表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

調停者と卑怯者

今日は午前中授業だった。まぁ、皆が帰るのを待つために屋上に来ているんだが…。しょうがないじゃないか、今日は部活も無しなんだから。部活が無しだと帰る連中も多いじゃないか。人が多い所は嫌いだ。ただでさえクラスに居るのも嫌なんだから。まぁ、2~3時間したら全員が帰る頃だろう。心地よい風が包んでくれる。ちょっと…眠ろう…か…。


カー…カー…カー…


やばい…寝過ごしてしまった。いやまさか夕暮れ時になるなんて予想外にも程があるじゃん。屋上…恐ろしい子…!まだ学校は開いているな。さぁて、帰るとするか。


ズドン…!パリン!


何かが崩れる音と窓ガラスが割れる音が聞こえた。急いで下に行って見るとあの時の悪魔っ子が瓦礫に埋もれていた。急いで瓦礫をどかし安否を確認する。


(まだ息はあるか…。)


 砂煙の向こう遠くの上空に緋川守の姿が見えた。


(とりあえず、彼奴らが居なくなるまで、悪魔っ子を別の場所に運ぶか…。)




「………、ここは…?」


「保健室だ。

 まだ休んでいると良い。」


「…なぜ助けた?」


「…は?」


「私は…人間じゃない。」


そんな台詞は漫画でしか聞いたことがないぞ。


「人間か人間じゃなかろうが関係ない。

 まして、俺の周りで人を殺してもいないだろ。」


あぁ~、言っちゃった。

恥ずかしい~。


「…お前は、変わってるな。」


そういうと、少し笑った。やばい、可愛い。ただ、このほんわかムードを邪魔する音がした。


「メラース!

 ここに居るのか!」


部屋の外から緋川守の声がした。




「ここか!」


緋川守が保健室のドアを開けた。


「ん?なんだ?」


緋川守の目には、ベッドに横たわる生徒がいた。


「ここに誰か来なかったか?」


「いいや、ただ廊下を走っていく音は聞こえたな。」


「…!

 どっちに行ったか分かるか?」


「たしか…、あんたが来た逆に走っていったかな。」


「ありがとう!」


そう言って、緋川守は走って去った。


さて、とりあえず…。


「君は、もといた世界に帰れるのか?」


ベッドの下に隠れていたメラースが答える。


「いや、長期間休まなければ無理だ。

 第一、先の戦いで歩けそうにもない。」


「そうか、だったら…。」


下にいるメラースにひょこっと顔を見せながら言った。


「俺の家に来るか?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ