る。真琴はそのまま近くの席にカバンをドンッと置いた。座っていた男子が「え、そこ俺の席…」と固まる。真琴は「あ、マジ?ごめん!」と笑って肩をすくめた。


「いや、そのまま奪っちゃうのかよ!」

「でも堂々してて逆にすげーな」


クラスメイトのツッコミが飛び交い、教室は一気に笑いに包まれた。先生がまだ来ていないのをいいことに、早速わちゃわちゃした空気が広がる。


そこへ先生が入ってきて、場をピシャリと締めた。


「桜井、そこは佐々木の席だ。お前の席は窓際の三列目だぞ」


「やっぱそうか!すみません!」


真琴は慌てて席を移動。佐々木も「いや、いいけどさ…」と苦笑い。教室はさらにざわざわ。


先生は黒板に「自己紹介」と書き、クラス全員に順番を振った。


「じゃあ、新しいクラスになったから、一人ずつ自己紹介をしよう。桜井は最後な」


一人ひとりが名前や趣味を話していく。緊張して声が小さい生徒もいれば、冗談を交えて笑いを取る生徒もいる。教室は少しずつ和やかな空気に変わっていった。


最後に真琴の番が来た。


「桜井真琴です!転校してきました。趣味はスポーツ観戦で、バスケ部に入る予定です。元気だけはあるんで、よろしく!」


「元気だけって!」とクラス全員が笑い、先生も「まあ、それは大事だな」と頷いた。真琴は照れくさそうに笑いながら席に戻った。


午前の授業が終わり、ホームルームの時間。先生が黒板に「委員会決め」と書いた瞬間、教室の空気がまたざわついた。


「はい、今年も各クラス委員会を決めます。図書、保健、体育、文化祭実行委員……それぞれ定員があります。立候補がなければ指名します」


「うわー、めんどくさい」

「体育委員は運動部がやるんだろ」

「図書とか静かそうでいいな」


ざわざわと声が飛び交う中、先生が「じゃあ、図書委員。定員は二名」と告げた。教室が一瞬静まり返る。


その沈黙を破ったのは藤堂優だった。


「僕、やります。静かに整えるのが好きだから」


「おお、藤堂か」

「なんか理由が真面目すぎ!」

「でも似合うわー」


クラスメイトの反応は穏やかだった。優はもともと「気が利く男子」として知られていて、こういう役割に自然と馴染む。


「じゃあ、もう一人。誰かいるか?」


また沈黙。すると真琴が勢いよく手を挙げた。


「はい!私もやります!」


「え、桜井!?」

「お前、図書室とか似合わなくね?」


クラスメイトがざわつく。真琴は笑って肩をすくめた。


「だって女子っぽいでしょ?こういうのやっといたら」


その奔放な理由に、教室は爆笑。先生も苦笑しながら「なるほどな」と頷いた。


「よし、図書委員は藤堂と桜井に決定」


先生が黒板に二人の名前を書き込む。優は淡々とノートにメモを取り、真琴は「やった!」とガッツポーズ。その対照的な姿に、周囲はまた笑い声を上げた。


放課後。図書室には1年から3年まで合わせて15名の委員が集まっていた。新しい顔もいれば、前年から続けている3年生の役員もいる。担当の先生が全体に向かって説明を始めた。


「今年の図書委員は、貸出当番と本の整理が中心です。文化祭では展示企画もあります。みんなで協力してやっていきましょう」


全員が「はい」と答える中、先生が少しだけ補足した。


「桜井さんは転校生だから、まだ慣れていないと思うけど、みんなでフォローしてあげてね」


真琴は「よろしく!私、女子っぽいでしょって理由で立候補したんですけど、頑張ります!」と笑いながら言う。周囲から「面白いね」「よろしく」と声が返る。


優は隣で「僕は静かに整えるのが好きだから」と淡々と答え、他の委員から「頼りになりそう」と言われていた。


こうして、二人は自然に委員会の一員として受け入れられた。


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