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あの子にもあいつにもなれない  作者: 遠藤 敦子
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「ほら、マスクしてない外人さん乗ってきた。このご時世にマスクせずに電車に乗るなんてどうなのかしら」

「私が若い頃福岡のホテルに泊まってたんだけど、数日後にそのホテルで殺人事件があって……」

 とおばあちゃんに電車内で一方的に話を聞かされたこともあれば、海外の人から道案内をしてほしいとか写真を撮ってほしいとか頼まれたこともある。私はどうやら無害そうに見えるのだろう。

 またアルバイト先で長谷川(はせがわ)さんって大学何回生なのと聞かれて「3回生です」と言うと、「えっ、そうなの? 1回生かと思った」と言われたこともあった。そんなに垢抜けない、芋っぽいのか。しかし私が濃いメイクをしたら変になってしまう。さらにこの人には何を言っても良いと思われているのか、癖の強いパートさんから八つ当たりされがちでもあった。他の人が同じことをしても何も言われないのに、私だけそのひとから強く注意されるのだ。

 そんな時に友人から「望怜(みさと)は爽やかな感じだよね」と言われ、驚いたこともある。爽やかだなんて21年間生きてきて言われたことがなかったからだ。私って爽やかなの? 新しい発見をしたような気分だ。新野未理の守ってあげたくなる可愛い感じや道越咲彩の大人っぽい雰囲気が羨ましくなることもあったけれど、爽やかと言われると悪い感じはしなかったのだ。

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