須々木優大46.どういうこと
雪村さん、雪ちゃん、ゆうとくんを母さんの能力で見送った後、僕たちもバリア外へと歩き出した。
僕たちの戦力は十五人。リリラガンは、退屈そうに欠伸をしながら頭を搔いており、先に対峙していた皆に攻撃をする素振りは見られなかった。
「これで全員だ」
母さんがそう伝えると、
「ガキ二人を逃がしたろ。無駄だなぁ。いや、俺にとっちゃありがたいんだけどよ」
リリラガンは憎たらしく笑みを浮かべながら、そう口にした。
「……どういうこと?」
「なんで律儀にお前らを待ったと思う? 次のエサを撒くためだ。こうやって連鎖を重ねていく。次は強いやつがいるといいんだけどな」
「雪とゆうとには風は纏っていなかったはずだ!」
「言ったろ? 俺は風使いだ。お前らに気づかれねぇよう風を纏わせるなんて造作もねぇ。すべては俺の手のひらの上だ。いい大人たちが雁首揃えて滑稽集団とは、世も末だなぁおい」
「お前!! どれだけ外道なん——」
「雑魚はだまってろ」
リリラガンの言葉に反応した瀬戸さんは、言い切る前にリリラガンの能力により腹部をえぐり取られてしまった。誰も、何もできずに瀬戸さんは地面に背中をつけた。
「瀬戸さん!!!」
「うぁああぁあああぁ!!!!!」
皆、それぞれ悲痛の声を上げている。
「いちいちうるせぇ生き物だなお前らは。さっさと終わらせちまうか」
リリラガンがため息交じりにそう言い、右手を振り上げたその時だった。
「うぉおおおああぁ!!!」
血を流し倒れたはずの瀬戸さんが、勢いよく立ち上がると唐突に出現した槍を手に持ち、リリラガンめがけて遠投したのだ。
リリラガンは涼しい顔でピクリとも動かずに飛んできた槍を弾くと、
「どういうことだ?」
そう言って口角を上げた。




