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ショゴス探偵の怪奇ファイル  作者: 百面相
ファイルNo1.洋館事件
5/64

No.4 洋館事件(造視点)【4】

 100PVだやった-!

 途中保存してたやつを間違えて次のお話として投稿していたので削除しました。ご迷惑おかけしてすみません。

「なっ……!」

「ローゼマリーは……彼女はどこにいる」


 沙羅さんがコービットさんを問い詰める。「実験施設」や「第0班」といった気になるワードが出てきたが、とても聞ける雰囲気ではなかった。


「『第0班』だと……!? そうか貴様、あの透明人間の仲間か!」


 透明人間? またありえないことを聞いた気がする。


「『第0班』の中には怪物のような奴がいると聞いたことがある……。だが、こちらにも『怪物』はいるぞ……」

「質問に答えろ。彼女はどこにいる!」

「地下だよ。実験施設はこの館の地下にある。あの女はそこに監禁しているよ」

「怪我はないんだろうな。あればただではすまさん」


 肌がひりつくほどの気配を発する沙羅さん。一般人のぼくにはなんとも言えない感覚だけど、これがいわゆる「殺気」というやつなんだろう。


「ふふ、そうだな。怪我はないとも。彼女は貴重な実験体だからな。もっとも、昨日捕らえたばかりでまだなんの実験もできていないがね」

「貴様……!」

「おっと、その実験施設だが、当然出入り口は隠してある。加えて、もしわたしに危害が及べば、証拠の隠滅のために実験施設は時限爆弾によって爆破されるようになっている。あまりわたしに手荒なことはしない方がいいんじゃないかね?」

「ぐっ……! おのれ……!」

「そうそう、わたしのいう『怪物』だがね。『それ』はもうすでにこの館にいるのだよ。それはなんだと思う?」


 愉快そうに口元を歪め、コービットさんが笑う。


「それはね……シルヴィアだ」

「……え?」


 思わず声が出てしまった。シルヴィアさんが、怪物?


「ど、どういうこと?」

「シルヴィアさん、ですか? どう見ても普通の人にしか見えませんが……」


 脳裏に無表情で佇むメイドさんの姿が浮かぶ。愛奈の言う通り、あのシルヴィアさんはどこからどう見ても人間だ。彼女が怪物だと言われてもまったくイメージが湧かない。


「じきにわかるとも。ところで、あれと一緒に行った神崎くんは大丈夫かね?」

「……創!?」

「人間ではあれはどうにもできんよ。安心したまえ。殺さないように言ってあるから。大切な実験体に傷をつけるわけにはいかないからね」


 勝ち誇ったように高笑いをあげるコービットさん。その時、紅里のポケットにあるスマホから着信音が鳴り始めた。


「え? さっき確認した時は圏外だったのに、どうして……」


 スマホを取り出して戸惑う紅里、本来相手の番号が表示されるはずの画面は、文字化けした意味不明な記号で埋め尽くされていた。

 そして、勝手に通話が始まり、聞き覚えのない女の人の声がした。


『ごきげんようみなさん。そちらの状況がとても面白そうでしたので、いてもたってもいられず、少しだけこちらの端末を借りて話をさせてもらうことにしました。もうしないので気にしないでくださいね』


 その声を聞いて、コービットさんの顔色が変わった。


「な、なぜ貴方が……!」

『コービットさん。わたしはあなたが羨ましいです。そんな面白そうな現場に居合わせるなんて。まあ、あなたにはツケが溜まってますので、それの返済ということで許してあげましょう』

「待ってくれ! 研究が続けられなくなったら貴方たちも困るだろう!?」

『いえいえ、もう十分成果は受け取りましたよ。ひょっとしたら面白くなるかもしれないと思って見逃してあげていましたが、これ以上期待してもムダなようですので、これで終わりです。今までご苦労様でした』


 そして、通話は切れた。同時に、コービットさんが目を見開き、泡を吹いて苦しみ出した。


「カッ――! アガッ――――!」


 喉を掻きむしり、床を転げ回るコービットさんを、ぼくらは呆然と眺めることしかできなかった。


 やがて、コービットさんは動かなくなった。沙羅さんが脈を確認し、静かに首を振る。


「駄目だ……死んでいる」


 その直後、背後からガタリと物音がした。振り返ると、シルヴィアさんが立っていた。


「ご主人、様……?」


 よろよろとコービットさんの元に歩いていき、呆然と呟くシルヴィアさん。その様子を刀を構えたまま警戒している沙羅さん。


「許さない…………ユルサナイ」


 最後の言葉はもはや人間のものではなかった。ごぼごぼという音に混じって人でないものが無理やり人の言葉を発したような音声が聞こえ、シルヴィアさんが溶けた。真っ黒な水たまりと化したシルヴィアさんだったものがごぼりと膨れ上がり、どんどんと体積を増していくそれからはいくつもの目が現れる。天井に届くほどの大きさまで膨れ上がったところで膨張は止まり、最後に真っ黒の背格好がシルヴィアさんによく似たものが生え、殺意に燃える無数の目が一斉にぼくたちを見た。


「逃げろ!!」


 ほとんど悲鳴に近い叫び声を沙羅さんがあげ、ぼくたち三人は食堂の扉に向かって一目散に走り出した。同時に、怪物がおぞましい唸り声をあげながら無数に触手を生やし、こちらへ伸ばしてきた。


「はあッ!」


 殺到する触手を裂帛の気合いとともに切り払う沙羅さん。素人目にも達人とわかる腕前で、次々と触手が切り落とされていくが、勢いはまったく衰えず、むしろその勢いは増すばかりだ。


「ぐっ……! うう……!」

「沙羅さん!」


 その時、食堂の扉が開いて一つの人影が怪物に飛びかかった。


「沙羅!」

「創!」


 創さんは怪物に躍りかかると、迫る触手のすべてを受け流しながら怪物と沙羅さんの間に割り込んだ。


「書斎に逃げろ! そこから地下に行ける! ここは俺に任せろ!」

「だが……!」

「九重沙羅! お前の使命は市民を守ることじゃないのか! こんなことで迷うな!」


 叱咤しったされ、ビクリと肩を震わせる沙羅さん。一方、創さんは徐々に触手に押され始め、いくつかの触手に身体を貫かれた。血を吐きながら、しかしそれでも怒濤どとうの如く押し寄せる触手をさばき続ける。


「創……!」

「行けええええェ!」

「……っ!」


 血みどろの創さんを見た沙羅さんは、苦渋の表情で背を向け、扉へ走り出す。扉の元で待つぼくたちの元にたどり着いた沙羅さんは、決死の形相でぼくたちに言った。


「行こう! 早く!」

「創さん……」

「そんな、創さん……!」

「バカ、二人とも! 早く行くわよ! 創さんの頑張りを無駄にするつもり!」


 付き合いこそ短いが、創さんは知り合いだ。簡単に見捨てることができないぼくと愛奈を紅里が引っ張る。


 沙羅さんを先頭に、書斎を目指してぼくたちは食堂を飛び出した。

 去り際、思わずぼくは振り返ってしまう。

 そこで目にしたのは、鎌状に変化した触手によって首を斬り飛ばされた創さんが、床に崩れ落ちるところだった――――。

 ついに犠牲者が出てしまいましたね。恐ろしい怪物から逃げ切る術はあるのでしょうか。

 今後は元のお話の原型がなくなるほどオリジナルの要素を強めにしてお送りするつもりでございます。

 見返して自分でもビックリするぐらい文章のレベルが低いですが、何卒お付き合いお願いします。

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