運命の卵
今日の昼休みも過ごすのは屋上だ。やっぱり、一人で過ごすにかぎる。何も考えなくて良い。人と話していると余計な事を口走ってしまうからな。それで友人も出来ないなんて言えない。因みに、人見知りってのも言えない。
屋上に入る扉を開けると生暖かい風が吹いてくる。ベンチを見ると、
…先客がいた。
「…なんで居る?」
「居ちゃ悪いの?」
「…HURM…。」
言う通りだ。
「私の事は気にしないで。」
とりあえず、座って飯を食べよう。気にしない気にしない…。
「…。」
「…。」
この話さなければいけない感覚が大嫌いだ。話したら話したでギスギスする感覚も大嫌いだ。とりあえず、昼飯を食べることに集中しよう。
「…あ、あのさ…。」
聞こえない聞こえない。俺に喋りかけていない。何も聞こえない。
「聞いてる…?」
うぐぐ…。
「気にしないで良いと言ったのはそっちだろ。」
「そうだけど…。」
「…わかった。
聞いてやる。
言ってみろ。」
俺の良心がざわつくのもやめろ。なんなら悪魔みたいな残虐的精神の方がましだ。
「…もしも、もしもだよ。
友達が自分に内緒で怪人と戦っていたら…?」
「…は?」
は?こいつはバカか?本当になんで俺に聞く。まぁ、友達に話す内容ではないが…。話す相手なんて俺以外にも居るだろ…。ん?もしかして…。
「お前…、ぼっちか。」
「…え?」
「そんなに大事な話なら、屋上で一回会った名前も知らない男に話すはずがない。もうかなり学校での時間がたつのにだ。毎日話す相手くらい居るもんだろ。なのに俺に話すということは友達に話すのが躊躇われるのか、それとも話す相手がいないのか。もしくは、友達と喧嘩したかだろうがそれはない。たかが、喧嘩しただけで立ち入り禁止の場所に入るわけがない。だが、前者も可能性としてはあるがそんな躊躇われる話がそうそうあるのか疑わしい。だから、後者だと思ったわけだ。」
嘘だ。誰にも話せない内容で友達がいないのだ。恐らく、緋川守関係だろう。
「も、もういい!
話そうとしたアタシが馬鹿だった!
じゃあね!」
「答えは…!」
俺の口が勝手に動いていた。
「答えは、そいつは友達を守るために戦っている…で、どうだ?」
彼女が欲しがっている答えを出してみた。
「…ありがと…。」
そういって、彼女は屋上を後にした。
放課後、アタシは再度悪魔っ子に捕まっていた。
「…またか。」
「…まただ。」
慣れってこわいね。
「またアタシをさらって…。」
「大丈夫だ。
これで…最後だ。」
は?
「メラース!
見つけたぞ!」
「守!」
「早く薫を解放しろ!」
「じゃあ、始めようか。」
メラースは前に出て言う。
「さぁ、殺し合いの時間だ。」