vsコミュニケーションという名の決闘士
家に来るかという問に対しOKが出たのは良いが、そこからが問題だった。
まず、こいつは動けない。
次に、家までの距離が遠すぎる。
最後に、まだあいつらが巡回しているかもしれない。
いやまず、俺の体力の無さを考慮しよう。無理無理無理!万年体育の成績は2。家から学校に行くだけで息も切れ切れなのに…。
結論から言うと、出来ちった。
見張りがいなかっただけで、普通に運べた。疲れた。寝たいけど彼女にベッドを使ってもらっている。
疲れたのか、背負って家に向かう最中で寝てしまったらしい。
まぁさすがに、女子に床で寝ろと言う心は持っていない。
しかし、夜中にベッドでくつろぎながらアニメを見るという常套手段が使えなくなってしまった。
とりあえず、起きるまで待っていようか。
っていうか、人と喋るのなんて久しぶりだな。
やばい、緊張してきた。
めっちゃドキドキしてきた。
目を覚ますと知らない場所だった。
「…知らない…天井…?」
「ぶっ…!」
目の前には、私を助けてくれた男が本を読みながら座っていた。
「悪い悪い。
まさかそんな事言うとは思わなかったからな。」
「は…はぁ…。」
何だこいつは。
やはり変わっている。
中身的な物もあるが、こいつの纏っているオーラそのものが捻曲がっている感覚だ。そんな事より、ここはどこだ?
「一体ここは何処なんだ?」
私の国では見たことの無いところだ。ベッドと言うには柔らかく、夜なのに火を使わずとも明るい部屋。更には、四角い板に映る人間。見たことが無い世界だった。
「あぁ、ここは俺の部屋だ。とりあえず、動けるようになるまではここを使ってくれ。腹は減ってるか?なんか買ってくるがどうだ?それとも、寝ていたいか?て言うかどこから来たんだ?何で日本語が話せるんだ?いつ来t「ちょ、ちょっと、待ってくれ…!質問が多すぎる。」…あ、すまない…。
女子を部屋に入れたのは初めてだったもんだから…つい…。」
なんか、悪いことをしてしまった気がする。まぁ、それはさておき…。
「…こっちも助けて貰ったのに礼の一つも言えずすまなかった。礼を言わせて貰う。ありがとう。」
深々と頭を下げるなんていつぶりだろうか。礼というのを忘れかけていたのか。
「そ、そんな、いいよいいよ。
頭を上げてくれ、頼むから。」
どうやら、もう良いらしい。
「それではまずは…『グギゥ~~…!』…腹が…減った…。」
なんたる不覚…!恥ずかしいにも程がある…!
「あ!お腹が空いたのか!ちょっと、待っててくれ!食べ物買ってくるから!」
そう言って、恩人は走ってどこかへ行ってしまった。
しばらくは、ここで身体を休めるとしよう。…しかし、なぜ私を助けたんだ?しかも、私を脅すでもなく、痛めつけるでもなく、食べ物まで買ってくる。どこまで優しいんだ?更には、こんなフカフカなベッドまで…、本当に柔らかいな。一体なにで出来ているんだ?なんだか、また、眠く…なって…き…た…。
その日、彼女は久しぶりの安らかな眠りに誘われたのだった。彼女の恩人に数分後に、起こされる事を知らずに…。