ライクの過去・2 改
「リッサ!? おい、どうしたんだ!?」
「...ライク、さん」
ポーションを飲ませてから話を聞くと、信じられない答えが返ってきた。
「聖女を偽った罪で追放だあ!? リッサの力は本物じゃないか!」
「ですが、私の魔力は筆頭聖女様に奪われて...平民の私の魔力が他の聖女様方よりも上であることが、いろいろ都合が悪かったそうで...」
「いい、それ以上なにも言うな」
散々いいようにこき使った挙句、こんな仕打ちを受けるなんて...あんまりではないか。
「俺と来るか? 一人食い扶持が増えるぐらいなら問題はないぜ?」
「...いいんですか? 私はもう、聖女としての価値がない役立たずですよ?」
「いいんだよ、そんなの。聖女じゃなくても、リッサはリッサだろ?」
「...ライクさん」
それから半年後にライクとリッサは夫婦になり、一年後には娘のアミナが生まれたが、神は無情だった。
リッサいわく、アミナにも聖女の適性があるそうだ。
「本当なのか、リッサ!?」
「ええ。...このままだと、いつか教会に連れていかれてしまう...」
「そんな...」
「だから、この子の魔力を封じるわ。...今の私でも、そのくらいはなんとかできると思う」
「...大丈夫なのか?」
「”母は強し”っていうでしょう? 大丈夫よ」
封印はどうにか成功し、アミナはすくすくと成長していき、幸せな日々が続いた。
アミナが三歳になるまでは...。