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飛ぶだけの空  作者: 石黒嗣翠
第一章
2/4

Are you still a

初めての自由なフライトがすぐそこまで来ている。少し楽しみである。教官にフライト中に怒鳴られる心配もないし。(あれは本当に心臓に悪いんだよな)同期もなんかそわそわしている、先輩は本を読んでいる。リラックスする方法なのかどうかは知らないけど、今度試してみよう。

人が部屋に入ってくる。「初めて見る人だな。」と思ったが、一度何かの集会で訓示をくれたらしい。ブリーフィングが始まった。要約すると、敵基地を偵察して来いって訳だ。この作戦には僕を含めて7機が参加する。新しく出来た敵の海上要塞だそうだ、その名にふさわしく人口島の上にあるらしい。17:00つまり今から3時間後が離陸予定だったから格納庫で整備の手伝いをした。まぁ、見ている事しか出来ないのだが。1時間ほどすると整備が終わったみたいだから、コクピットに座らせてもらった。年甲斐も無く少しはしゃいでしまった。そこからは、整備士と話をしたりしていたが時間はあっという間に過ぎて、予定時刻となった。

耐Gスーツというものはとても暑苦しいけど、それが空に行くための免許証だとしたら喜んで着よう。計器を見る。正常。

舵を動かす。正常。

耳を澄ませる。正常。

遠くで管制の音声が聞こえる。女性の声だ。

カウントダウンが始まる。

ゴー。

気持ちの悪い加速。

身体はそこに居続けたいらしい。

後ろに流れていく光景。

光が伸びる。昔観た映画みたいだ。

浮く。

浮く。

浮く。

臭い表現だが重力から振り切る感触。最高だ。

「空の世界へようこそ。」

隊長の声だろうか?まぁいい、悪い気分はしない。

一気に高度を上げて、他の機と鼻を揃えて東へ進路を向ける。通称「一番型」と呼ばれる機体が2機、「五番型」と呼ばれる機体が5機の、7機が編隊を組んで飛ぶ。

下の風景が穀倉地帯に入ると音速クルーズに入った。

海に出た。領海線が近づく。さぁ、そろそろ来るんじゃないか?速度を落とす。

機体をひっくり返したり、首をひねったり、索敵に移る。

「ルビィアイは臆病だな。」同期の声。「僕は臆病だからね。」と陽気に返してみる。

見えた。

後ろ右下に10機?いや、12機か?飛んでる。型式までは分からないけど。

僕が報告するより先に、「右後方下に敵機確認」と誰かが言った。

「機種は?」

「分からない。97か?」

答える「そうですね。97ですね。」

「振り切るぞ」隊長が言う。

優しく左手のスロットルを開く。


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