この愛の告白には死が含まれている
昨日偶然会った死神と、今こうやって、待ち合わせしてる。
場所は名もなき墓。
墓標一つとともに、悲しく突っ立っていた。
知らない方がいいと、知っていても。
触れてしまう。
何気なく見せる死神の仕草に、心どころか心臓を射止められたから。
この行為が間違っていて、狩られる弱者にすぎなくとも、一度愛したからには最後まで見つめてたい。
恋しちゃいけない死神に、初恋を奪われた上に命まで狙われているのに。
それでもいいと、思えた。
あの妖艶な唇に絡めとられ、思わせ振りな誘惑を仄めかす死神によって狂わせられた。
好きは止まらなくて、告白衝動に駆られた。
そして命に決心がつき、こうして死にに来た。フラれるにしても、この恋に告白したくてしかたない。