須々木優大24.慣れてるから
「作戦を発表します」
バリアの外に出る直前、ミラーが僕たち三人の背後からそう言った。
「由美さんは能力を使っていただき、敵の位置や能力などの情報収集をお願いします。ある程度情報が取れ次第、私の能力を駆使して敵の動きを封じるので、その隙に一哉さんの能力で生成した爆弾を優大さんが敵のもとへと運んでいただき、タイミングを見計らい一哉さんがそれを爆破させる。基本的な流れは以上です」
「まぁ、いつものと対して変わんねぇな」
一哉は首の骨をポキポキ鳴らしながらそう言った。確かに、僕がいなくても敵を倒す算段が付いているところから察するに、今までと流れはさほど変わっていないのだろう。
「大きく違いますよ。戦える敵の幅が大きく広がったのですから」
「難しい事はいいからよ、さっさと行こうぜ」
「大事なことですから、もう少し話をさせてください。僕と由美さんは確かに今まで通り、状況を見つつ臨機応変に対応します。一哉さんは事前に爆弾を生成していただき、優大さんに渡しておいてもらいます。状況を見て、足りない場合は新しく生成するようにしてください。やむを得ない場合は爆弾を付けに行ってもらう事もあるかと思います。そして優大さん。あなたには——」
「ヘイトを集めて攻撃の的になる。隙をついて爆弾を敵に付け、場合によっては共倒れ。不死身の僕だけ生還し、勝利をもぎ取る。そうだろ?」
「……その通りです。今までは一哉さんの負担が著しいものでした。これ以上体力を消耗させて、殺傷能力のある一哉さんを失うわけにはいきません。辛い立ち回りをお願いしている事はわかっています。無論、不死身だからと言って死ぬ事を前提に動いたりはしないつもりです。いかがでしょうか」
「いい。それでいこう」
わかっていた事だ。夢を叶えられるのであれば、なんてことはない。現世でやってきた事と大差ないのだから。
「ありがとうございます。では、参りましょう」
ミラーはそう言うと、バリア外へと足を踏み入れた。続いて崎野さんも飛び出していった。
「危ないと思ったら、とにかく距離をとってくれ。ミラーはああ言っていたけど、俺は慣れてるし、大丈夫だから」
一哉は僕に近づくと、耳元でそう囁いてきた。
「僕は絶対にこの戦争に勝つ。だからさ、遠慮なく殺してよ。大丈夫。僕も慣れてるから」
一哉にそう伝えると、僕もバリア外へと足を踏み入れた。




