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重なる軸

 主役というのを皆さん知っているだろうか。

映画、漫画、アニメ、演劇等々、その世界の軸になる存在だ。

面白いのはその世界の住人は四つに分けられる…多い?じゃあ二つで。

一つは主要キャラ、そしてもう一つはその他のキャラだ。

いや、やっぱり四つ言おう。この例えも使いたい。主人公、サブキャラ、ゲストキャラ、そしてモブキャラ。例えるなら、主人公は世界、サブキャラは国、ゲストキャラは首都、モブキャラは家やビルだ。はっきりいって、家やビルは景色になってしまう。

じゃあ、この話をしているこの声はどれに当てはまるかって?

残念ながら四つ目だ。




…朝だ。

最悪なのは、今日は疲れると分かっているのに自ら前に進まなければならないんだから。

「…朝よ~!」

親が呼んでいる。

今日は…、入学式だ。




 新しい制服を着て、ネクタイで自分の首を締め上げれば完成だ。面白いのは、ネクタイがオレンジ色。ブレザーは青色。オレンジ色は喜び。青色は平和。平和で身を纏わせて、喜びで自分の声を染め上げる。そうやって、未成年の時から刷り込み、世界平和は成り立っている。

「………ハァ。」

さて、出発の時間だ。




 登校中にすれ違う学生たちは倦怠感を撒き散らしながら歩く俺とは違い、キラキラしたオーラを纏って足を動かしている。自分が一年間過ごす奴がこの中にいると思うとため息も自然に出るものだ。まぁ、気楽に行こう。ってか、早く行こう。登校時間に間に合わなくなる。




 最初の時間は案の定、入学式だ。何回も何回も立たされたり座らされたりするから足が棒の様に動かない。運動も適度にしなければならないのか。そのあとは、クラスで自己紹介だ。まぁ、俺は普通にやったし、俺以外も普通にやった。いや、一人を除いてか。

一際目立ったのは、赤髪の少年だ。

 名前は確か…、緋川守だったか。今、金髪の女性に若干圧されながら連れられていかれた。不純異性交遊か?うらやまs…まったく、けしからん。


 今日は二時間だけで終了。友達が出来たかって?無理だ。脳内で自問自答を繰り返すのは得意だが、口には一切していない。実際、自問自答を繰り返す方が遥かに楽しい。帰りのホームルームでプリントを渡された。なにやら最近人が襲われる事件が起きているらしい。犯罪、ダメ、絶対!

明日からは、授業らしい。今日は、帰ったらすぐ寝よう。夢の中の方がまだ素晴らしい。










「はじめまして!

 俺は緋川守!

 今後共々宜しく!」

俺は緋川守!今日はここ、私立光彩高校に今日から通う一年生!

やっぱり、初めての人が多いからちゃんとしなきゃな。




「あんた今までどこで何やってたのよ?!」

自己紹介が終わって十分休憩の時にこう言われた。

「おう、久しぶり!」

「久しぶりじゃないでしょ!ちょっと来て!」

「お、おい…!」

この女子は昔の幼馴染みの黄瀬薫だ。

「小学生の時いきなりどっか行っちゃって心配したんだから!」

「そんなに心配してくれてたのか。

 心配させて悪いな。」

「べべべ…別にそんなこと…!

 そんなに、してた…わけじゃ…。」

チャイムが鳴る。

「ほら、チャイムが鳴った。

 この話はまた今度にしよう。

 教室に戻るぞ。」

「あ、ちょっと待ちなさいよ~。」




帰りのホームルームにプリントを渡された。

どうやら、この付近で事件があったらしい。

「気をつけて帰るように。」

俺のクラスの担任 佐々木秀隆先生が言う。

「じゃあ、また明日。」

さよならの号令を日直が言い、今日の学校が終わった。その帰り道、俺の目の前には…




怪人がいた。




この時、俺はまだ知らなかったんだ。

その日から、世界は徐々に変わっていってたんだと。

運命が段々と絡まっていくのを…。

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