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「俺は大丈夫だ。美咲が無事でよかった。」



青ざめた私とは逆に要は頬をほんのり赤く染めて私の頭を撫でる。

いや、無事だけどある意味無事じゃない!


そう言えば本が落ちる予定だったヒロインの本棚は?!

まさか怪我でもおってないだろうかと、

要の肩越しにヒロインの方を確認する。

ヒロインはこちらを心配そうにして立っていた。

あれ?なんともない?




「大丈夫ですか?!」

「え、あ!大丈夫です、わ...?」



なんでだ。

なんでこうなった?!



ヒロインに落ちるはずだった本達はそのまま静かに本棚に収まっている。

それどころかヒロインは1冊も本を持ってない状態だ。

私また勝手なことしたー?!

「そうですか。美咲さんに怪我がなくて良かったです。」



ヒロインは胸に手を当てながらほっと息を着いた。

なんかイベントをぶち壊してしまった上に心配までさせてごめん...。


「それではお先に失礼します。」


私達に一礼するとヒロインはそのまま図書室を出ていってしまった。

これで完璧このイベントと次のイベントがぶち壊れることになった。

あぁぁあ...。



まだイベントが1個も成功してない事実!!

私がイベントが起こるように仕向けても駄目なのね...?

こうなったら私はもう何も手を出さない方がいいのかも...。

もしかしたら私が誘導しなくても要は勝手に図書室へ言ったかもしれない。

はぁー...。また勝手なことをしてしまった。


「美咲...?どこも怪我がないようならもう家に帰ろう。初日だしもう疲れただろ?

これ以上何かあったら大変だからな。」

「そうね。なんかもう色々疲れちゃった。」


ところで要はいつまで頭を撫でてるつもりかな??

要は歩き始めてからも頭を撫でる事を辞めない。


「要?もう頭撫でてなくても大丈夫よ。」

「あぁ、そうか、つい。」

...うん。要さん。頭を撫でる事を辞めてくれたのは嬉しいんだけども、




今度はなんで腰に手を添えるのかな?!

むず痒いし落ち着かないからやめて欲しいかな?!誰かに見られたら誤解されるし。

うぅー。こうなるのは本当はヒロインだったのに!!



許しすまじ自分!!

要はヒロインである凛ちゃんのものなんだからね!!

結局要は車に着いたあとでも私から手を離さず、腰にあった手を肩に移動させ私の家に着くまでそのままだった。





くぅ。かっこいいヤツめ!!

カッコ可愛いなんて反則だ!!











朝学校へ行こうとすると要の家の車と一緒に登校することになっている。

何故かと問われても私にも分からない。

だって要が毎朝私の家の門の前で待ってるんだもの!!どう回避しろというの?!

勿論、1回要に「私一人で登校してたいんだけど...」と言ってみたところ


「俺は美咲と一緒に登校したい。 ...ダメか?」


と言われてしまい上目遣いの可愛さに負けてそんなことないと言ってしまった手前もう言い出せなくなってしまったのだ。


くっそぉ、可愛いからってなんでも許されると思ってるのか?!このやろー!!

許しちゃうけどな!!



しかも要と一緒に学校へ行くといつも色んな人からじろじろ見られるのだ。

これは妬みが発生するやつでは...?

早速私の高校生ライフは穏便には済まされなさそうです...


「おはよ。要、美咲。朝から凄いな。流石2人だよ」

「何が?」

ほんと何がだよ。北上隼人...


「注目を凄い集めてる。2人とも美人さんだからだな。」

凄い爽やかな笑顔でそう言い放つ隼人。

お前が言うか!!



「隼人様もとても整った顔立ちをしていらっしゃると思いますわ。」

「えぇ?俺は違うよ。というか俺には敬語外してくれないのか?」


...やはり来たか。


「隼人、君。」

「隼人。」

「は、隼人...」


君付けじゃダメなのか!!とわざわざ呼び捨てに直されたところで頭をぽんぽんと叩き

「よく出来ました!」

とにっこり笑われた。



私を幼稚園児かなにかと勘違いしてるんじゃない?!

まぁ、頭を撫でられて悪い気もしないので大人しく撫でられておく。

しばらく隼人に撫でられていると突然何かに後ろから引っ張られた。


「ひぁあ!」

...咄嗟にお嬢様口調風の悲鳴を上げられる私は天才か何かなんだろうか。


「隼人、もういいだろう。美咲のことを撫ですぎだ。」




要はそういうと私を後ろからぎゅうと抱きしめた。




そう。後ろからだ。

んんんんんんんっ!!

「はは。なんだ?ヤキモチか?要。」


隼人...。笑っていないで助けてよ!!

ここは学校なんだよ?!?


「か、要?離して欲しいかなぁ...?というかなんで抱きつくのかしら?」

「隼人が美咲の事を撫でてたから。それがなんか嫌だった。」


え、ほんとにゲームの要はどこへ...?

私が要の言葉に固まっていると隼人は苦笑しながら「うわ、甘。」と一言だけ残して一足先に教室へ向かった。

要はと言うと、私が抱きつくのを辞めてほしいといったからか不服そうな顔をしながら私の手を握ってきた。


だからなんで...?!?!?!

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