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出会い

休憩しようとした矢先に聞こえた幼い声。初めて人と思われる人に出会えたと、微かに色めき立つも。

ここは異世界。何があるかわからないと、少し警戒する、といっても立ち上がっただけ。


そして声が聞こえた方を見る。何もいない。


「あの〜、すいません。だれか、いますか?」


声をかけてみる。


すると一本の木の陰から


「?!」


びくっとしたような気配と共に、紅く、美しい、でも生傷がついている蛇のような尻尾がチラッと見えた。


その瞬間春大の脳内で


ウサギ=巨大→ヘビ=さらに巨大


という図式が即時に展開された


(・・・やっちまったぁあああ!?絶対肉食だあれどうしよどうしよどうしよどうしよ)


軽くパニックに陥る。


(どーして、おれは考えてから行動ができないかなぁ?!いっつもいっつもなんだかなぁ)


そんな春大に対し、木の陰に隠れているヘビと思われるものが声を出した。


「・・#/&〒5>○¥€°?」


なんとなく質問されてるような気はするが

さっぱりわからん。


ただ、相手に話す気があるとわかった春大は


「ま、まい ねーむいず はると」


エセ英語を話していた。


そんなもんが通じるはずもなく2人の中に気まずい雰囲気が漂う。


いろいろ限界である。


とりあえず何か言わねば、そんな強迫観念のようなものに襲われる。

しかし、とっくに春大の脳は限界を超えている。


そんな彼が選んだ言葉は


「ぎぶ みー ふーど」


腹が減っている。そんなことを口走っていた。


(・・・おれがフードじゃね?)


冷や汗を滝のように出しながらそんなことを考える春大。


「・・??」


ただ、幸か不幸か分からぬが相手には伝わらないようだ。

相手が戸惑ってる様子が手に取るようにわかる。


(おいおい、日本語も英語も伝わらないとなるともうお手上げだぞ?あにょはせよか?ぼんじゅーる?しぇしぇ?)


もうとっくに限界を超えてしまった。

沈黙が再び2人をつつむ。


5分くらい経っただろうか?

相手が動く気配。そのあとすぐに、木の後ろに隠れていたものが姿を見せた。


「なっ!?」


姿を見せたのは女の子。歳は8〜10歳というところだろうか?顔は整っており、将来はかなりの美人になるだろう。

ボロボロの膝丈まであるワンピース。

靴は履いておらず裸足。あまり、栄養状況がよくないのか、全体的に痩せている。

なにより目を引くのは、燃えるような紅髪。透き通った水のような碧眼。


その子の目は爬虫類を想起させられる。鋭く冷たく、こちらの全てを見透かすような。ただそれだけでなく、どこか温かみを感じる魅力的な瞳だ。


ただ彼女にはおかしな点が2つあった。


一つ目は、全身に生傷がある。

内出血により紫になってる腕、もともとは綺麗だったろう顔はミミズ腫れにより無残なことになっている。


そして二つ目は、尻尾がある。

ヘビのような尻尾が彼女の動きに合わせてニュルニュルと動いていた。



これが春大と彼女の出会い。









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